KENJI03のソロ名義プロジェクト・Hi-yunkのスタジオへ!──過去を背負い、未来に突き進む最新楽曲の秘密に迫る
BACK-ONのフロントマン・KENJI03のソロ名義でのプロジェクト、Hi-yunk。5月発売予定のアルバムからの先行配信シングル第2弾は、東⽅神起に楽曲提供した「Epitaph〜for the future〜」のセルフカバー。今回は彼のプライベートスタジオに赴き、最新楽曲「Epitaph〜for the future〜」に込めた思いや制作当時の裏話、さらにはスタジオ機材やCD、レコードなどを紹介してもらいつつ、制作方法や自慢のコレクションについても話を訊いた。
ソロ第二弾は、東方神起に提供した楽曲をセルフカバー
前回のインタヴューはこちら!
INTERVIEW : Hi-yunk
Hi-yunkプロジェクト第2弾は、東⽅神起に楽曲提供した「Epitaph〜for the future〜」のセルフカバー。大空に舞い上がるような爽快さを聴かせた第1弾の「Good Bye Forever feat.IKE」から一転、今回はダークな音像の中を突き進んでいくエモーショナルな歌声が強烈に耳に残る。ストイックな楽曲でありつつ、洋楽アーティストへのオマージュが感じられるジャケットは遊び心満載だ。そんな今作のリリースにあたり、Hi-yunkが制作を行っているプライベートスタジオ「M.P.F STUDIO」を訪ねて取材を敢行した。様々なタイプのアーティストへ提供されている楽曲づくりの原点、アイディアの源を写真と文章で存分に味わっていただきたい。
インタヴュー&文 : 岡本貴之
写真 : 宇佐美亮
この曲で自分もワンランク上の扉を開けられた
――今日はプライベート・スタジオにお邪魔して取材させていただきますが、すごい部屋ですね!
Hi-yunk:ありがとうございます。子供の頃からの夢っていうか、やっぱり男だったら一度はこういう部屋に住みたいなっていう感じにしちゃいました。うちの家族全員、結構コレクター癖があるんですよ。僕1人だったらここまでのアイテムは集まらないですけど、家族全員で本気出したらこうなっちゃったみたいな(笑)。
――今日はこのスタジオでどのように制作が行われているのかについても、後ほどお伺いしたいと思います。まず、前作のHi-yunkプロジェクト第1弾「Good Bye Forever feat.IKE」の反響について訊かせて下さい。
Hi-yunk:自分の予想を遥かに超えるみなさんの声をいただいたので、びっくりしたというのが正直な感想です。やっぱり曲としてみなさんに届いてるってことは作り手としてはこれほど素晴らしいことはないので、本当にありがたいなと思います。ただ、第1弾はIKEのバックアップもあって、そうやって拡散できたところもあるので。ここから先は僕がどれだけさらにみなさんに拡散できるかっていうところも勝負なので、それは楽しみではありますね。
――第2弾は、東⽅神起に提供した「Epitaph〜for the future〜」のセルフカバーですが、この曲を取り上げようと思ったのはなぜですか?
Hi-yunk:前回の「Good Bye Forever feat.IKE」はその楽曲というよりは、お互いボーカリストとしてのストーリーを基準にして第1弾に選んだんですけど、第2弾からはそもそもどうしてBACK-ONと差別化したいと思ってこのプロジェクトを始めたのかっていうところを、音楽で表現していこうと思っていたんです。そこで今までの曲をいろいろ聴いた中で、この曲がいいかなと思って選んだのが「Epitaph〜for the future〜」です。
――「Epitaph〜for the future〜」は、どういった経緯で東⽅神起に提供された曲なんでしょう。
Hi-yunk:もともと、彼らが2019年にリリースした両A面シングルの1曲で「ミラーズ」という曲を書いていて、そこから彼らの曲を作るようになって、フルアルバムにも2曲提供したんです。そのタイミングでコロナ禍もあって、東方神起はもちろん、世の中のミュージシャンもみんな足踏み状態の中で、「コロナ禍だけど進まなきゃ」っていうときに、シングル曲を作ってみないかという話をいただいて。それで「Epitaph〜for the future〜」を創ったら気に入っていただいて、歌ってもらったという経緯がありました。
――そのときには、ご自身ではどんな思いを込めて作っていたのでしょうか。
Hi-yunk:コロナ禍で世の中のシステムがいろいろ変わったじゃないですか? 例えばZOOMを使って会わずにミーティングできるとか、オンラインライヴとか。そういう今までなかった日常が現実化したことも、そこは道筋として明るい未来だと思ったんです。過去は過去で、新しい未来を作っていこうという意味を込めて、この「Epitaph〜for the future〜」を作らせてもらったんです。
――“Epitaph”という言葉はどこから出て来たんですか?
Hi-yunk:制作中に何かパッと“Epitaph”っていうワードが出てきたんです。もとを正せば、僕はパンクロック好きなので「エピタフ・レコード」からきてるんですけど、そもそも“Epitaph”って何だろう? って調べたら、「墓碑銘」っていう墓石に書いてある先人の言葉みたいな意味で。それを僕なりに噛み砕いて、過去は過去でリスペクトするけど、その過去を背負って新しい未来に突き進んでいくっていう、自分の中での“Epitaph”っていうテーマを作ってみようと思って、“for the future”(未来に向かって行こう)という歌詞に落とし込んで書きました。
――BACK-ONでもそうですけど、自分を掻き立てて前に進むようなところが歌詞に結構ありますよね。
Hi-yunk:やっぱり、どこかで自分に言い聞かせるとこもあると思うんですよ。バンドをやっていく上でいつも壁にぶち当たってるっていうところもリアリティだし、そういうところで自分自身のルーツとして、飛び越えるとか壁を壊していくとか、必然的にそういうワードが出てきやすいのかなって思います。
――オリジナルのアレンジだと、行進するようなイメージありますけどその辺はどうやって考えたんでしょう。
Hi-yunk:まずディレクターから、「今回は協奏曲みたいな曲にしたい」と言われて。所謂プログレみたいな感じなんですけど、それをまた自分なりに噛み砕いて、イントロ、Aメロ、Bメロでいきなり場面をガラッと変えたりして、フックとかサビでまた新しくバーッと扉が開いたみたいな、自分の中では結構挑戦的なアレンジだったんです。この曲のおかげで自分もまたワンランク上の扉を一つ開けられたなっていう、今までやったことないようなアレンジでした。そういう意味ではこの曲を作ったことで自分もすごく前に進めて良かったなと思ってます。
――今回、セルフカバーする上でどんなことを考えましたか。
Hi-yunk:自分だったらどうやるかなって思いながら、やっぱりバンドに落とし込まなきゃなっていうところでバンドっぽいアプローチもしています。トラックはそこまで東方神起バージョンと大幅には変わってないんですけど、自分のバージョンでは、少しラウドに、ヘヴィロック寄りにギターも少しアレンジしました。