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北朝鮮を旅する

巨大なモニュメント

 終戦前後に現在の北朝鮮地域で亡くなった日本人の遺族による墓参団に同行し、北朝鮮を訪問する機会を得た。首都平壌のほか地方も旅した。長距離ミサイルや核問題で「こわもて」のイメージが強い国だが、同行取材の中で垣間見えた現状を報告したい。

 平壌空港に到着すると、入国管理官の女性が満面の笑顔で迎えてくれた。日本とは国交がないためパスポートにはスタンプを押されず、北朝鮮の在北京大使館で受け取った別紙のビザをチェックされる。外国人の携帯電話持ち込みも許可されるようになった。空港にある携帯電話会社「高麗リンク」のカウンターでSIMカードを買って、自分の携帯に差し込めばそのまま使えるという。

 空港周辺はのどかな田園風景が広がり、畑を耕すのは牛だ。30分ほどで市内に入ると、巨大なモニュメントが目に入ってきた。凱旋門、大規模なパレードが行われる金日成広場、万寿台議事堂、主体思想塔、金日成主席と金正日総書記が並んだ銅像や肖像も見える。昨年完成した高層マンション群が立ち並び、「戦勝60周年(朝鮮戦争休戦から60年)」「共和国創建(建国)65周年」というスローガンも多い。「核武力」「経済建設」の並進路 線をアピールする宣伝板もあった。

 7月22日からの芸術公演「アリラン祭」を前に広場では小学生から大学生まで多くが参加し、マスゲームの練習に余念がない。平壌駅の大型スクリーン前では深夜まで中央テレビの映画が流され多くの人で賑わう。高麗ホテルの向かいの建物に掲げられた金日成主席と金正日総書記の肖像は、夜になると照明が当てられていた。

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