OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.35
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
坂道を登る速度で、fhánaを聴こう
2011年に結成され、towanaの加入で2012年に現体制となったfhána(ファナ)。 数々の人気アニメ主題歌を担当し、昨年にはデビュー5周年を迎えて、さらに勢いを増している彼ら。
メンバーが他アーティストへ楽曲を提供したり、 11月からは各公演で異なったテーマでライヴを行うというコンセプト・ツアー〈Where you are Tour 2019〉を行うなど、 アニソン以外のフィールドでも本当におもしろい活動をしています。
個人的にも好きな楽曲が多いので、今回はそんなfhánaの楽曲をセレクトしました。 ちなみに昨年にリリースされたベスト・アルバム『STORIES』が本当に完璧なベストなので、 まだfhánaを知らない人はそちらをどうぞ。
さて、シングル・リリースされている曲やポップな部分も勿論最高なんですが、 カップリング曲に注目作が多いのもfhánaの特徴ではないでしょうか。 なかでも「snow scene」なんかは、ノイジーに揺れるサウンドとギターのフィードバック、 ピアノのアンサブルに包まれる様子などは本当に圧巻の一言。 fhánaの魅力のひとつが溢れる屈指の名曲です。
「innocent filed」にみられるサックス・パートやシンセ・サウンドも80'sポップスの空気感を随所に感じさせますし、 「Antivirus」ではリズムの変化が特徴的なエレクトロ・ポップを見せるなど、本当にグループとして鳴らしてる音の幅が広い。 そんなfhánaをfhánaたらしめているのは、これらの楽曲を歌いこなすヴォーカル、towanaの力も本当に大きいと思います。
デビュー前に発表した自主制作盤に楽曲を追加したアルバム『View from New World Line』も名曲だらけ。 そこからも楽曲を選びたかったんですが、OTOTOYでは残念ながら配信しておらず。 ただ、こちらも現在のfhánaを語る上で欠かせない一枚になっているので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
その文様が様々に変わるfhánaの楽曲たち。 ポップでありつつ、ジワジワと響く、変化していくサウンドは、まさしく坂道を登る速度のように緩やかで本当に美しいんです。 僕がfhánaの魅かれる理由もそこにあると思っているので、ぜひぜひ彼らの楽曲は、ハイレゾで聴いてほしいですね。
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