【第三期BiS 連載vol.19】いままでで一番カッコよくありたい──イトー・ムセンシティ部は常に上を目指す
第三期BiSを追跡する連載『BiS 3度目の正直は、本当にあり得るのか!?』。メンバー個別インタヴュー5周目の第1回は、イトー・ムセンシティ部の言葉をお届けします。全国を飛び回りながら、常に熱量の高いパフォーマンスで各地を沸かしているBiS。ワンマン・ライヴ・シリーズの完結編である東京公演は「いままででいちばんカッコよくありたい」と語るティ部の想いとは。ゴスロリがテーマの今回の衣装にも注目を。(編)
第三期BiS、1st EP『ANTi CONFORMiST SUPERSTAR』ロスレス配信中!
INTERVIEW : イトー・ムセンシティ部
第三期BiS個人インタヴュー5周目。トップ・バッターはティ部ことイトー・ムセンシティ部。ライヴが出来なかった日々を超え、ようやく観客ありのライヴを徐々に再開しているBiS。改めて有観客ライヴを行った心境、そして悩んだことを等身大で語ってもらいました。また研究員がセレクトした企画アルバム『"プロパガンダ"と"PROPAGANDA"』の結果について、ティ部なりの感想も語ってもらっています。是非ご一読ください。
インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 水上健汰
写真 : 大橋祐希
会場が大きくても、実際にステージに立つと、「まだまだ全然、客席に隙間があるな」って感じたんですよね。
――新型コロナウィルスの影響でツアーなどの予定がなくなっていましたが、ようやく観客を入れてのライヴ活動が再開されましたね。現在、〈KiLL YOur WiNTerxxx〉シリーズが全国各地で開催されていますけど、こうして全国を回るのは何度目になるの?
イトー・ムセンシティ部(以下、ティ部):去年の今頃に初めてのツアー〈PAiNFUL TRiCKY SADiSTiC DEADLY TOUR〉が終わって、その後すぐにLIQUIDROOMで行ったツアー・ファイナルの〈"LIVE DAM Ai" presents STAND BY BiS〉をまわっていました。本来ならその後すぐにツアーを予定していたんですが、それがなくなって... 今回やっと11月8日から始まったって感じです。
――ということは全国を回るのは3回目ということになりますね。
ティ部:そうですね。でも今回のこの〈KiLL YOur WiNTerxxx〉は厳密に言うとツアーではないんです。一応、全公演がワンマン・ライブです。気付いている方も多いかと思うんですけど、全公演にちゃんとタイトルがついているんですよね。セトリも毎公演違うものになっています。
――北海道公演、名古屋公演を終えてみてどうでしたか? (インタヴューは京都公演前に実施)
ティ部:名古屋も北海道もWACKの先輩であるEMPiREさんと会場が同じで(どちらの公演もBiSの前にEMPiREが〈ERROR ERROR ERROR TOUR〉を行っていた)、今までにないくらい大きくて…。
――会場は名古屋では〈日本特殊陶業市民会館フォレストホール〉、北海道は〈札幌文化芸術劇場 hitaru〉でしたね。名古屋は、会場のキャパシティを半分にしたとしても約1000人が入る会場でね。
ティ部:名古屋での〈KiLL YOur WiNTerxxx -but fall-〉は、久しぶりだったこともあってか、「人がたくさんいるな」って思ってしまって。お客さん同士、席の感覚を空けてはいるものの、お客さんが多く感じて、本番前は少し「どうしよう」っていう気持ちになってしまっていました。でも実際にステージに立つと、「まだまだ全然客席に隙間があるな」って感じたんですよね。実際に満席じゃなかったということもあって、そうして隙間が目立つのが普通に悔しくって。でも、みんなに会えたのは嬉しかったです。
――悔しいところがたくさんありながらも、やっぱり観客ありでやってみたら嬉しさもあったと。
ティ部:幸せでした。それまでの無観客ライヴでも、常にカメラの向こうの人にはしっかり熱量を伝えようって思ってはいたものの、いざ実際に人が目の前にくると、自分たちの素敵な楽曲を伝えないといけないとか、BiSをカッコよく見せたいっていう気持ちがより大きくなりましたね。練習以上のものを出したいっていう気持ちがもっと生まれたのかなと思っています。研究員の表情が見えて感動しました。
グループとして目立つためには、やっぱり個人として目立たないといけない。
――北海道での〈KiLL YOur WiNTerxxx -ANTi WiNTER-〉はどうでしたか?
ティ部:楽しかったです。名古屋では久しぶりの有観客ライヴということもあって「今まで溜っていた、ありったけの感情を出していけ」って言われていて、その分エモーショナルな気持ちは出せたと思うんですけど、自分の中では少し硬くなりすぎたかなという反省もありました。その分、北海道ではもうちょっと「これがBiSだぞっていうのを見せよう」と渡辺さん達と喋ったりして、硬くなりすぎないように意識してパフォーマンスをしました。
――こうして有観客でできて、地方にも足を運べる状況になって、ライヴがなくなっていった3月と比べて、自分たちが感じる変化はありましたか?
ティ部:正直、去年の自分は今なんかよりもっと自分に甘くて、どこかいっぱいいっぱいだった感覚があったんですよね。その感覚に自分の努力が追い付いていなかったと思うんです。BiSの他のメンバーを見ていると本当に凄いなって常に思うんですけど、そんな中、私ってどうなんだろうなって自信をなくした時があって。そして、そういうふうに周りから思われているかもしれないっていうのがまた悔しくって。でもその状況をどうにか覆さなくちゃいけないなっていうことを去年は思えていなかったんですよね。今はグループの中でも私はちゃんと目立てているのかというところをしっかり見つめ直して、もっと目立てるようにならないといけないなと思うようになりました。グループとして目立つためには、やっぱり個人個人がグループの中で目立たないといけないと思います。
――具体的に上向きに考えようと思ったきっかけみたいなものはあった?
ティ部:自粛期間中のみんなの過ごし方を見て、レコーディングなどで、周りは凄く成長しているのに、自分は何も成長していないんじゃないかなって感じるようになったんですよね。私自身、今までストイックという言葉に縁がなかったことに改めて気が付いて、自粛期間はどうすればもっとストイックになれるのかって考えこむ期間を過ごしていました。そういう気持ちを素直に渡辺さんに相談してみたんですけど、「本当にお前は足りていないところがめっちゃあるし、まだまだだとは思うけど、変わったとは思う」って言われたんです。凄く単純かもしれないんですけど、そう言ってもらえたことを素直に受け入れてみることにしたら、ちょっと心が軽くなりました。
『"プロパガンダ"と"PROPAGANDA"』は本当に綺麗な選曲になったと思います。
――11月25日に発売される『"プロパガンダ"と"PROPAGANDA"』はアルバムの内容をファンが投票で決めるという内容でしたが、ティ部がBiSの中で一番好きな曲は何なんですか?
ティ部:“BiS-どうやらソンビのおでまし”はつらいときに気が付けば一番聞いている曲かもしれません。なので全部の曲の中でも一番を選ぶならこの曲ですね。で二番目が“FOOL PROOF”です。
――今回のこの『"プロパガンダ"と"PROPAGANDA"』というアルバムのコンセプトは、「1枚目”プロパガンダ”には研究員セレクトによる上位10曲に加え新曲を収録します。2枚目”PROPAGANDA”(パッケージが異なります)には、研究員セレクトによる上位10曲のみを収録します。”PROPAGANDA”はBiSをまだ見ぬ未来の研究員へ布教するいわゆるツールです」とのことですが、このコンセプトを初めて聞いたとき、ティ部はどう思いましたか?
ティ部:BiSの曲は全部いい曲だから、どの曲が選ばれてもそれが正解なんだろうなって思っていたので、どうなっても面白いと思っていました。なので、どの曲が選ばれるのかは置いておいても、配布用が付いてくるっていうのは凄く素敵な案だなって思います。
――実際、研究員に選んでもらった結果を、ティ部はどう思いましたか?
ティ部:どうなっても面白いとは言いつつも、自分もBiSの曲が好きなので「この曲が入って欲しかった」とか思うところは出てきちゃいましたね(笑)。でも、今までリリースしたアルバム、シングルすべてからバランス良くラインナップされてて、綺麗なアルバムになったと思います。
――これは入ってほしかったという曲はあるんですか?
ティ部:“少年の歌”が途中まで上位にいたので入るんじゃないかなって思っていたんですけど、結果を見ると“IT'S TOO LATE”が入っていて意外だなって思いましたね。
――“CURTAiN CALL”と“IT'S TOO LATE”は、リリースしてから間もない曲なので僕もびっくりしましたね。
ティ部:『ANTi CONFORMiST SUPERSTAR』の収録曲が、リリースして間もないにも関わらず、たくさん入っているなという印象ですよね。“this is not a love song”もアルバムのリード曲として出したとかではないにもかかわらず、ランクインしていますし。
ーー順位についてはどう思ったの?
ティ部:“CURTAiN CALL”が1位なのはちょっと驚きましたね。
――ティ部の予想では何が1位だと思っていたんですか?
ティ部:“STUPiD”が1位かなって思ってました。でも、“テレフォン”とか“FUCKiNG OUT”が凄く上位だったっていう。入る曲に納得はしたけど、順位は意外でしたね。“BiS-どうやらソンビのおでまし”が7位なのもびっくりしました。
――この『プロパガンダ』のみに新しく収録される“HiDE iN SEW”はこれまた面白い歌詞だなと思うのですが、この曲を始めて聞いたときにティ部はどう思ったんですか?
ティ部:どうしても第一期BiSの“Hide out cut”を連想しちゃいますよね。レコーディングでこの曲の歌詞を私たちに渡すときに、渡辺さんはカタカナで読みやすくした歌詞だけを私たちに渡してきたんですよ。なんか「BiSはカタカナだけでいいんじゃないか」って言って渡してくれたんですけど、英語で書かれたものも翻訳されたものも実際はちゃんと作ってあって、あとでそれを私も見たんですけど、本当はこの歌詞の意味を私たちに見せるのが少し恥ずかしかったんじゃないかって疑うくらい、これは渡辺さんの心の内なんじゃないかなって思います。
――「俺は満足してねぇ」っていう気持ちが強く伝わってきます。
ティ部:でも、「本当は辛いけど」みたいな感情も受け取れて、渡辺さんの本心というか、気持ちが凄く出ているんじゃないかなって思います。それを歌わせてもらえることが嬉しいです。
――最後になりますが、LINE CUBE SHIBUYAにて〈The DANGER OF MiXiNG BiS〉が開催されることが発表になりましたね。あれが今回のワンマン・ライヴ・シリーズの完結編ということでいいんですかね。
ティ部:そうですね。
――東京公演に向けての意気込みを最後にお願いします。
ティ部:やっぱりいままでで一番カッコよくありたいとは思います。これは常に思うことなんですけど、このライヴが未来につながっているなって自分たちで思えるようなライヴにできればと思います。毎回のライヴで反省はするんですけど、それでも一番いいライヴだったなって思えるようにしたいです。
編集 : 西田 健
第三期BiSの音源はOTOTOYにて配信中!
RELEASE INFORMATION
■アルバム「"プロパガンダ"と"PROPAGANDA"」<完全生産限定盤>
2020年11月25日(水)発売 / ¥2,200(tax in)CRC-1882/3
購入者特典:メンバーソロチェキ(ランダム配布)
<販売>※発売日までの取り置き・ご予約は承っておりません
タワーレコード及びTOWERmini全76店舗:11月25日(水) 各店営業開始時間からの販売開始
タワーレコードオンライン:11月25日(水) 12:00~販売開始
- 収録内容-
"プロパガンダ"(11曲収録):
1. STUPiD(NEW TYPE Ver.)
2. BiS-どうやらソンビのおでまし-(NEW TYPE Ver.)
3. SURRENDER(NEW TYPE Ver.)
4. this is not a love song(NEW TYPE Ver.)
5. FUCKiNG OUT
6. テレフォン
7. BASKET BOX
8. IT'S TOO LATE
9. I WANT TO DiE!!!!!
10. CURTAiN CALL
11. HiDE iN SEW
"PROPAGANDA"(10曲収録):
1. STUPiD(NEW TYPE Ver.)
2. BiS-どうやらソンビのおでまし-(NEW TYPE Ver.)
3. SURRENDER(NEW TYPE Ver.)
4. this is not a love song(NEW TYPE Ver.)
5. FUCKiNG OUT
6. テレフォン
7. BASKET BOX
8. IT'S TOO LATE
9. I WANT TO DiE!!!!!
10. CURTAiN CALL
■『"プロパガンダ"と"PROPAGANDA"』楽曲投票特設サイト
URL:https://bis-propaganda.com/
LiVE SCHEDULE
〈KiLL YOur WiNTerxxx -Sorry!! I don't feel.-〉
2020年11月28日(土) 宮城 電力ホール
1部 OPEN14:00 / START15:00
2部 OPEN18:00 / START19:00
※チケット詳細:https://www.brandnewidolsociety.tokyo
〈KiLL YOur WiNTerxxx -THANK YOU I LOVE SUMMER-〉
2020年12月6日(日)福岡サンパレス
1部:OPEN 14:00 / START 15:00
2部:OPEN 18:00 / START 19:00
※チケット詳細:https://www.brandnewidolsociety.tokyo
〈The DANGER OF MiXiNG BiS〉
2020年12月18日(金)東京・LINE CUBE SHIBUYA
OPEN 17:30 / START 18:30
※チケット詳細:https://www.brandnewidolsociety.tokyo
メンバーのTwitterアカウントもチェック!
トギー : @TOGGY_BiS
イトー・ムセンシティ部 : @MUSENSiTEEBUBiS
チャントモンキー : @CHANTMONKEE_BiS
ネオ・トゥリーズ : @NEOTREES_BiS
BiS 公式twitterアカウント
https://twitter.com/BiSidol
BiS 公式ホームページ
https://www.brandnewidolsociety.tokyo/
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