B.O.L.T、1日のはじまりから終わりまで一緒に過ごせるファースト・アルバム『POP』リリース
初ライヴから1年足らずでメジャー・デビュー決定など、勢いに乗り続ける4人組ガールズ・ユニットB.O.L.T。リリースされるファースト・アルバム『POP』は「時間」や「1日」をテーマに、いつ聴いても元気になれる楽曲が揃った。今回のインタヴューでは、B.O.L.Tのメンバーのアルバムにかける想いやこれからのことについて、楽しく和気あいあいと話していただいた様子をお届けします。
B.O.L.T ファースト・アルバム『POP』ハイレゾ配信中!
INTERVIEW : B.O.L.T
2019年7月15日、パシフィコ横浜国立大ホールで開催された〈EVIL LINE RECORDS 5th Anniversary FES. "EVIL A LIVE" 2019〉でお披露目されたB.O.L.T。私は偶然その場に居合わせたが、2019年4月29日に活動を終了したロッカジャポニカのメンバーが、小学生メンバーを加え新たにグループを結成したことにはかなり驚いた。
あれから1年。B.O.L.Tがファースト・アルバム『POP』をリリースする。これまでの軌跡、そして『POP』の楽曲群について、内藤るな、高井千帆、青山菜花、白浜あやに訊いた。
インタヴュー&文 : 宗像 明将
写真 : 大橋祐希
スタイルが固まった1年になった
──2019年7月15日の〈EVIL LINE RECORDS〉のイベントでのデビュー・ライヴは私も観ていました。そこからの1年は、みなさんにとってどんなものでしたか?
内藤るな(以下、内藤) : B.O.L.Tとして、ちょっとずつ固まってきた1年だったなと思います。はじめてEVIL LINEフェスで“星が降る街”を披露させていただいたときは、「新曲は2曲やるの? 1曲?」「振りを入れるの?入れないの?」という感じで、せわしなく物事が進んでいて。そこからライヴを何度かやらせていただいたり、音源が配信されて、それがファンの方に届いて、ライヴに来てコールをしてくださるようになって。今回のアルバムを全曲聴いてみて、「これからも、こういうスタイルでライヴをやっていけばいいんだな」という意志が固まった1年だったと思います。
高井千帆(以下、高井) :まさかスタートしてから1年でアルバムを出せるなんて思っていなかったです。たくさんの曲をいただけてすごく嬉しい。最初は、私もこういうジャンルの曲はあまり歌ったことがなかったし、フリーダンスもそこまで経験をしたことがなくて。楽しいけど、やっぱり難しいというのが多くて、最初は試行錯誤でした。ここまでの難しさを経験したのは、B.O.L.Tに入ってからがはじめてですね。でも、やっぱり「B.O.L.Tのことを見たい」と思ってくださっているお客さんがいるというだけで、「これを乗り越えていいものを見せていきたいな」と強く思っていたので、それを乗り越えられて、自分のなかでひとつ、まだまだですけどまた強くなれました。
青山菜花(以下、青山) :最初は「ただひたすらがんばる」という感じでした。激しい踊りをしたり、大変なところもあったんですけど、いまはすごい楽しくて。みなさんにパフォーマンスできることが本当に貴重なことなんだなって。とにかくいまは楽しいのでこれからも成長してがんばりたいと思います! あと、いまはB.O.L.Tの意味みたいなものがだいぶわかってきたので、これからもB.O.L.Tのことを知れるようにがんばりたいと思います。
白浜あや(以下、白浜) :自分は歌も1からで、なにもわからないままB.O.L.Tに入って。先生方が教えてくれたりして「本当にレベルアップした1年だな」と思います。最初のライヴで“星が降る街”をやったときは、どう表現したらいいかわからなくて……。とりあえず笑顔でやっていたんですけど、いまは歌詞の意味もわかって、感情も込められるようになりました。あと、こういう風にお話するときも、前はなにを言えばいいのか全然わからなかったけど、いろんな方のお話を聞いて勉強になったし、そこもレベルアップできたかな。
──内藤さんと高井さんから見て、ロッカジャポニカ(以下、ロジャポ)との最大の違いはどこだと思いますか?
高井 :やっぱり年の差なのかな(笑)?「小学生がいるグループ」というだけでもインパクトがある。フェスとかに出させていただくときも、毎回自己紹介でざわめきが起きます(笑)。
内藤 :そもそもロジャポと比べる対象にならないぐらい、「両方とも違うな」って感じますね、いい意味で。
高井 :たしかに。別物って感じ。
内藤 :年齢もそうだし、曲の感じやコンセプトとかも全然違う。ロジャポの頃から好きで応援してくださっている方もいるし、「ロジャポは知らなかったけどB.O.L.Tが好き」という新しいファンの方もいるし。まるっきり違う感じがします。
──年下のメンバーには、普段どんな感じで接しているんですか?
高井 :出会ったときから「なるべくたくさん話したいな」と思っていました。最初はお互い緊張していたんですけど、「まずはお互いのことを知ることが大事だな」と思って、とりあえず知っていそうなゲームを提案して、会って2日目で人狼ゲームをしていました。
内藤 :ここ(内藤・高井)の差も1歳だし、ロジャポのときも、自分たちのなかであまり年の差は感じなかったんです。逆に今回は、自分がそう思わなかったように、そういう風に思ってもらえたらなって。
──青山さんと白浜さんは、グループをがっつりやるというのははじめてですか?
青山・白浜 :はじめてです。
──同じグループの同僚と、ちょっと年の差があると知ったときはどう思いましたか?
白浜 :びっくりしました。アイドルさんって、同じぐらいの年でみんなで歌っている感じがあったから……。「メンバーだけどお姉ちゃん」みたいな感じでした。
青山 :私も最初「えっ、こんなに離れてるの?」って思って。
内藤・高井 :あはは。
青山 :経験の量も全然違うから、「大丈夫かな……? ついていけるのかな?」と思いました。先輩というか、お姉ちゃんみたいな感じだけど、「仲良しな感じになれたかな」って思うからよかったです。
「なんか一体感あるよね」って思ってもらいたい
──B.O.L.Tになってみて、人知れず泣いた夜もありましたか??
白浜 :いちばんはじめの頃、振りが覚えられなかったときは、先生とかに怒られて泣いたりすることもあったと思う……。でも、ほめてくれたりしてふだんは優しいです、えへへ。
青山 :私も最初はダンスや歌についていけなくて。けっこう泣いたこともありました。
──青山さんと白浜さんは、小学校とアイドル活動の両立はいかかですか?
青山 :思ったよりは大変じゃなくて。けど、中学生になったらがんばろうと思って。
白浜 :お姉ちゃんがテスト勉強しているのを見たら、小学生はテストがないから「まだ全然大丈夫、いけるな」と思いました(笑)。
──「勉強しなくてもいけるな」という感じ?
白浜 :いやいや(笑)。中学生になったらテスト勉強とかが大変だから、まだ小学生は良いほうというか。
──スターダストにはももいろクローバーZや私立恵比寿中学など、錚々たる先輩がいますが、1年活動してみて、自分たちの立ち位置、もしくは理想はどんなものですか?
高井 :「こうなりたい」という理想にはなっちゃうんですけど、やっぱり新しいパフォーマンススタイルを目指していて。あやなのちゃん(青山・白浜)が曲中にやっていることと、私とるんぱん(内藤)がやっていることって、けっこう違って見えるんです。ふたりは激しめの振りを踊っているなか、私とるんぱんはスタンドマイクを、担いではいないんですけど、そんな感じで踊っていて。一見違うことをやっているんだけど、でもなぜかそれがひとつに見える。どちらもバックダンサーではないし、どちらかがヴォーカルでもない。「でも、なんか一体感あるよね」って思ってもらいたいなっていうのが理想です(笑)。
──内藤さん、高井さんが「スタンドマイクを担ぐ」と言ったところでちょっと笑いそうになっていましたね。
内藤 :すみません、想像したらおかしくなっちゃって(笑)。「担いではいないんですけど」って言い回しが(笑)。
──内藤さんから見たら、B.O.L.Tはどういう立ち位置だと思いますか?
内藤 :いい意味で、脳内に焼きつく感じのアイドルになりたいし、なれたらいいなって。この間の〈スタプラフェス〉(〈スタプラアイドルフェスティバル!〉)のときも、「はじめて観たけど衝撃的だった」って言ってくださるファンの方がいらっしゃって。まず楽曲が本当にかっこよくて素敵だし、ふたりは小学生なのに信じられないぐらい激しいダンスを踊る。そういう衝撃が残るようなアイドルに、もっとなれたらいいな。なりたいです。
青山 :激しめのダンスや、“足音”みたいに走り出す感じの曲とかもあるし、幅広く、いろいろなことができるようなグループになりたいです。
白浜 :ちっちゃな子から大人まで、幅広く聴いてもらえるようなグループになりたいです。あとは、フェスとかで見てくれた方が、気になって頭から離れなくなるようなパフォーマンスをして、「来ちゃったよ」みたいな感じで来てもらえるようなグループになりたいです。
いろんな解釈や楽しみ方ができるアルバムになった
──今作『POP』に収録されている曲について訊かせてください。“足音”や“スーパースター”は爽快で、前向きな気持ちになれますね。メロコアやパンクといった激しい楽曲が中心です。こういうサウンドで歌うのはいかがですか?
高井 :けっこう大変でした……(笑)。最初は「激しい曲調に負けないようにパフォーマンスをしなきゃいけない」って感じで。フリーのなかでも緩急をつけて「ドカーン!」と激しく見せるのが難しくて、最初の頃は、毎日首の後ろが筋肉痛になりながら、ヘドバンみたいな練習をよくしていたよね。
内藤 :いままではどちらかと言うと、振りを踊って、笑って、レスをしてキメる、という感じでした。歌詞に沿った感情にもなっていましたけど、その気持ちをファンの人にぶつけることが難しくて、なかなか入りこめなくて。でも、いまは前よりも、もっと感情を歌に込めてお客さんに届けられるようになってきた気がしています。ファンの方もだんだん乗ってきてくださるのを見ていたら、だんだん自分もできた感じがします。
青山 :こういう盛りあがりやすい曲調は、最初はやっぱり大変でした。でも、交互に手を上げるような振り付けとかは自分の中でもすごい盛りあがれるから、こういうのもいいなって。
白浜 :最初はダンスは激しくて、レスとかができる余裕が本当になくて。頭を振ったりしていたから、ちらって目が合うくらいだったし、ちぃちゃん(高井)の落ちサビでも、手を振る振り付けのときにちょっと見られるくらいで。すごい緊張感もあって、余裕がなかった……。でもいまは、他の激しい曲でも、ファンの方を見られるような余裕がちょっと出てきました。
──“BON-NO BORN”はラップ調の曲ですよね。難しくはなかったですか?
高井 :“BON-NO BORN”は、「めちゃくちゃ語」みたいな言葉のなかにさらにラップだから、「これはまるまる1曲かっこつけなきゃ、なりきらなきゃ」って。レコーディングはノリノリでやってました(笑)。るんぱんのラップが私は好きですね。
──内藤さんは、ラップ調にはもう慣れていますか?
内藤 :いや、そんなことはないです(笑)。
──青山さんと白浜さんはいかがでしたか?
青山 :レコーディングは何回も録り直しました。でも、ライヴで「BON-NO」って言っている姿が浮かんできて、がんばれました。
白浜 :この曲は、初のラップ風みたいな感じで、すごい盛りあがれる曲でいいなと思いました。自分も「BON-NO」って言ってる姿が浮かびました。あと、ラップのパートで「トナカイTonight」っていうところがあって、そこはみんなで盛りあがれる。そういうラップ風な部分があるのはすごいいいなって。
──そういう曲があるかと思えば、“わたし色のトビラ”は音はハードだけどメランコリックですね、歌い方は難しくなかったですか?
高井 :えへっ(笑)。
──なんでそんなに照れているんですか(笑)。
高井 :いやちょっと(笑)。…… たとえば“星が降る街“だったら、「ガッ!」と力強い歌声を目指していたけど、“わたし色のトビラ”をもらったときは、逆に「こういう曲も歌えるんだ」って、幅が広がったのがすごく嬉しくて。“わたし色のトビラ”は、曲がおしゃれじゃないですか。だから、自分が代官山とかを歩いているイメージをしながら歌いました。…… ちょっと文字だけで載せられるとやばいな、これ(笑)。
──そのまま載せます(笑)!内藤さんはどこを歩いている気持ちで歌いましたか?
内藤 :“わたし色のトビラ”は下北スタイルですかね?
高井 :ちょっと変わってきたね(笑)。
──リード曲の“axis”はサビで高音が多用されていてとても印象的ですが、歌う側は大変ではないでしょうか?
内藤・高井 :慣れるまでは時間かかったよね。
内藤 :“星が降る街”もアルバム・バージョンを録り直したりして、エモくかっこよくっていう感じで歌っていたんですけど、“axis”はまた違うかっこよさがあって、ちょっと無気力な感じで歌っていたり。逆に“スーパースター”とか“足音”は、それよりもちょっと優し目で歌ったり……。今回ボイトレでも「語尾をこうすると、こういう雰囲気になりやすくなるよ」とか、いろんな歌い方を教わりました。あと“axis”はMVもおしゃれな感じですね。
高井 :リード曲はいちばん難しかったです。テンポは速いんですけど、でもそのなかでも伝えたい歌詞がいっぱいある。だから「タタタター」って走るように歌うんじゃなくて、るんぱんも言ったように、ちょっと無気力というか、柔らかい声だけど、でも歌詞を伝えられるように、勢いに任せて歌わないようにしていました。
──青山さんと白浜さんは、今回は新曲がたくさんありますが、いかがでしたか?
青山 :いろんな曲調でも、ちゃんと伝えたいなって。曲調が違っても皆さんに「いい曲だな」って思ってもらえるように、表情の作り方とかも慣れていきたいです。
白浜 :たとえば“星が降る街“だったらかっこよく歌ったり、“axis”だったらちょっとせつない感じで歌ったり、曲によって違う表情の自分を見せたいと思いました。
──いちばん最後の曲が“寝具でSING A SONG”です。このアルバムのコンセプトが、朝起きてから夜寝るまでなので、最後はしっとりとした眠りに入る曲なのかなと思ったら、すごい元気でにぎやかな曲ですよね。ライヴだとシンガロングできる感じだと思うんですけど、アルバムがきてみていかがですか?
高井 :アルバム自体に「時間」というストーリー性があって、それぞれ「この曲は朝の時間帯だよね」みたいに聴けて。でも、そういうことを抜きで考えても、ちゃんと意味のある歌詞がたくさんあって。中でもリード曲の“axis”は、タイトル自体が、地球の軸のことも言っていて、さらに私たちそれぞれの人間の軸のことも歌っている曲で。いろんな解釈や楽しみ方ができるアルバムだと思います。
白浜 :はじめてのアルバムだから、嬉しい気持ちがすごく強かったです。これを表情も全開で歌うとなると、「できるかな?」みたいな不安もちょっとありますけど……。でも、たとえば“足音“は、自分の出したい声を出せたので、レコーディングではよかったなと思うこともありました。
青山 :1日の楽曲が入っていてストーリー性もわかるところは、すごい楽しくておもしろいなって。「励まされるな」って私自身思える曲もあれば、すごい盛りあがれる曲もある。そんなアルバムを出せてすごいありがたいし、嬉しく思いました。
内藤 :アルバムって1曲ずつ聴いていくので、曲の流れがすごい大事じゃないですか。今回のテーマが時間で、朝、昼と流れていくんですけど、そういうテーマがあると知らないで聴いたら「不思議な並びだな」ってなりそう。だけど、時間がテーマであることがわかった状態で聴くと、すごい聴きやすいというか。あっという間に「あっ、もう夜か」みたいな、そんな感じのアルバムです。“BON-NO BORN”で混沌、混乱かと思えば、“わたし色のトビラ”では「自分やっぱりダメかな……?」みたいに自分を振り返る感じもある。最後の最後“寝具でSING A SONG”は、いちばんバカな感じで大合唱して終われる…… っていうのが、謎にすごいすっきりして1日を終えられる感じがしますね。
──『POP』のリリースは、当初の予定の2020年5月13日から、1周年の7月15日に変更になりました。晴れて『POP』がリリースされて、どんな人に届くといいと思いますか?
白浜 :元気をもらいたい人とかにも聴いてもらいたいです。
青山 :休憩時間とかでも「なんの曲にしようかな〜? いまの時間はこれだからこれを聴こう」みたいなことができるから休憩してる人にも聴いてほしいなって。
高井 :欲を言うなら全人類に聴いてほしいぐらいです、「70億人に届け!」って感じ。B.O.L.Tが1周年になるタイミングで、「B.O.L.Tが届けていくポップ・ミュージックはこれなんだよ」って想いが詰まったアルバムができたので。もともと応援してくださるファンの方には、「いつもありがとう」という感謝の気持ちとともに「こんな素敵なものができたよ」って届けたいです。フェスとかではじめて観てくれた方にも、B.O.L.T入門編じゃないですけど、これでB.O.L.Tを学んで、好きになってほしいです。
内藤 :いままで出していた曲と違って、メジャー・デビューのファースト・アルバムで。いままでライヴで何度も聴いていた曲と、まったく知らない曲がたくさん入っている。新しい曲もどれかひとつは気に入ってくださればいいなって。激しめの曲もあれば、明るい曲もある。ちょっと落ちこんでいるときに聴くのにちょうどいい曲もある。「時間」や「1日」というのは、みんながみんな、共感できるポイントがあるテーマじゃないですか。1日を生きている全人類に届けたいなって(笑)。
編集 : 安達 瀬莉
B.O.L.T ファースト・アルバム『POP』ハイレゾ配信中!
PROFILE
ももいろクローバーZや私立恵比寿中学が所属するスターダストプラネットに所属する 内藤るな、高井千帆、青山菜花、白浜あやの4人によるガールズ・ユニット。 青山、白浜は現在小学6年生で、スターダストプラネットの中でも最年少(2020.5月現在)。 2019年7月15日に開催された所属レーベル主催のライブイベントにて誕生した。
【公式HP】
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