「私たちも月曜日を迎えるときが来た」──おとといフライデーが最後に残した、宝物みたいな初アルバム

小島みなみと紗倉まなのユニット、おとといフライデー(通称、おとフラ)、今年の3月9日のワンマンライブを最後に解散することを発表した。トリプルファイヤーや浅見北斗(Have a Nice Day!)などの個性的なアーティストからの楽曲提供で、普段の職業とは違う「ちょっと前衛的」な一面を見せてきた彼女たち。おとフラはなぜ、解散することを選んだのか。その心境を訊くべく、2人にインタヴューを実施。改名前の乙女フラペチーノ時代を含め、10年以上の活動を振り返ってもらい、「宝物みたい」と語る初アルバムへの思い入れについても訊きました。
『OTOTOY FRIDAY』購入者限定撮り下ろし画像プレゼント!
おとといフライデーの『OTOTOY FRIDAY』の音源をOTOTOYで購入すると、このインタヴュー記事のアザーカット画像(しかも、直筆サイン付き!)が付いてきます。特典画像は、ソロ各2枚、2ショット各2枚の合計6枚の中からどれかがランダムでゲットできます。どの画像が手に入るかは運次第!もちろん、ここでしか手に入らない画像です。
『OTOTOY FRIDAY』の購入はこちらから!

INTERVIEW : おとといフライデー

おとといフライデーが作り上げたアルバム『OTOTOY FRIDAY』は、個性的なアーティストが提供した楽曲とふたりの歌声により、他に類を見ない唯一無二の作品に仕上がっている。リズムや歌詞も、いわゆる普通のJ-POPとは一線を画すものの、どこか耳馴染みが良い。それは、きっと彼女たちのキュートな歌声がそこにポップなエッセンスを加えているからだろう。もうすぐおとフラは、キラキラした日曜日を終えて、月曜日を迎える。我々は、同じくおととい(OTOTOY)という名前を有するだけに、なんとなく寂しい気持ちがするが、彼女たちのことは、いつまでも覚えていようと思う。(西田)
インタヴュー&文 : 西田健、飯田 仁一郎
写真 : 大橋祐希
おとフラは、私たちが唯一未成年と関わることができる機会
——おふたりのユニットとしての活動は、改名前の乙女フラペチーノを含めると10年以上になりますよね。これまでの活動を振り返ってみていかがですか?
紗倉まな(以下、紗倉):すごく贅沢に曲をリリースさせていただいた10年でした。私たちは1年に1曲くらいのペースで活動させてもらったので、「大御所みたいなリリースの仕方だね」と言われることもあります(笑)。でもだからこそ、本当に1曲1曲に入魂できた気がします。
小島みなみ (以下、小島):すごく重みのある10年だったなと思います。1曲1曲を大事にしてきたので、どの曲も思い出深いですね。
——おとといフライデーは、トリプルファイヤーをはじめ、柴田聡子さんやEnjoy Music Club、Have a Nice Day!など、楽曲提供をされている作家さんも個性的な方ばかりですよね。
紗倉:実は私たちも気になっていた方だったりしたので、「曲作ってもらっていいんですか!?」と思っていたんです。本当に恵まれていますね。

——おとといフライデーとしての活動を10年続けてこれた理由ってなんだったと思いますか?
紗倉:歌もダンスも上手いわけではないから、どう活動していくか考えたときに、提供してくださった素晴らしい楽曲を届けたいと思ったんです。特におとといフライデーという名前になってからは、「この曲をシェアしたい」という気持ちがどんどん強くなっていきました。
小島:おとといフライデーに改名してから、ジャケットやMV、楽曲もすごくおしゃれになって、メイクから雰囲気もガラッと変わったんです。それが普段の活動とは違っていて、新鮮な気持ちになったし、ファンの方も喜んでくれましたね。
——普段の活動とは違うことがモチベーションにもなっていた?
小島:そうですね。すごく刺激になりましたし、私自身もやってみたいことが思いつくようになりました。
紗倉:おとフラは、私たちが唯一未成年と関わることができる機会でもあるんですよね(笑)。それこそライヴでは高校生の方とか女の子もいましたし。アダルトの要素を排除して、作品を共有することは、なかなか私たちの本職ではできなかった。普段だったら出会わなかった人たちに、感情をシェアしてもらえるのは励みになりましたね。
小島:サンリオピューロランドのフェスにお呼ばれしたときは、「ここに私たちが足を踏み入れていいんだ!」って感動しました。ポムポムプリンさんとステージ袖ですれ違った時にお疲れさまです!と言えたのも一生の思い出です。
紗倉:ライヴには、「普段のそれぞれの作品は観たことはないけど、曲が印象に残っていたので来ました」みたいな方も来てくれて、それが純粋に嬉しかったです。

——おとといフライデーの「ちょっと前衛的」というコンセプトは、どういう風に解釈していったんですか?
紗倉:最初は「ちょっと前衛的」な音楽ってなんなんだろうとは思っていました。でも最初に「私ほとんどスカイフィッシュ」を発表したときに、世界観を掴めた感覚がありました。「もしやこいつはロマンチックのしっぽ」のあたりになって、自然体の表現が形になっていったように思います。最初は「前衛的」というワードに縋っていたんです。でも、おとフラとしての形ができてからは、わざわざ「前衛的」と言わなくてよくなったのかもしれません。
——10年の活動の中で特に印象だった出来事はありますか?
紗倉:台湾のフェスに参加したことかな。「ウォーシャンハニー」と「いいビーサン」をNATSUMENのアインさんに作っていただいたんですけど、その曲は中国語も織り交ぜられていたんです。現地の方にどう聴いてもらえるのか緊張した思い出がありました。
小島:緊張したよね。台湾は個々の活動でよく行っていて馴染み深い場所だったので、すごく嬉しかったですね。
——この10年の活動を通しておふたりの間で変化したことはありますか?
紗倉:1番変化したのは、私たちの仲がすごく良くなった(笑)。
小島:たしかに!
紗倉:20代は感情の起伏が激しかったし、新しいことにチャレンジするから神経が尖っていたんです。今の私と当時の私では、考え方や姿勢も違うと思うんですけど、そんなときに隣にこじちゃんがいてくれたんです。話し合ったり、感情を曝け出したりするなかで、戦友でもあり仲良しになったのかなと。だんだん自分たちで「おとフラをこうしていきたい」という気持ちをシェアできるようになって、それもすごく10年間で変わったことかもしれないです。
小島:最近だと、ライヴのMCのことや衣装までもっと細かいところまで話し合えるようになったよね。