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ウィンブルドンテニス、錦織の活躍なるか

故障の影響は

 テニスの四大大会今季第3戦、ウィンブルドン選手権が6月29日から7月12日まで、英国ウィンブルドンのオールイングランド・クラブで開催される。四大大会の中で唯一、芝のコートを舞台に争われる伝統の大会。日本のファンにとっては、錦織圭の上位進出なるかが、再び大きな関心事になる。

 錦織は6月20日にドイツで行われたゲリー・ウェバー・オープンの準決勝を、左足ふくらはぎの負傷で途中棄権した。激しい攻防の末に勝利を収めた、前日の準々決勝の終盤、サーブの着地の際に痛めたという。幸い、症状は重くはなく、診断はふくらはぎの筋膜炎。それでも、英国入り後は負荷がかかるのを抑えた調整を続け、実戦にどの程度の影響があるかは、明確ではない。ウィンブルドンの激しい戦いに、不安を抱えて臨む状況となった。

 6月26日に実戦形式の練習を再開。同27日に記者会見した錦織は「日ごとに回復している。たぶん大丈夫」と、本番には間に合うとの感触を話した。とはいえ、万全な状態でないのは確かだ。足の状態を確認しながらの戦いを強いられるのは間違いない。その中で徐々に調子を上げていくことを祈りたい。

 昨年は右足親指の手術明けで出場した全米オープンで快進撃を演じ、決勝まで進んだ。故障明けでも好成績を挙げる可能性は十分にあると期待したいところだ。

 昨年の全米で準優勝した後の四大大会では、今年の全豪オープン、全仏オープンともに8強入り。悲願のタイトルに届いていないとはいえ、世界ランキングにふさわしい力量は、確実に示すことができるようになった。

 芝のウィンブルドンに関しても、「かなり自信があるし、いい感触を持っている」と話す。どんなコートであっても、一定以上のパフォーマンスを見せるだけの安定感を身に付けたといえるだろう。ウィンブルドンでは2012年、13年と3回戦まで進み、昨年は過去最高のベスト16(4回戦)まで残った。実戦機会の少ない芝のコートでも年を追うごとにパフォーマンスは上がっている。今回は日本勢過去最高の第5シードとして大会に臨む。

 もっとも、現世界ランク1-3位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ロジャー・フェデラー(スイス)、アンディ・マリー(英国)には今季一度も勝っていない(フェデラーとは対戦なし)し、先の全仏オープンを制した4位のスタン・バブリンカ(スイス)にも全豪の準々決勝で負けている。上位の壁は、崩せそうで崩せていない。

 第5シードで臨んだ全仏では、第15シードのジョー・ウィルフリード・ツォンガ(フランス)に競り負けた。ランキング10位以下でも、手ごわい選手はゾロゾロいる。そうした相手を確実に倒し、なおかつ上位選手と競り合って本格的に優勝争いを演じるには、まだ足りないものがある。ウィンブルドンの大舞台は、また貴重な経験を重ねるためにも楽しみな戦いになる。

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