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大谷友介のソロ・プロジェクトSPENCER。昨年6月にソロ名義で初のミニ・アルバム『MyWave』をリリースし、11月には『Eine tausend Musik tour 2010』と題した1ヶ月に渡るツアーを敢行。東京・北とぴあプラネタリウム・ホールでのライヴを皮切りに、名古屋、京都、岡山、神戸、大阪… と、約1ヶ月かけて各地をまわった彼の、ACTアート・コンプレックス・ホールでのツアー・ファイナルの模様を、最高音質のDSDで発売! ツアー初日の北とぴあプラネタリウム・ホールでのライブから、サウンドはどのように変化したのか? 12月にリリースしたプラネタリウム・ホールでのライヴ音源と合わせて、大谷友介の本質に迫る。更に、ツアーを終えて現在の本拠地ベルリンへと戻った彼に話を聞いた。
SPENCER『Eine tausend Musik tour 2010 at The Artcomplex Center of Tokyo 2010.12.18』
【TRACK】 1. expression 1 / wave
2. Free Bird
3. Night on the bridge
4. Eine tausend Musik
5. expression 2 / silence
6. my piano and my wave
7. Take me to the light
8. 彗星
☆アルバム購入者には、特典でオリジナル・ウェブ・ブックレット(pdf : photo by terasawa miyu)をプレゼント!
【販売形態】
1. DSD+mp3 Ver.(約1.42GB)
2. HQD(24bit/48kHzのWAV) Ver.(約653MB)
共にアルバム販売のみ 1500円
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all tracks performed and composed by Yusuke Oya
Recorded by Kentaro Takahashi, Hiromi Mizoguchi
at The Artcomplex Center of Tokyo on Dec, 18th, 2010
Mixed by Kentaro Takahashi
プラネタリウムでの初日公演の模様はこちら
SPENCER『Eine tausend Musik tour 2010 at Tokyo Hoku-topia planetarium Hall 2010.11.18』
【TRACK】 1. session in the light
2. Free Bird
3. session in the dark
4. my piano and my wave
5. Night on the bridge
6. ステレオ
7. デッサン#2
8. 彗星
☆アルバム購入者には、特典でオリジナル・ウェブ・ブックレット(pdf : photo by sasaki wataru)をプレゼント!
【販売形態】
1. DSD+mp3 Ver.(約1.26GB)
2. HQD(24bit/48kHzのWAV) Ver.(約632MB)
共にアルバム販売のみ 1500円
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SPENCER /大谷友介 INTERVIEW
インタビュー&文 : 飯田仁一郎
——ツアーお疲れさまでした。去年、夏と冬に二度ツアーを行いましたが、間を置かずにすぐ次のツアーを始めた理由とは?
大谷友介のソロ・プロジェクトとしてSPENCERを5月に始めて、6月にミニ・アルバムの『My Wave』を出して、7月から始まったツアーには「こんな事を始めました」という、お披露目の意味合いが強かったんです。だからSPENCERとしての楽曲もまだほとんど無かったし、ゲストを呼んでお祭り的な、それこそ披露宴みたいな感じのライヴだったんですけど、その時から、なるべく早いうちに楽曲を1人でやりきる形のライヴを見てもらわないとなと思っていました。その結果が冬のツアーですね。
——会場がライヴ・ハウスではない場所を選んだのは、敢えてなんでしょうか?
SPENCERとしてこれからどういう表現をやりたいのかをきちんと見てもらいたかったので、空間も含めて提案しました。
——それは、SPENCERの音楽には空間が必要だということ?
そうですね。今回は出演者が自分1人だけという個人的なライヴだったので、音も演出も全部自分で整理できるような場所を選びました。これはベルリンに来てから特に感じた事なんですけど、こっちには日本のライヴ・ハウスのような、どこに行っても似た様な音響システムが設備されている場所って少ないんですね。そういう場合、自分でPA機材を持ち込んで、一から全部組むようなことも多いんです。だから、ギャラリーとか教会でライヴをやる人も居るし、場所は、やる人自身の音が伝えられると思えばどこでもいいんじゃないかと思うようになりました。自分の感覚、雰囲気や音に馴染みやすそうな場所が色々とあると思うので、それを探しつつ、通常のスタイルのライブだけでなく、このスタイルのツアーも続けていこうと思っています。
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——このツアーの中で楽曲はどのように変化していきましたか?
夏のツアーの時点で、SPENCERの曲は6曲しかなかったので、新曲含めSPENCERの楽曲がライヴの多くを占めるツアーは結構ドキドキしましたね。リハーサルも1人なら家でやれちゃうんだろうけど、あえて鎌倉芸術館という場所の防音スペースを借りて、そこに機材を全部持ち込んで、実際のライヴを想定しながらリハーサルをしました。ツアーの最初の方のライヴではPolarisの曲や他の人に提供した曲もやってたんですけど、慣れてくると新曲がセット・リストの中でどこにはまりそうかが見えてくるので、徐々にSPENCERの曲に入れ替わって行きました。
——じゃあ、ツアーの最後の方になると自分のベスト・セット・リストの様なものが出来ていった?
そうですね。これだったら今の気分を伝えられるなというものが出来てきましたね。
——今の気分というのは、具体的に言うと?
SPENCERはソロのユニットなので、バンドの中では出せなかった、大谷友介という人間がどういうことを考えて、どういう音がにじみ出るのか。その根本をさらけ出すツアーにしたかった。それと、今こっちで日々生活していると、意識せずとも自分の音楽の趣向も徐々に変化していくんです。そういう質感の変化も感じてもらいたいと思いました。
——前回の夏のツアーと、今回の冬のツアーは心境も違いましたか?
前回はみんなでワイワイセッションをする感覚でした。お披露目やお祭り的な意味合いとしては楽しかったのですが。今回は、完全に1人の世界に振り切ってる。そこはすごく違うかな。
——北とぴあプラネタリウムホールのライヴ、すごい斬新だと思ったんですが、ここでライヴをしようと思ったのはなぜですか?
元々は「プラネタリウムとSPENCERの曲がイメージ的に合いそうだ」という、自分以外の人からのアイディアから始まった場所なんですけど。この会場は、以前別の人が演奏しているのを見に行ったことがあったんです。ヴィブラフォンとノイズのようなエクスペリメンタルなライヴだったんですけど、プラネタリウムって最初から見えるものや聴こえるものが決まっている場所じゃないですか。でもそこが自分の知ってる場所とは全く別のものに変化している感じがしたんです。これは面白い! と思いました。ただきれいな世界を演出したいだけなら素敵な音楽を流すだけでいい。でもわざわざそこでライヴをするという事は、少しはみ出てしまったり、とげとげしかったり、ごつごつしたものがあるから面白いと思うんです。
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——夕方の部と夜の部の二部制にしたのは?
二部制にしたのは、シンプルに多くの人に観てもらいたかったということなんですが、それぞれの構成としては、前半はプラネタリウムを投影せず、後半は投影してライヴをして、光と闇の二面性が色濃く出るようにしました。プラネタリウムを素敵な、綺麗なというだけじゃなくて、怖いもの、少し毒のあるものとして使ってみようと。曲もただ合わせるだけじゃなくて、自由にインプロとかやったり。プラネタリウムも流れ星のタイミングを指定するなど演出を加えてみたり。場所が渋谷とかじゃなくて、敢えて北区っていうのもなんかいいなと思ったんですよね。
——プラネタリウムのライヴでは「二面性」を表現したかった?
そうですね、色んな意味で。元々、自分は歌を歌い始めて音楽を始めた人間ではないんです。チェロを演奏してたり、ピアノや打ち込みで曲作りしてたり、高校の時はハードコアのコピー・バンドをやっていたり、好きなものがたくさんあって色々な経過を辿ってきていて。一番イメージが濃いであろうギターを弾いて歌を歌う大谷友介は、大谷友介の中の一部でしかないんです。だから、SPENCERで敢えて今までと違うことをやろうというよりは、自分自身の中にある本来の自分や大事な面を、包み隠さずまっすぐに伝えていきたいので、表現活動としては同じものをやっているという感じなんですよね。
——では、名古屋のくつろぎ食堂 Amiでのライヴはどうでしたか?
これはお寺の中にある古民家なんですよ。ここではプラネタリウムのセット・リストにもうちょっと肉付けして新曲を盛り込みつつ、元々の持ち曲をアンコールでいっぱいやったり、すごく尺の長いライヴになってしまったんですけど、このライヴで色んなものを出しきったので、一度風呂敷を全部広げて中のものを整理する事が出来たライヴになりましたね。ライヴが終わった後もお客さんとしゃべり出して座談会みたいになっちゃって。またその中に話の上手い奴がいたんですよ(笑)。「どういうきっかけでこのツアーを始めたんですか? 」「ここの印象はどうでしたか? 」ってインタビューされました。でもお客さんとその場で直接感想を聴ける機会ってあんまりないんで、楽しかったですね。
——京都ではcassowaryと永運院の二カ所でライヴしたんですね。ここはどういう場所ですか?
cassowaryは洋服のセレクト・ショップなんだけど、そこを主宰してる服飾デザイナーの友人との話しの中で、ライヴが決まりました。彼とは前々からflowing KARASUMAなど色んなところでイベントをやっていて、今後も一緒に何かしらやっていくんじゃないかな。永運院でのライヴの経緯としては、去年の夏に書道家の川尾朋子さんがベルリンで展覧会を開いた時、オープニング・セレモニーで彼女が即興で書を書いて、自分も即興でというライブをさせていただいて。その感触がすごいよかったんですよね。それをそのまま京都でやってみたいと思い実現したのがこのライヴです。このお寺の住職さんもそういうカルチャーやアートなどに興味がある人ですごく協力的で。茶室がちょうど紅葉の時期で、お庭をライト・アップしてそこでライヴしました。本堂を楽屋にしたんです。みんなで仏像の前でおにぎり食べたりして(笑)。住職さんがすごく素敵な方だったので、また是非やりたいですね。
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——岡山の城下公会堂とは?
これ、実は城の近くにあるカフェなんです。今まであんまり岡山の文化圏に触れる機会がなかったんですけど、岡山っていいですね! 関西のノリとはまた違う独特な熱さがあって。岡山と神戸は、さっき話した方とはまた別の仲良くさせていただいてる服飾デザイナーの方の紹介で場所を決めたんですけど、神戸の場所もとても良かったです。
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——旧グッゲンハイム邸ですね。ここは最近色んなアーティストがライヴしてますよね。
明治時代に建てられた、名前の通りグッゲンハイムさんの古い洋館なんですけど、ここを運営してる方もミュージシャンなんですよね。海の近くに建っていて、どこからも離れていて、葉山みたいな雰囲気でもありました。ここも面白かったですよ。
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——大阪の細野ビルジングは?初めて聞く名前ですね。
ここは普段ギャラリーや洋服屋さんの展示会に使ってる古い建物なんですけど、当日、何でその日にやろうと思ったのかわかんないけど、オーナーの方が窓にペンキを塗り始めちゃったんですよね(笑)。ペンキの匂いがとれなくなっちゃうから昼間のうちに終えて欲しかったんだけど、オーナーの方もやり始めたのに面倒くさがっちゃって、ライヴのギリギリまでかかったんです。ペンキの匂いが充満してる中でのライヴで、窓あけっぱなしにしてるとお客さんから寒いって言われちゃうし、またオーナーさんがめちゃくちゃよく喋る本当に面白い人で、リハ中でも喋りかけてくるし、ライヴ終わった後にお客さん連れてビルの説明ツアーを始めちゃうし(笑)。面白かったんですけどね。肝心のライブですが、自分的に今回のツアーでベストアクトのひとつでした。
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——最後東京に戻ってきて、ツアーのファイナルがA.C.T.アートコンプレックスホールだったんですが、ツアーのまとめとなるライヴが出来たと思いますか?
そうですね。それとプラス・アルファで、元々やってみたかった映像とのコラボレーションだったり、新しい次の展開を感じてもらえるようなライヴにもなったかな。まとめとこれからの広がるものへの予感と、その間になるライヴにしたかったんです。
——映像を使ったのは最後の日だけ?
そうです。ツアー中に作ってもらいました。
——その間にもプロデュースしている空中ループのレコーディングがあったんですよね。かなりハードだったんじゃないですか?
お客さんの大体はそれを知らないから、ゆったり出来ていいですねって言われてました(笑)。
——ソロ・ツアーは淋しくなかったですか?
不安でしたね。1人の場合って、フォローし合うことができないじゃないですか。自分がギター弾かなかったり、声出さなかったりしたら、何もない状態にしかならない。でも逆に考えれば間(ま)が全部自分の物になるということだから、1人の方が自由に時間が使えるし、変態なことも出来ることに気付いて、どんどん楽になっていきました。バンドにはバンドならではのチーム性があったけど、SPENCERではいい意味でそれを無視して自分勝手な流れでやれる。本当はそれをやりたかったがために、ソロでの活動を始めたのかもしれない。
——1人でやるって、今までのバンド活動とは全然違いますよね。
はい。今回は相当揉まれましたね。だから気付かないうちに結構タフになってるかも。地方の場合はPA機材も車に積んで自分で持っていってたんで、スピーカーから出る音まで責任もってやる訳じゃないですか。それはそれで面白かったですね。それぐらい自分でやりきっちゃう方が、本当は好きだったのかもしれない。
——SPENCERとしての今後の予定について、何か考えてますか?
今、実はレコーディング直前なんです。なので、録音して、それを早く聴いてもらいたいな。今年は、まだリリースしてない形のあるもの(CD)もですね。それから今年はベルリン含めヨーロッパでのライブも、地に足の着いたかたちで充実させていきますよ。また日本でのライブもやるつもりですのでお楽しみに。
3月25日 ライブ・イン・ベルリン決定!
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大谷友介のソロ・プロジェクト、SPENCERの活動拠点であるドイツ、ベルリン。SPENCERが生まれたその土地で、その空気を感じながら彼の音を存分に楽しめるという豪華なライブが実現する。今回のライブでは、単なる音楽モノのギグという枠を超え、会場全体をひとつのアート作品にしてしまうという試み。SPENCERの音がアーティスティックな映像に溶け込む音像世界を表現。まさにサウンド・ヴィジュアル・インスタレーション。映像で競演するのはベルリン在住のクリエイティヴ・ファミリー、usaginingen。そしてつい先月もカナダのテクノ・シーンを牽引するRevolver Canadaのジェフ・ミリガンと共にツアーで日本中を席巻、ジョン・テハダとのプロジェクトI'm Not A Gunの新譜も世界中で話題のTakeshi Nishimotoも出演。これらアーティスト達はいずれも、ベルリンの空気をたくさん呼吸しながらクリエイティヴィティを発揮しつづけている人々。このタイミングでベルリンにいるなら見逃すなんてことはできない必須のイベント!
2011年3月25日(金)@在ベルリン日本国大使館ホール
出演アーティスト : SPENCER / Takeshi Nishimoto / usaginingen
ライブ『CHANOMA』延期のお知らせ
在ドイツ日本国大使館からの提案により、東日本関東大震災の状況を鑑みて、今回の『CHANOMA -CROSS CUBE TALE-』を延期とすることを決定いたしました。改めて同タイトル、同内容でのイベントを実施する予定でいますので、新しい日程が決まりましたら改めて皆様に告知を致します。既にたくさんの皆様から入場ご希望のメールを頂いておりまして大変心苦しい限りですが、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
PROFILE
SPENCER スペンサァ / 大谷友介 Yusuke Oya
1974年2月6日生 横浜出身 ベルリン在住。97年、バンドLaB LIFeでデビュー。2000年、Polaris結成。05年、原田郁子、永積タカシとohana結成。ハナレグミなど他アーティストのプロデュース、映画音楽制作、楽曲提供、CM音楽やTVナレーションなどを行う。2010年、SPENCER始動。アーティスト表記を「オオヤユウスケ」から本名の「大谷友介」へ。大谷の紡ぎ出すメロディーと歌声は、国境を越えても人々にやさしく響き、たとえようのない美しい声だと絶賛される。そして常に新しい音への探求精神あふれるサウンドは、実験的であり、鮮烈に心をゆれうごかす。