私はこの判断に心から落胆し、新潮社という出版社そのものに心から失望した。
まず断っておくが、私は杉田水脈氏の記事(論文とは決して呼ばない)を一切支持しない。
一切、完全に、ただの一行たりともだ。
続く号で発表された杉田氏の擁護記事も、仮に部分的に事実があるとしても一切の論旨に賛同しない。
だが、私は『新潮45』が休刊したことについても深い憤りを覚えている。
杉田氏の記事ならびに擁護記事に批判が集まったあと、新潮社代表取締役の佐藤隆信氏は以下のようなリリースを発表した。
https://www.shinchosha.co.jp/sp/news/20180921.html
弊社は出版に携わるものとして、言論の自由、表現の自由、意見の多様性、編集権の独立の重要性などを十分に認識し、尊重してまいりました。……
このリリースで佐藤氏は、『新潮45』が差別的な記事を掲載したとは一切認めていない。
まずはじめに言論の自由をうたい、《今後とも》差別には配慮する=今までも差別には配慮していた、としている。
『新潮45』の問題はあくまで「常識を逸脱した偏見」と「認識不足に満ちた表現」(不足に満ちた?)だ、ということだ。
https://www.shinchosha.co.jp/sp/news/20180925.html
会社として十分な編集体制を整備しないまま「新潮45」の刊行を続けてきたことに対して、深い反省の思いを込めて、このたび休刊を決断しました。
これらのリリースから、新潮社が何を問題視して休刊に至ったのか、私にはよく読み取ることができない。
「言論の自由」を重要視するならば、「常識を逸脱した偏見」という言葉は矛盾している。
なぜなら、偏見は時に常識の顔をして生活に根付いているからだ。それに対抗しうるのは言論しかない。
「言論の自由」をうたうなら、常識から逸脱したことを謝罪するのは自殺行為だ。
「認識不足に満ちた表現」というのもよくわからない。誰の、何に対しての認識が不足していたのか不明瞭である。
(筆者の、LGBTに対する)認識が不足していたというならば、それは表現ではなく論旨そのものに直結する問題だ。
二度目のリリースの「編集体制が十分でなかった」ことから無理矢理意訳するなら、言論としての質が低かったことがもっとも重大な問題、と理解すればいいだろうか。
佐藤氏はこの問題に関して、何よりもまずはじめに言論の自由、表現の自由、意見の多様性、編集権の独立に言及した。
『新潮45』は、私の目には差別的・侮辱的で唾棄すべき蒙昧な文字列だったが、
佐藤氏は質が低いことは認めても、差別的であるとは最後まで言わなかった。
杉田氏の記事およびその擁護意見を、新潮社として「自由と多様性」の一部として認めるならそれでもよい、と私は思う。
だが、それが社としての意見だというならば、そして問題は「質の低さ」だというならば、少なくとも新潮社にはこの問題について「質の高い」意見を示す社会的な責任があったのではないか。
そして、「多様性」を庇護したいのならば、杉田氏および擁護意見への反論も意見として熟議し、「多様性のある」議論を展開するべきではなかったのか。
それこそが「言論の自由」を保証した、出版社としてあるべき姿だと思う。
その範を示すことが、長い歴史と信頼のある大手出版社の役割であり、代表取締役が「言論の自由」に言及した意味ではないのだろうか。
質の高い多様な意見を募るには歴史と信頼と知性の集積が必要だ。そんな出版社はそう多くはない。
けれど、新潮社ならできたんじゃないのか。
今回、新潮社は『新潮45』の廃刊という形での幕引きを図った。
批判に応答もせずに。
言論の自由をいちばんはじめにうたったはずなのに、世間の声に反応して言論の場そのものを潰すという、もっともするべきではないことをした。
しかし、新潮社は本当に、この幕引き以外選択肢はなかったのか。
新潮社でさえこんな風に逃げ出すしかないのなら、我々はいよいよ、批判を躊躇わなければならなくなる。
意見を示す出版社側は、「常識から逸脱した」意見を出すときは『新潮45』のように潰されることに怯えなければならず、
批判する消費者側は、自分自身の批判が言論の場を潰し、言論封殺の謗りを受けることに怯えなければならない。
新潮社は「質の高い」反論をすることも批判を受け止めることも投げ出して、結局真っ先に言及した「言論の自由」を蔑ろに踏みにじった。
私にはそう思える。
そして、そんな愚かな選択を、あの新潮社がしたことに心から失望している。
はじめて買った文芸誌はyomyomだった。
100%orangeのかわいい表紙に、めくると広がるとりどりの物語に心をときめかせて創刊から買い続けた。
新潮文庫の背表紙が好きだった。明朝体の文字だけのそっけなさ。
書店に行くたびあの背表紙群を眺めて、次は何を買おうと迷うのが楽しかった。読んでも読んでも読みたい本が尽きない。頼もしかった。
新書の玉石混淆さにはもう十年以上もうんざりしているけれど、それでも新潮新書には基本的に安心感を感じていたし、学生時代の論文でも、参考文献に新潮社の本を何冊も並べた。
今はただ悲しい。
雑誌が休刊に追い込まれる、ということは、下手打ってサイモン・ヴィーゼンタール・センターの逆鱗に触れたのでは? マルコポーロ事件 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB...
強力なバックアップがある限り、 ほとぼりが覚めたら、 反良識を良しとする空気が更に熟成されたら、 また似たようなことが起こる。 人権を守ることを叫ぶのはますます世間体が悪く...
たしかに、今後とものくだりって、いかにも役人が責任逃れのために頭ひねって考えた文みたいですごく感じ悪いわ。ものすごく。
日本語の本はもういらない
現地民向け本屋に現地語がなくて英語とか中国語の輸入雑誌並んでる国あるよな
言論の自由を踏まえてもあまりに常識を逸脱しているって話だろ…アスペかな…
以前とは違って全ての人が被害者意識を抱えている状況なので こういう支持する側の被害が出てしまうと被害者意識が正当化されてしまうよなあ いじめ・ハラスメント・クレーマーのや...
どうせ属性だけ見て自分の気に食わない属性なら「お前の自意識過剰」で済ますんでしょ
みんなやってるからねえ、それ
だからお気持ち忖度のようで実際には属性vs属性の戦いでしかないわけよ
気に食わない属性に違いないんだぁ!ってレッテル貼りする馬鹿は論外だけどな
タイトルしか読んでない感がすごい
書き逃げにならないように別媒体で議論できればいいのだが
○○は支持しないがみたいなエクスキューズつけてれば僕ちゃんは本当は違う立場なんですぅ!と逃げられるから便利だよなぁ
リアルはイジメ加害者が被害者を名乗ってそれを傍観者が肯定する イジメ被害者が加害者判定される
なお、福岡地検による鑑定留置は10月1日までの予定。
つまり、新潮社に何をして欲しかったんだ?
ちゃんと具体的に文章内に書かれてるけど。日本語は読み書きできるけど理解できない人?
単純にこれまでも売れてなくてやめたかっただけなんじゃなくって?
まず断っておくが、私は杉田水脈氏の記事(論文とは決して呼ばない)を一切支持しない。 一切、完全に、ただの一行たりともだ。 続く号で発表された杉田氏の擁護記事も、仮に部分的...
仮に「犯罪者の比率は白人に比べて黒人が優位に高い」が統計的な事実だとして 「だから白人と黒人は居住区を分けるべきだ」が論旨だとしたらそれには一切賛同しないって 全然おかし...
妄想だけど、「部数を盛り返せるなら多少のことには目をつぶる。好きにやってみろ」って言われてたんじゃないかなあ。 で、ラストチャンスを任された編集長がネトウヨ路線に目をつ...
今回の件は間違いなく、「左翼の言論弾圧」ではなく「新潮社の卑怯な逃げ」 むしろ「そうまでして被害者になりたいのか?」と言いたい とはいえ『新潮45』という媒体がもったいなか...
anond:20180926173911 肩がぶつかったとき大きな声で痛いと被害者を名乗るほうが強いもん 被害者有利なんだからみな被害者を気取りたがるよ 正当防衛の判定に入れば人に暴力だってできるし...
「卑怯な逃げ」つっても、まず攻め手が言論で対抗するんでなしに出版するな作家は寄稿するな書店は取り扱うなと圧力で対抗してきたわけだからなあ。 言論には言論をというスキーム...
うむ、だからこそ新潮社は冷静な言論で踏ん張って欲しかった が、この幕切れは部数低迷の新潮45を切る口実にされたとしか思えない で、左翼の言論弾圧という「イメージ」だけが残る ...
なわけねーだろバカか
新潮45の作家さんは自由な言論と言うなら同性愛の婚姻などについて特集を組みたいと打診したけど断られたから新潮見限って連載打ち切りしてたよ。
まあ、さすがに「特集を組みたい」というレベルだと雑誌全体の問題で大変だから無理ってのもわかるけど、 自分の連載の中で、記事への反論、反証になるような内容を書きたいっての...
それクソリプレベルのカウンターにしか見えないんだけど。
何で?様々な観点の自由な言論って言ってんのにヘイトしか載せないのは無いだろ。
言論で対抗できる人は反論し 原稿を書く人は収入減でも書かないことを宣言し 書店は収入減でも各自の判断でおかないことを宣言した。 看板への落書きはたしかにあったけど。 お前ら...
それが冷静な対応と思えるところといきなりモンスター扱いとか被害妄想炸裂させてるあたりすごいね。
なるほど~、で、その「すごいね。」ってやつが冷静な対応ってやつなの? まるでオタクの負け惜しみからくる必死の冷笑みたいだね。まねしてみたよ。
本屋や出版社の業界団体にクレームつけまくって嫌がらせした方が早いよな。バカと関わって時間をムダにするより果たすべき現実のために動く方が合理的だわ
極右督戦隊って感じで面白い、もっとやってほしい
廃刊と休刊は違うのでは。やり直し。
「休刊」か「廃刊」かは、発行社(者)の意思表示がないと区別がつきにくいのが実状です。そのため、現在の出版業界では「休刊」という表現がほぼ統一して用いられています。 http...
ちなみに、2018-04, 2018-05, 2018-06の部数 男性 > 総合 > 総合月刊誌 > オピニオン(社会・政治・ビジネス) 雑誌名 出版社名 印刷証明付き発行部数 文藝春秋 文藝春秋 371,...
1万人も読んでくれる人がいるのに、どうにかならんかったのかねぇ・・・
1万6千8百部だから、そんなもんかな。 発行しても、売れているとは言っていないし、同じ数の購読者がいるとは限らないもんな。
雑誌を出すには読者1万人程度では赤字なんだよ 赤字を出す上に出版社に傷をつけて作家達との関係を悪化させたのでは https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/25/shincho45-kyu-kan-explanation_a_23541450/ 取...
廃刊という手続きが行われることは通常ない
ざっくり計算だと、1万部/1億3千人って計算すると、日本人の0.01%か?
図書館の数じゃないの
散々言われている通り、業界の慣行によって雑誌が公に廃刊になることは基本的に無い。
評判悪くなるくらいなら大して売れてない雑誌を廃刊にした方が良いくらいだろwww よく妄想でココまで書けるわwwww
結局、休刊に追い込んだ側が悪い 新潮45には何の落ち度もない って空気がちゃんとできてるじゃん。 今回も人権否定派の完全勝利となってしまった。 もはや国民としての生存資格を得...
いじめられっ子が自殺した時のいじめっ子の言い分だな いじめじゃない、あいつのことが好きで遊んでただけ、みたいな
酒鬼薔薇の『絶歌』はどう思う?