9人体制になってパワーアップ! 私立恵比寿中学が打ち出す、グループのいまと未来
昨年より新メンバーの3人が加入し、9人体制へ。そして今年メジャーデビュー10周年を迎える私立恵比寿中学。そんな節目にリリースされる7thアルバムはグループ名を冠したセルフタイトル・アルバムであり、メンバーの作品への想いもひとしおな模様だ。今回のインタヴューでは、体制が変化してからのグループの様子や、アルバム『私立恵比寿中学』のそれぞれの気に入った曲、これからの展望について、など存分に話をしてもらった。
INTERVIEW : 私立恵比寿中学
個性もエビ中歴もバラバラな彼女たちだが、どこか私立恵比寿中学としての色をしっかり出している9人。今回、話を聞きながら、お姉さんメンバーが新メンバー3人に優しく話す様子は、本当に大家族のようだった。新作アルバム『私立恵比寿中学』の制作や、これから始まる春のツアー通して、本当に彼女たちの活動は、ますますおもしろいものになっていくのだろう。そんな期待を抱いたインタヴューであった。
インタヴュー&文 : 西田健
写真 : YURIE PEPE
〈大学芸会2021〉が「9人のエビ中」を作る大きなきっかけになった
──私立恵比寿中学さんは、2021年5月から9人体制になりましたが、これまで活動してみていかががですか?
真山りか(以下、真山) : 楽屋の雰囲気が明るくなりました! いままでも騒がしかったんですけど、大家族みたいな雰囲気になりました。私と一番下の和香の年の差なんて、11歳も違うんですけど、ギリギリ干支1周回らなくてよかったなと思いました(笑)。
安本彩花(以下、安本) : 私たちも3人から、いろんな意味で刺激をたくさんもらっています。アイドルとしても3人は、次世代の風をすごく吹かせてくれます。人としても、自分たちがお姉さんとしてどう立ち振る舞うか、すごく勉強になっています。その刺激をもらいながらライヴも今回のアルバムも作っていた感じがします。
柏木ひなた(以下、柏木) : 自分がこの年齢のときに、ここまでできたかっていわれたら正直全くできていなかった気がします。私は歌穂・莉子が入ったぐらいのとき、ちょうど新メンバー3人と同じくらいの年齢だったんですよ。入ってからこんな急にバーンっていろんな出来事に対応していくのなんて、私だったらこんなにすぐはできないし、本当に3人のことをすごいと思います。
星名美怜(以下、星名) : 昨年末にはじめて9人揃ってのワンマン・ライヴ〈私立恵比寿中学 大学芸会2021 ~Reboot~〉を開催したんですけど、それまでは、姉メン+新メンバー3人の6+3の形がずっとあったんですよね。でも、この前の〈大学芸会2021〉では、3人をフィーチャーしつつも「9人のエビ中の雰囲気はこういうものだ」という方向性を、お互いに確かめることができた感じがします。ひとつのライヴを作るにあたって、3人が一生懸命ついていこうと本当に必死になっていて。お互いに助け合って、ひとつのライヴを作ることが、「9人のエビ中」を作る大きなきっかけにはなったんじゃないかなと思います。
小林歌穂(以下、小林) : 9人体制で歌って踊るワンマン・ライヴは〈大学芸会2021〉がはじめてだったので、みんながひとつになって、気合いが入ってました。
中山莉子(以下、中山) : 3人は5月に加入して、そこからたくさんレッスンしたのに、もともと初ライヴの予定だった〈みらいに響け、みなとのPLAYGROUND こと ファミえん2021 in 赤レンガ倉庫〉がなくなっちゃったり、やりたいのに前に進めない時期があったと思うんですよ。でも、しっかり頑張ってくれていて。私と歌穂ちゃんは、いままで年下としてやってきたんですけど、3人が入ってきて真ん中になって。その役割も〈大学芸会2021〉を作っていくなかで、やっとわかった気がします。
──〈大学芸会2021〉がひとつのターニングポイントになっていたということですが、新メンバーの3名はどうでしたか?
桜木心菜(以下、桜木) : 〈大学芸会2021〉では、練習してきたことをそのまま素直にファミリーのみなさんの前で披露できたので、すごく笑顔で終われたかなって思います。その前にやった〈私立恵比寿中学秋田分校〜おらが美の国フェス2021〜〉で、「もっと体力をつけなさい」って先生方にもいわれてしまって悔しい思いをしたので、体力をつけるためにランニングしたり、クオリティーを下げないようにどうやるかを考えて頑張りました。演出について聞いたとき、「こういうことをやるんだ!」ってすごくワクワクしたし、早くライヴしたいっていう気持ちで挑みました。
小久保柚乃(以下、小久保) : 〈大学芸会2021〉は、はじめての9人全員だったので緊張したけど、〈@JAM EXPO 2020-2021〉のときみたいに緊張しすぎてガチガチになるっていうより、「緊張してるけど頑張ろう!」みたいなテンションで楽しくできました。
風見和香(以下、風見) : 〈大学芸会2021〉では、私は彩花ちゃんとユニットで “君のままで” を歌わせてもらいました。いままで他のメンバーに教えてもらっていたところを、自分で考えるところが多くて。考える力もそこで成長できたかなと思います。他にも〈大学芸会2021〉ではわからないところを、お姉さんメンバーにたくさん教えてもらいました。
──この取材の前に新メンバーの3人のインタヴューを行ったんですけど、新メンバーのみなさんは、みんなすごくポジティヴな印象を受けたんですよね。
真山 : 実は、お姉さんメンバーはネガティヴなメンバーが多いんですよ。6人のときのエビ中って、陰のパワーも魅力になっていたと思うんですけど、9人になってからは、いい意味で明るさが突き抜けてるなって思います。もちろん心のなかに秘めていることもあると思うんですけど、メジャー10周年を迎えるグループにオーディションで入ってこようって子たちは基本的にネガティヴな子はいないんじゃないかなと。入ってきた3人が本当に明るいから、私たち自身もすごく初心に戻った気持ちもありますし。これが若さなのかって感じる部分もあります。とにかく、いままでのエビ中のイメージを良い意味で変えられたことが、この9人になってからのいちばん大きな一歩なんじゃないかなとは思っています。
安本 : 今回のアルバムのワクワク感とか、明るい未来を想像して、すごくウキウキする要素は、絶対に新メンバー3人の力が大きく関わっていると思います。
星名 : あとは、3人みんな大人っぽいんですよ。
小久保 : ふふふ(笑)。
星名 : あ、柚乃は大人っぽくはないかも(笑)。
小久保 : えー!!
一同 : (笑)。
──3人とも、すでにエビ中の一員としてすっかり馴染んだ感じがあります。
安本 : これは、エビ中の特色な気がする。真山からはじまり、あとから入った子も本当にみんなスッと馴染んでいくよね。
星名 : エビ中って、時代によってカラーを足したり変化できるんだよね。芯は変わってないんですけど、その時代によって馴染むような。そういうメンバーが入ってくる気がするし、先輩メンバーも自然とそうなっていく気がする。
真山 : もしかしたら、そこはうちらの楽曲にも通ずるのかなと思っていて。今回のアルバムもそうなんですけど、いろんなジャンルの楽曲があるから、その曲たちに対応していかなければならない瞬間があって。私もラップの曲が、昔はすごく苦手だったんですけど、歌っていくうちに好きになっていったし。すべてのことに対応していかなければいけないから、自然とメンバーも「どんな人が来てもいけるよね」みたいな感じはあります。