2011年6月26日(土)に下北沢で行われたライヴ・サーキット『Shimokitazawa Indie Fanclub 2011』。ライヴ・ハウス15店舗のトップ・バッターの中でも、一際会場をわかせていたのは間違いなく、濱本大輔(Dr / 赤犬)、藤井学(key / ex:The Miceteeth)、次松大助(synthesizer / ex:The Miceteeth)からなる三人組みのインスト・バンド、MaNHATTANだった。会場のオーディエンスはMaNHATTANが奏でるプリミティヴなダンス・ビートに身を任せ、時折見せる緊張感に気持ちを高揚させていた。そんな当日の模様を高音質のDSD録音によって、完璧にコンパイル。そのライヴ直後に行われたインタビューと併せてお楽しみください。FUJI ROCK FESTIVAL 2011やSATURN、KAIKOO POPWAVE FESTIVAL 2011等、イベントやフェスに引っ張りだこで超話題沸騰中MaNHATTAN。『LIVE at Shimokitazawa BASEMENT BAR 2011.06.26』を聞いて、様々なイベントにMaNHATTANで踊りにいこう!
今各方面から話題のMaNHATTANの演奏をDSD録音。OTOTOY独占配信です!
MaNHATTAN 『LIVE at Shimokitazawa BASEMENT BAR 2011.06.26』
2011年06月26日に行われた下北沢インディーファンクラブでのライブをDSD録音致しました! ストイックなグルーヴと転がるようなダンスビートが、シンセ・ベースに包まれ心地よくフロアを充満させています! これを聞いて今年はMaNHATTANで決まり!!!
【Track List】
01. DUBBY / 02. Gelo / 03. Far Trance / 04. Xoo
ファイル形式 :
1) DSD+mp3(約1.2GB)
2) HQD(24bit/48kHzのwav)
>>DSDの聴き方はこちら
話題のスタジオ版は緻密な構成とプリミティヴな音とリズムが気持ちいい
MaNHATTAN / Far Trance
淡いメロディーとダンス・ビートの中に不思議な緊張感と強烈なグルーヴが存在し、中毒者続出のインスト・バンドMaNHATTANの1stアルバム。グッドラックヘイワやCOOL WISE MANが所属するレーベル、ギャラクティックということもあり、クオリティーはお墨付き!
【Track List】
01. Far Trance / 02. Gelo(far tarnce mix version) / 03. DUBBY(far tarnce mix version)
04. Giant Stomp remixed by OORUTAICHI / 05. QEF / 06. Xoo / 07. PLANET
08. Giant Stomp(far tarnce mix version)
ライヴ後、下北沢バーミアンにて...
――お疲れ様でした。今日のライヴの出来は何点ぐらいでしたか?
藤井学(以下、藤井) : 僕らのことを知らないお客さんがほとんどやったから、そういう人たちへのアピールとしては上手くいったかな。高得点ですね。
次松大助(以下、次松) : だいちゃん(濱本大輔)のMC冴えてたよなあ。
濱本大輔(以下、濱本) : その辺は赤犬直系なんで(笑)。
――(笑)。結成のいきさつについて教えてもらえますか?
藤井 : The Miceteethの別ユニット的な感じでkneeというバンドを組んでいて、ドラムはANATAKIKOUの藤井(寿光)さんなんですけど、藤井さんが出れない時にだいちゃんを誘ったんです。それが始まりですね。
――みなさん大阪芸大出身ですよね?
藤井 : 僕は違うんですけど、赤犬もThe Miceteethもほぼ芸大ですね。お互い対バンも多かったから面識はあったんですけど、それぞれメンバーも多いし改めて会話する事はあんまり無かったんです。だから大ちゃんとしっかり話したのはkneeがきっかけかな。その時に大ちゃんから「自分のアイディアを実現できるバンドを組みたい」という話を聞いて、そこから結成に至ります。だから発起人は大ちゃんですね。
濱本 : 箱にいっぱいアイディアを溜めていて、それをぶつける相手を探していたんです。ピアノって全部の音が入ってる楽器やし、最小単位はドラムとピアノやなと思っていて、藤井さんを誘いました。
――その濱本さんのアイディアは、赤犬で出来ることではなかった?
濱本 : そうですね。もちろん赤犬には赤犬の楽しさがあるんですけど、より音楽にフューチャーした、リズムに特化したバンドがやりたかったんです。
――そのインスピレーションはどこから受けたんでしょうか?
濱本 : 26歳から大阪のドラム教室に通い始めて、そこが面白いところで、有名な方とかもたくさんいてたりで。そこに通ううちに、打楽器のアンサンブルじゃなくてこれをコードや音に当てはめたいって思うようになったんですよね。
――そこに目指すバンドは居ましたか?
濱本 : これというのはないんですけど、黒人音楽、アフロのような生音を大事にしている感じの音楽と、ダンス・ミュージックとビートルズを合わせたようなイメージが漠然と見えていました。
――そういえば、"あらかじめ決められた恋人たちへ"の池永くんも大阪芸大でしたよね?
濱本 : オシリペンペンズもいますね。
――芸大出身のアーティストが持つ雰囲気って独特ですよね。
藤井 : 独特だと思います。カルチャーの匂いがしますよね。
――中では一体何が行われてるんですか?
藤井 : いや、そこら中で何かが勃発してるイメージ(笑)。やっぱ人口は多いんで、厚みはありますよね。
――学生の頃から仲は良かったんですか?
濱本 : みんな普通に食堂行ったらおる感じでしたね。
次松 : みんな慢性的に退屈してたよな、芸大って。退屈してる人としてない人に分かれて、退屈してる人が集まってたぶん赤犬になったり、そういう感じ。
濱本 : オオルタイチくんは学科は一緒やったけど学内では面識なくて、でも歩いてたらやっぱり目立つじゃないですか。銀縁の眼鏡して面白そうな変な子おるなーって思ってたんです。
――元々知り合いで、今作でリミックスをお願いしたという感じ?
濱本 : 元々知り合いって言っても挨拶程度で、交流の流れでというよりも純粋に彼にお願いしたいと思いました。タイチくんが出す音が好きだから。
まずは今回のアルバムでもっと色んな人に知ってもらうこと
――次松さんがMaNHATTANに加入したのはいつ頃ですか?
次松 : 僕のソロ・ライヴで大ちゃんにドラムを叩いてもらっていて、その時にはもうMaNHATTANのライヴも見てたんです。
濱本 : MaNHATTAN に低音が欲しくて、一度生ベースを入れてみたことがあったんです。でもピンと来なくて、「低い音は欲しいけどベーシストじゃないねんなあ」って次松さんに相談してたんですよね。
次松 : で、借りもののシンセがあるから俺にやらせてって。
濱本 : まさかやってくれるとも思ってなかったんで「そんなんやってよ! 」って。次松さんはThe Miceteethでもボーカルのイメージが強かったから、それ以外に選択肢があるということにまずびっくりしましたね。
――次松さんはMaNHATTANのライヴを見てどう思ってましたか?
次松 : 2人が向かい合って囲碁をしてるみたいで、めちゃくちゃかっこよかったんですよ。ここにあと一人、実況役が入ればもっとスリリングになるしもっとわかりやすいものになるなって思って、あ、俺出来るなって。
藤井 : 次松は感覚をちゃんと説明できるだけの音楽の知識があるんですよ。その面ですごくバンドが支えられました。パートとしては適任でしたね。
濱本 : 次松さんの曲ってソロの作品にしてもめっちゃよく出来てるんです。数学の方式で括弧って出てくるじゃないですか。あれって要は効率の良さなんですよね。あと、最後に見えた時のシンプルさ。でも中に入ると結構複雑になっていて、次松さんの音楽はそんな感じ。そこが現代音楽に通じていてすごい好きなんですよ。
次松 : 何かかゆくなる(笑)。
濱本 : もっとかゆくしよか?
藤井 : もうええんちゃう(笑)。
――では次松さん以外の2人はどちらかというと感覚の人?
藤井 : 僕はそうではないです。大ちゃんの感覚を具現しようと思って一生懸命やってる感じ。
――濱本さんは自分が思ってる事を理論にあてはめずに出す感じ?
濱本 : 始めた時は理論的にも考えたりしてたんですけど、最終的には宇宙とかしか言わんくなったから、なかなか学さんを困らせてますね(笑)。
――濱本さんと藤井さんの2人でライヴをすることも多いですよね。感覚的には3人の時とは違いますか?
藤井 : 全然違いますね。
濱本 : でも2人でやる時は小さいハコでやることが多いんで、大きい所では感じれない生の会話みたいなものを楽しんでもらえるかもしれないですね。
――今作の録音に入ったのはいつ頃から?
藤井 : 去年の11月からです。そこから諸々の事情で時間がかかって。
――その理由は?
藤井 : 発売日が伸びたり、東日本大震災があったりしたんで。
――大阪のスタジオも閉まったんですか?
濱本 : いや、次松さんが仙台に住んでいるので。
――次松さんって大阪在住ではないんですね!
濱本 : それもあって大阪では二人でやったりしてるんです。
――じゃあ、「リハをたくさん入れてどんどんバンド感を高めていきましょう」というノリではないんですね。
濱本 : 今は違うかもしれない。それこそ2人の時は週3、4で6、7時間とかでスタジオに入ってたんですけど。
――それが出来なくなることはストレスではない?
藤井 : そうですね。ストレスは無いです。それより今に合ったやり方を見つけようという感じですね。
――今回の録音でこだわった部分はありますか?
次松 : 全部一発撮りでしたね。
濱本 : 『Giant Stomp』を録ったのは神戸のスタジオトモキというスタジオで、普通の民家なんですよ。そこに機材を持ち込んで録って、エディットも全然してないんです。とはいえそこにこだわった訳でもなくて、それがすごい自然なことやったんですよね。
藤井 : 民家で録るわちゃわちゃ感というか、辺境感、いがんだ感じが良かったんです。でも次の曲からはもっと音響的にデザイン感を追求したかったので、あとは普通のスタジオで。
藤井 : あと重要人物として元The Miceteethのギターの森寺啓介という男が居るんですけど、彼がエンジニアの前田和彦さんを紹介してくれたり、音のディレクションをやってくれたんです。
――音のディレクションというと、具体的には?
濱本 : スタジオトモキは彼が根城にしている場所で、そこで出す音がすごい気持ちいいんです。ボリュームを上げる訳ではなく、聴きたいところだけの周波数を分けていく。モータウンみたいな感覚の音なんですけど、そのバランスを整えてくれるのが啓ちゃん(森寺啓介)なんです。ドラムのチューニングもちょっと直すだけですごい音が変わるし、アンプやドラムの位置も決めてくれる。「この曲はこういう風にしようよ」ではなく「こうしたらやりやすいんちゃう? 」という提案をしてくれてる人。
藤井 : 俺らがちょうどいいと思って茹でたスパゲッティを、「もうちょっと茹でた方がおいしいよ! 」って言ってくれる人です。
――… 今、次松さんと濱本さんががちらっと目を合わせましたけど(笑)。
藤井 : 違いましたかね(笑)。録音してくれるのはエンジニアやし、それをミックスしてくれるのはミックス・エンジニアなんやけど、僕らが出す生音をトリートメントしてくれるのは啓ちゃんでしたね。
――大阪のバンド・シーンって濃いですけど、MaNHATTANはその中に入ってる感じはあります? あまり気にしてない?
藤井 : 個人的には入れて欲しいんですけど、あまり入れてないですね(笑)。でも事実的には大阪のバンドですけど、いわゆる大阪的なテイストを出そうとはしてないです。
――次松さんは仙台から見てどう思います?
次松 : 確かに、MaNHATTANに大阪の土着感はあんまりないですよね。大阪のバンドってサービス過剰なことが多いじゃないですか。
――確かに、今日のライヴでも思ったんですけどMaNHATTANってすごいスタイリッシュなんですよね。ちなみに赤犬は復活してからどんな状況ですか?
濱本 : 美園ビル(大阪・千日前にあるレジャービル)の地下にユニバースっていう500席ぐらいある大きいキャバレーがあったんですけど、もう潰れちゃって、今はたまにライヴ会場として貸出してるんですね。そこで貸出一発目に赤犬がワンマンでライヴして、すごい良かったんですよ。80年代の未来観がある会場で、赤犬は活動休止後、だいぶ音楽性が変わって歌謡曲の色が濃くなったんですけど、その雰囲気に良く合ってる。で、お客さんもめっちゃ入ってたんやけど客席に向けたピンスポット・ライトが偶然遊びに来た学さんにだけ当たってて、学さんの満面の笑顔が客席からぽんって浮かびあがってて、僕叩きながらめっちゃおもろかったんですよ!
――(笑)。赤犬もこれから楽しみですね。MaNHATTANはこれからどういうスタンスで活動を続けていくのでしょう?
濱本 : まずは今回のアルバムでもっと色んな人に知ってもらうこと。あと9月2日にレコ発で2マンが決まってて、今まで長くて40分ぐらいしかライヴしたことなかったんやけどその日は持ち時間が60分あるんです。そのステージをどういう風に作っていこうかというのを考えてますね。MaNHATTANはメロディのない曲がほとんどなので、その中に一曲メロディ中心の曲があったら締まりが出るかな、とか。今までの曲とは違うものが必要だなと思い始めてます。後々はワンマンもやりたいんで、90分ぐらい楽勝でできるぐらいの力を付けたいですね。
LIVE SCHEDULE
2011年07月31日(日)@FUJI ROCK FESTIVAL’ 11
2011年07月17日(日)@京都二条 nano
2011年08月20日(土)@茨城県つくば市 音の森
MaNHATTAN 1st Album『Far Trance』Release tour
2011年09月02日(土)@ 大阪梅田SHANGRILA
2011年09月10日(土)@東京新代田FEVER
2011年09月11日(日)@名古屋CLUB UPSET
MaNHATTANはじめての“ほぼワンマン”LIVE
2011年09月23日(金・祝)@浜松ESQUERITA68
2011年9月23日(金)・24(土)@the 6th 木曽鼓動 2011ROCK IN CAMP FESTIVAL
※いずれか1日に出演。
2011年10月15日(土)@難波 HATCH
2011年11月19日(土)@KAIKOO POPWAVE FESTIVAL 2011
PROFILE
MaNHATTAN
濱本大輔(Dr / 赤犬)を中心に2009年、藤井学(key / ex: The Miceteeth)と結成したインスト・バンド。 2010年、次松大助(synthesizer / ex: The Miceteeth)が参加し現在の編成となる。ブレイク・ビーツ、プリミティブなビートとシンセ・ベースによるシンプルなリズム、ピアノ&オルガンの柔らかいサウンドとメロディ。 スタジオ・インター・プレイを凝縮したようなセッションから繰り出される独特の「すきま」と「ノリ」。時代や様式ではなく"空想遊び"をしているようなダンス・ビートを展開している。2011年2月2日オフィシャルとしては初となる音源 Giant Stomp(CD+DVD)をリリース。3月にはOORUTAICHIとのコラボレーションによる限定12inch、4月には1stアルバムのリリースしている。
MaNHATTAN official HP
Galactic official HP