DÉ DÉ MOUSEが演出する“夕暮れ時のディスコ感”──ポップス感覚を明示する『be yourself』を独占ハイレゾ!
唯一無二の快作『dream you up』から1年、DÉ DÉ MOUSEから通算7枚目のフル・アルバム『be yourself』がここにリリースされる。そのサウンドは1980年代のユーロビートやAOR的要素を取りいれるなど、これまで以上に“ポップさ”に満ちた作品だ。OTOTOYでは今作を独占ハイレゾ配信でお届け。DÉ DÉ MOUSEいわく、“夕暮れ時のディスコ感”をテーマにした今作を掘り下げるため、彼に話を訊いた。
7枚目となるフル・アルバムをハイレゾ独占配信!
DÉ DÉ MOUSE / be yourself
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?
【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム 1,800円(税込)
【収録曲】
1. be yourself
2. love destination
3. charmed
4. back to love
5. don't stop the dance
6. lonely if
7. scat n' shout
8. next to you
9. flush
10. baby I love you
INTERVIEW : DÉ DÉ MOUSE
DÉ DÉ MOUSEの特徴は、ヴォーカルをカットアップした、どこか民族的なサウンド…… だけじゃなかった! 今作『be yourself』では、1980年代のユーロビート感に溢れ、いままで以上にポップでカラフルに! そして、考え抜かれたアートワークと世界観には脱帽です。昨年(2017年)、デビュー10周年を迎え、新たなスタートを切ったDÉ DÉ MOUSE。彼はいつでもフレッシュで刺激的だ!
インタヴュー : 飯田仁一郎
文&構成 : 鈴木雄希
編集補助 : 三木菜々子
写真 : 大橋祐希
今作のテーマ…… “夕暮れ時のディスコ感”を出すために
──今作をつくるに至った経緯は?
去年(2017年)の5月くらい、ちょっと雲がかった夕暮れ時に、散歩がてら多摩川のあたりに行ってフィルターハウスとかフレンチハウス(注1)を聴いていたんです。夕暮れ時に川辺で、こういう音楽で踊るフェスにすごく行きたいって思ってテンションが上がったんです。それでこういうテイストの作品を作ろうと。
(注1) フィルターハウス / フレンチハウス
フレンチ・ハウスとは、ハウス・ミュージックのひとつのジャンルとして、1990年代中〜後期にフランスで興隆、さらには世界のポップ・チャートでも大ヒットを飛ばした。DJスニークやポール・ジョンソンといったシカゴのハウス・ミュージシャンたちによる、ディスコをサンプリングした楽曲(ディスコ・リコントラストもの)に影響を受けて、音楽的には、ディスコのサンプリングを多様し、アナログ・シンセサイザーのフィルターやミキサーのEQなどを用いて、音色変化のスウィープ感を強調した音楽性が特徴。
ダフト・パンク、そのメンバー、トーマ・バンガルテルによるスターダスト、カシアス、ボブ・サンクラーなどが代表的なアーティスト。別名、フレンチタッチ、フレンチディスコと呼ばれることも。
フィルターハウスはフレンチハウスで多用される、フィルターを効果的に使ったハウス・サウンドを指す。
──前作(『dream you up』)が去年の4月リリースだから、リリース後には今作のモードになっていたんだ!
前作は「DÉ DÉ MOUSEをもう一度やる」という気持ちがあったから、“外から見たDÉ DÉ MOUSE”というものをテーマにした部分もあったんです。だけど今回は、ずっとやりたかったけどやれていなかったことができたので、今作のほうがパーソナルな思いが入っている感じはありますね。
──やりたかったこととはなんでしょうか。
DÉ DÉ MOUSEというと、ヴォイスをカットアップして民族色を強く出す感じがアイデンティティになっていたんだけど、そういう手法をする人も増えてきた。だから、別に僕はこれだけに執われる必要もないのかなと思ったんです。活動初期からそういう手法をしてきたから、それが僕らしさなんだけどそれをやると、いま僕がやりたい“夕暮れ時のディスコ感”が出ないんです。だから今回はもう少しヴァリエーションを出してみようかと。
あともうひとつ。いまってプレイリストで音楽を聴くことが普通になってきているから、ジャンルに特化した音がウケる時代になっていると思っていて。だからジャンルから外れるような尖ったことをすると、プレイリストの中では、そういうアイデンティティが邪魔をしてしまう可能性もあるから、“アイデンティティ”というものをすごく考えた。プレイリストに入るためになにをするかということを考えること自体、すごい狭められている感じもあるし。だけど時代によって普遍性も違ってくるし、多少ジャンルライクでも自分が好きだと思うものならいいのかなといまは感じるようになりました。そこで今作は民族っぽさとかのDÉ DÉ MOUSEらしさをガッツリ出すよりも、自分が好きなポップス的なニュアンスを出してみようとしました。
──具体的にいうと、どういう部分?
やっぱりダフト・パンクに影響を受けた世代だから、AORとかをサンプリングしたフィルターハウスにエモさを感じていて。そういうフィルターハウスに、ちょっとEDMっぽいフィルが入ってきたりするとノリが変わったりするから、ニュアンスとしてそういう部分は意識しましたね。
──いままでの作品の中でも今作は曲調やビートが激しめだと思っていて。だからこそ、最後の「baby I love you」がすごい効いているアルバムだなと感じました。
感覚的に1980年代のユーロビート感ということを意識していて。それにいろんな要素を入れて、洋楽のポップス感覚が表面化されていると思います。
DÉ DÉ MOUSEは女子高生だった? ジャケットに隠された世界
──DÉ DÉ MOUSEのアルバムの世界観はいつもジャケットに表現され、それをとても楽しみにしているのですが、今作はいかがでしょう。
今回はTOKIYA SAKBA (7ZEL)さんという方にお願いしたんです。彼はポケモンカードとかをデザインしていて、海外でも人気がある方なので、まずアートワークを海外に届けられると思ったんです。アートワークから入って音を聴いてくれる人もいるだろうから、まずそこがフックになればいいなと。
──なるほど。今作は、どんな世界なのでしょうか?
普通の女子高生が学校帰りにいつもと違う曲がり角に入ってみたら、見慣れないアメリカンダイナーを見つけるんです。そのダイナーが妙に気になって扉を開けてみたら、そこのマスターに声をかけられる。それでマスターからそのお店でかけていた音楽のプレイリストをもらうんです。そのプレイリストというのが今回のアルバム『be yourself』。女子高生はそのお店が気に入って、次の日にウキウキで行くと、そこにあったはずのダイナーがないという。そこは、ケルトのミッドサマーイヴのように、ある時間、ある場所にしか現れないものだった…… みたいなストーリーがあって。
そのダイナーはもうないけれど、手元にはマスターにもらったプレイリストが残っていて。別に音楽が好きだったというわけではないんだけれども「この世で私しかこの音楽を知らないんだ」というちょっとした優越感を持つんです。
──そんなストーリーが背景に……。
TOKIYAさんと2人で、キャラクターの設定図を書いて身長から性格まで全部話し合って。そこまで突き詰めていくことでわかったのが、この女子高生は僕(DÉ DÉ MOUSE)だったということなんです。
──えー!?
行き着いたところ、彼女はパラレルワールドの僕だった。それでこのネズミは、この子と音楽を出会わせる式神のようなもので、パラレルワールドに入った“いま(こちらの世界)の僕"なんですね。“いまの僕(ネズミ)"が、パラレルワールドの僕(女子高生)に『be yourself』を届けた時に、女子高生の僕は音楽を作りたいと思うのかということを見に行ってるんです。「いまから音楽をやれば、君はもしかしたら20歳でこれを作れるようになるかもしれないから頑張って!」っていうメッセージというか(笑)。そういう希望のある、青春感のあるようなことをやってみました。
──「未完成の部分もありつつも、勇気をもらう」というのがこのアルバムのテーマかなと思いました。
この女子高生は、どちらかというと引っ込み思案だから普段だったらダイナーも通り過ぎちゃうけれど、勇気を出して入ってみたことで、普段とは違う出会いみたいなものがあったんです。たとえば心地よい音楽との出会いだったり、学校の先生以外の大人との出会いだったり。そういうちょっとした出来事がきっかけで自分に自信を持てることがあるじゃないですか。他人からみたら大したことではなくても、自分にとっては大きいものもあるよね、ということが今回のアルバムのテーマかもしれないです。
──『be yourself』というタイトルの意味は?
「自分らしく」ですね。「そんなに肩に力を入れて周りに合わせなくても、自分は自分だし、あの子はあの子なんだからそれでいいんだよ」というメッセージです。
──なぜそういうメッセージを伝えようと思ったんですか?
最近というかずっと思っていることでもあるんですが、思っている以上にみんな周りを気にして生きているんですよね。自分が好きなものを好きって言えないとか、高いお金を出して行きたくもない旅行に付き合うみたいな場面も多いと思うんです。もちろんそういうことも必要だと思うんだけど、もう少し自分が好きなものを自分で探してみてもいいんじゃないかなと感じていて。
例えば僕の音楽を好きな人が、ライヴとはどういうものなのかわからなくて怖いから、音源だけを聴いていたとする。だけど自分で興味を持って、ちょっとだけ勇気を出してライヴに来てくれたら、衝撃を受けて人生観が変わることだってあると思うんです。怖いからといって踏み出さないんじゃなく、一歩踏み出してみるとまた新しい世界がみえるかもって。
──『be yourself』というタイトルや、さっき語っていただいたジャケットに込められたストーリーが1番反映されている部分はどこでしょうか?
今回に関しては全部です。シングル曲がまとめられてA面とB面が交互に続いているような感じで、キャッチーさやポップさを意識していたから、ある意味どれも自分の推し曲ですね。スタッフにも「ベスト盤みたい!」って言われました。
40歳、新たなスタートラインへ
──特にアルバムを象徴している曲は?
「be yourself」です。10代という青春時代に持っている、原石の部分だったり可能性だったりを音にしたいなという感じがありましたね。あとは若い世代へのバトンタッチという部分もあります。
──そうなんですね。
最近若いトラックメイカーとの交流をすごく増やしているんです。僕が活動をはじめたときに中学生だった子達が、いまはもう20代前半になっているんですよね(笑)。そういう状況で彼らから話を聞くのがすごく楽しい。どんな音楽が好きなのか、いまどんなことに興味があるのか、どんな楽器で音楽をつくっているのか…… ということを聞くとすごく勉強になるんですよね。ある程度歳をとると、好きなものが変わらなくなってくると思うから、外部からいろいろ取り入れて、自分の好き嫌いで判断しないようにしています。
──いまの若い子と比べて、差を感じることはありますか?
やっぱり年齢の差は感じますね(笑)。だけど最近は、10代、20代の子が出てきても特に驚かなくなってきました。年齢が上だからって「自分の方が上だ」とか「自分の方が経験がある」みたいな感じをもって話すのがダサいと思っていて。音楽を作っている人に限らず誰でも同じで、僕はキャリアがあるかもしれないけど、若い人にはセンスとか可能性がある、というところで対等に感じているんですよ。そういう「可能性」とか「希望」を馬鹿にする人間は、「老害」に片足を突っ込んでしまっているんだろうなと思っていますね。
──なるほど。
いまは、若い彼らの話だったり価値観を聞くのが本当に楽しいですね。
──今作を作り終えて、今後の展望についてはどうですか?
とにかく、いいものができたらリリースしていきたいなという気持ちがあります。普遍的な楽器を使って、流行りと違うことをやれば普遍的になるか、というとそんなことはない。ポップスってその時に流行ってるものが、いつのまにか普遍的になっているものだと思うし。普遍的な作品になることを狙ってリリースするみたいなこともあるかもしれないけど、いまはそういう時代じゃないと思うし、僕自身のモードとも合わないんです。結局のところヒットしないと意味がないんだから。それだったらたくさんリリースして、「いまの自分」を見せていくほうがトクだと思うし、楽しい。いますごく「曲が作れちゃって作れちゃってしょうがない」というわけではないんだけど、他のみんなが出さないなら僕が出していっちゃおうみたいな感じもありますね(笑)。
──今年で40歳ですが、40歳という年齢についてはいかがでしょう。
またスタート地点にやって来た気がします。「四十の手習い」って言うけど、わからないことだらけだから一つ一つ噛み締めて、いろんなことを試して、学んでいきたいです。僕の作品が批判されたら悔しいけど、作品を出すことは自分との戦いでもあるんです。だから、作品をどんどん作って、みんなに届けて、それをさらに自分にフィードバックして、自分が楽しむっていう人生を生きていきたいですね。
『be yourself』のご購入はこちらから
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム 1,800円(税込)
【配信ページ】
https://ototoy.jp/_/default/p/115899
DÉ DÉ MOUSEがリミックスを担当したこちらも配信中!
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 258円(税込) / アルバム 463円(税込)
【配信ページ】
https://ototoy.jp/_/default/p/115327
過去作もチェック!
古→新
【過去の特集ページ】 古→新
・『sky was dark』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/2012101802
・『little twin stars』特集 : 鼎談
https://ototoy.jp/feature/20130621001
・『little twin stars』特集 : レヴュー
https://ototoy.jp/feature/20130713
・『youth 99』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/201506100
・『farewell holiday!』特集 : インタヴュー(前半)
https://ototoy.jp/feature/20151120
・『farewell holiday!』特集 : インタヴュー(後半)
https://ototoy.jp/feature/201512020
・『summer twilight』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/2016081701
・『dream you up』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/20170412
LIVE SCHEDULE
“be yourself” release oneman tour
2018年8月31日(金)@京都メトロ
時間 : OPEN 19:00 / START 19:30
チケット : adv ¥3,800(1Drink別)
詳細 : http://dedemouse.com/liveschedule/0831_kyotometro.html
2018年9月14日(金)@渋谷TSUTAYA O-EAST
時間 : OPEN 18:30 / START 19:30
チケット : adv ¥3,800(1Drink別)
詳細 : http://dedemouse.com/liveschedule/0914_o-east.html
【その他の詳しいライヴ情報はこちら】
http://dedemouse.com/liveschedule
INFO
CAMPFIRE(クラウドファンディング)にて、初映像化プロジェクトが進行中!
【DÉ DÉ MOUSE 渋谷O-EASTワンマンライブ 初映像化プロジェクト】
DÉ DÉ MOUSE、2018年8月2日(木)ニュー・アルバム『be yourself』発売を記念して、 9月14日(金) O-EASTワンマン公演を収録した映像作品&ドキュメント映像作品+お楽しみ商品を受注生産の形でお届け致します! これまでなかなかできなかった映像作品、皆様にお楽しみいただけるようなラインナップを!
【詳細はこちら】
https://camp-fire.jp/projects/view/84020
PROFILE
DÉ DÉ MOUSE
遠藤大介によるソロ・プロジェクト。作曲家、編曲家、プロデューサー、キーボーディスト、DJ。また、自身の曲のプログラミングやミックス / マスタリング、映像と多方面に活動し、他作品のプロデュース / 楽曲提供 / remixも行う。
2007年に1st アルバム『tide of stars』でデビュー。サンプリングされたヴォーカルを再構築するメロディカットアップのキャッチーで不思議なメロディを武器に、多くの人の耳を掴み、ノンプロモーションながら爆発的なヒットとなる。この『tide of stars』で確立されたメロディカットアップの手法は、煌びやかなシンセサイザー・サウンドと、独特な和音構成も相まって、国内外問わず多くのフォロアーを生み、以降のシーンに一つの発明とも呼べる功績をもたらす。
また、トラックメイカー / プロディーサーとしてのライヴの追求にも早い段階から積極的であり、2008年からはバンドを従え、〈フジロック〉や〈タイコクラブ〉など、毎年多くのフェスやイベントに出演。バンド・シーンとクラブ・シーンの枠組みを超えた縦横無尽なライヴ・パフォーマンスは人々を魅了し続けると共に、プラネタリウム・ライヴや盆踊りイベントの開催など、幅広い活動域を持つ。海外でも定期的な活動を行い、これまでにイギリス、ドイツ、フランス、カナダ、アメリカにてツアーを成功させている。
台風一過の夕暮れを舞台にした和風VAPER WAVE『sunset girls』(2008)、FFTのデザイナー・吉田明彦を起用し話題となった代表的アルバム『A journey to freedom』(2010)、多摩ニュータウンをテーマにしたカラフルなPCMエレクトロニカ『sky was dark』(2012)、全てプログラミングによる、遊園地で繰り広げるシネマティックジャズ / オーケストラ『farwell holiday!』(2015)、他にも90sブレイクスを先取りした『youth 99』(2015)、盆踊りのリズムをモチーフにした『summer twilight』(2016)等、先見性と、一聴してデデマウスだとわかるオリジナリティ、遊び心溢れる作品をリリースし続けている。
1st アルバムから10年となる2017年4月には6枚目のフル・アルバム『dream you up』をリリースし、全国ツアー〈DÉ DÉ MOUSE dream you up tour 2017〉を開催。その後配信 EP『festa de cetauri』、 配信シングル「thanks track」と立て続けにリリースを続け、今年8月には早くもニュー・アルバム『be yourself』を発表する。
【公式HP】
http://dedemouse.com
【公式ツイッター】
@DEDEMOUSE