NEUTRAL NATION 2009 TOKYO
さあ、いよいよクラムボンのステージが始まる。この日はエゴラッピン、マイス・パレードといった出演者のパワフルな演奏が続いていただけに、会場は既にお祭りムード。それでも彼らの登場を待つ雰囲気はやはり別格だ。なにしろ今年は個々の活動が目立った昨年から一転、久々に本陣クラムボンでの活動が本格化してきているのだ。会場に集まった人たちの期待感はまさに溢れんばかり。
そんな熱気に包まれる中、相変わらずの飄々とした佇まいでステージに現れた3人。オープニングはリリースされたばかりの『Re-clammbon2』から「Re-THE NEW SONG」。ミトの弾くアコースティック・ギターを軸にした軽やかなアンサンブルが、会場の空気をゆっくりとクラムボンの色に染めていく。高まった緊張感を解すような立ち上がり。もうこの時点で風格たっぷりだ。MCを挟んだ後に聴こえてきた、耳馴染みのあるピアノのフレーズ。「シカゴ」だ! 会場は最初の沸点に達する。何度もリアレンジされている曲だけど、こうやってオリジナル・アレンジを聴いてみると、本当によく出来た3分間ポップ・ソングだなぁと改めて感動。両手を交互にポコポコ叩くように鍵盤を鳴らす郁子ちゃんはいつ見ても可愛らしい。
会場のヴォルテージも一気に高まり、天国にいるポップスの王様にみんなで「ポゥ! 」を捧げた後は、先程ステージを終えたマイス・パレードのアダム・ピーアズが登場し、「Re-雨」に参加。ミトのアルペジオに乗せて原田郁子がゆっくりと歌い出す。ブレイク後、アダムのギターと絡み合いながら、徐々にビートは加速し続ける。息を呑む程の緊張感が会場を覆う中、唐突に演奏は終了。アダムはヒョコッと頭を下げ、手を振りながら早々とステージを去っていった。この日はマイス・パレードのステージにもミトさんと郁子ちゃんが飛び入りで参加していたけれど、こうやって一緒にステージに立つ姿を見ていると、両者が意気投合するのもよくわかる気がする。どちらも演奏中以外、のほほんとし過ぎです(笑)
「バイタルサイン」で再び引き締まった演奏を聴かせた後に披露されたのが、待ちに待っていた新曲「NOW!!! 」。“未来はのんびり待っててもやってこないもの”。そんな歌い出しで始まるこの曲は、何度も訪れる転調に思わずすっ転びそうになりながらも踊り出さずにいられないような、まさに彼らの真骨頂とも言うべき軽快なポップ・ソング。耳に入ってくる歌詞とオーディエンスの反応があまりにマッチしている。これは今後のライヴの鉄板になっていきそう。
今回はツアーを終えたばかりというのもあって、終始リラックスしたムードが漂っていた。彼ら3人が、久々にやってきたクラムボンの季節を心から楽しんでいるのが思い切り伝わるステージだった。なので『Re-clammbon2』あるいは「NOW!!! 」が次に来たるべき新作へのどんな予告になっているのかはまだ判断保留にしておきます。願わくばこのまま突っ走っていってほしい! 新しい季節はまだ始まったばかり!
(text by 渡辺裕也)
クラムボンセット・リスト
1、Re-THE NEW SONG
2、Re-Bass,Bass,Bass
3、シカゴ
4、ドギー&マギー
5、Re-意味はない
6、Re-雨 with アダム・ピアース
7、バイタルサイン
8、Now!!!
9、Re-アホイ!
En、ハレルヤ
クラムボンが2年ぶりの新曲『NOW!!! 』を、リリースします
クラムボンが、新曲「NOW!!! 」を2009年8月1日にリリースします。この「NOW!!! 」は、オリジナルの新曲としては2年ぶりのリリース。 先日の「Re-clammbon tour」、スタジオ・コーストの「NEUTRAL NATION 2009」で唯一の新曲として披露された楽曲です。プロデュースはクラムボン自身。ゲストにはバービー・ボーイズのKONTAがソプラノ・サックスで参加しています。
この新曲は配信のみのリリースで、なんと! レコミュニが8月1日より独占販売。しかも、CDよりも良い音(24bit/48KHzのWAVファイル)での配信です。レコーディング・スタジオで作り上げられたそのままのサウンドで、クラムボンの新曲をお届けします!
→詳しくはこちら
LIVE SCHEDULE
- 2009/7/24(金) FUJI ROCK FESTIVAL’09@ 新潟県 湯沢市 苗場スキー場
NEUTRAL NATION 2009 出演アーティストの音源はこちら!
SOUR 『WATER FLAVOR EP』
都内を中心に活動する3ピース・バンドSOUR。クラムボン、ミト氏プロデュースによる渾身のミニ・アルバムは、水のように透き通ったギターの音色と、木々のざわめきのような緩やかなリズム。そして、爽やかな風のように心地よいメロディで溢れています。日常の中に当たり前のようにSOURという音楽が流れているかのようなアルバム。世界中のファンがWebカメラで出演しているPVが50万を超えるアクセスを更新中。
ELEKIBASS 『Paint it black-EVERYBODY COME !!LET'S GET DOWN-』
ELEKIBASSのニュー・アルバムはまるで、満開のハーモニーに彩られたポップ・ミュージックのモザイク。光を帯びた色が舞い、トロンボーンの音色が飛び回っている。僕の耳に春が来たって感じだね。(text by ロバート・シュナイダー〈アップルズ・イン・ステレオ〉)
HALFBY 『Green Hours』
様々な要素を含んだ抜群のミックス・センスはそのままに、犬の鳴き声が入っているトラックがあったりと、キャッチーでポップな遊び心溢れる一枚!
traks boys 『Bring The Noise』
"Back Drop Bomb"、"The Arrows"などのリミックスを手掛け、また川崎工場地帯の某工場屋上にて行われているパーティー「DKSOUND」ではレジデントDJを務めるハイブリッド・テクノ・ユニット、"Traks Boys"待望の2nd Album。「JAPANESE」と言うフィルターを通し、他に並ぶものの無いオンリー・ワンなトラック群全10曲を収録した傑作!
環ROY×DJ YUI 『copydogs』
超自由形MC「環ROY」と、真の"センス"を知る男「DJ YUI」が日本語ラップのヘッズ/フジロック・フリークまでをも打ちのめす "奇怪でクールな珍盤" を発表!!!「誰がフレッシュでオリジナルか」というHIP HOPの根本的な定義に基づく、「日本語ラップ・シーンの現在」への回答!!黒人のマネや、そのマネのマネが日本語ラップなら、この作品こそが紛れもない HIP HOP!その昔、オールドスクールHIP HOPの衝撃がロックもクラブ・ミュージックも飲み込んでいった頃の初期衝動は、こんな感じだったんじゃないでしょうか。
dot i/o 『想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言II』
クラムボンのミトによるソロ・プロジェクト、dot i/o (ドット・アイオー)の超待望のファースト・アルバム!! CAN(カン)のイルミン・シュミットとの共同プロデュース! ミトの構想による同タイトルのソロ・プロジェクト3部作の中では、ミトが持ち込んでいる何より魅力的な要素であるポップとエクスペリメンタルのせめぎ合いが最も色濃く表れた作品といえる。PARCO春のCMソングに起用された「We're living」も収録。
ECCY 『Narcotic Perfumer』
ヴォーカリスト&プレイヤーズ vs トラックメイカーECCYの実験的音楽邂逅がここに実現!! 参加ヴォーカリストACO、KAKATO(鎮座ドープネス&環ROY)、参加ミュージシャンDr. 柏倉(toe)Key. 中村(Kowloon、toe)B. Master Pata(dry&heavy)
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