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「ル・グウィン」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ル・グウィンとは

2024-03-19

予言日本ではこれから数年間の間に最大約500万人が追加で死亡する

 内田樹が触れているように、日本は「立ち帰るべき初期設定」(注1)がない国である。立ち返るべき初期設定がないということは、現行のルール自発的に、外部からイベントなしに、変更しにくいということでもある。何かがおかしいと感じられていても「平穏である限り、そのルールは維持される。仮にその「平穏」がル・グウィンの書いた「理想都市オメラス」のような平穏であってもだ。「立ち返るべき初期設定」がないから、そのルールの良しあしを判断できないのだ。官僚機構は、自らに課せられたルールを忠実に守る。それが官僚機構の役目だからだ。官僚機構自発的な変革は期待できないし、期待してはいけない。期待するとすれば、政治家国民の、そして、外部からイベントになる。

 さて、ルール再考きっかけとなる、外部からイベントの一つが、「人の死」であるブラック企業対策きっかけになったのは、高橋まつりさんの死だったし、統一教会対策に動き出したのは安倍晋三元首相の死がきっかけだった。でも、この2つはもともと国民の側にある程度の不満が溜まっていたからこそ、一人の死でここまで動いた。では、もし、国民政治の側が致命的な選択肢を選んでいるにもかかわらず、その致命さに気づいておらず、不満も持っていなかったら?

参考になるのは、前世紀において、日本アジアに対して行った侵略戦争である日中戦争開始当時、そのことを間違っていると考えた国民は少数派だった。みずから選択肢が誤っていると判断して無条件降伏するまで、多くの人が亡くなった。特に戦争末期になって戦没者の数は急激に増える。全戦没者のうち9割を占めると言われる。最終的に、東京大空襲沖縄戦ソ連の侵攻、原爆投下にいたる。死者は軍人軍属民間人合わせて240万人〜310万人とも言われる。当時の総人口を7500万人とすると、3.2〜4.1%にあたる。それだけの犠牲者が出た段階で、ようやく政府終戦決断した。

 さて、今現在日本は、戦時下にある。それはCOVID-19との戦争である。互いに殺し殺されるという関係では、戦争公衆衛生もたいして変わりがない。違うのは、ウイルスには意志戦争遂行責任者もない点である歴史は繰り返さないが韻を踏むという。すでにその兆候は見えている。

 

 ・責任者の不在

  5類の意向により、政府感染対策民間に丸投げし、積極的感染対策を取らなくなった。

  一方、民間民間で、上の指示がない限り積極的感染防止対策を行わない。結果、誰が責任者かわからないまま、だらだらと戦争は続いている。

 ・初期段階は現場努力で上手く行く

  すくなくとも、戦争が始まってからの数年間の動きは素晴らしかった。しかし、それらは、現場民間努力によるものであり、長続きはしなかった。

 ・戦争相手の実力を甘く見積もる

  中国米国の実力を見誤ったように、コロナウイルスの実力を甘く見積もる。「ただの風邪」という言説はその最たるものであるしかし、実際にはコロナウイルスは想定よりも厄介なウイルスである心臓疾患や認知障害をはじめとする様々な疾患を引き起こし感染性も高く、免疫逃避性も高い。繰り返し感染するごとに、後遺症発症する確率もあがってゆく。

 ・戦争に対して不足する自リソース

  脱マスク診療報酬の削減、ワクチン任意接種化で、全数把握の取り止め、無料検査事業の終了、患者の届け出の把握など、わざと自らのリソースを削減する。

    

 これらの結果、戦争開始当初は、現場の奮闘と戦術でうまくいくが、戦略の無さとリソースの不足でやがて負ける。いくら指揮命令系統を強化しても意味がない。負ける理由戦略の不足であり、決断の不足であり、思想の欠如であり、「立ち帰るべき初期設定」の欠如だからだ。幸か不幸か、戦争相手ウイルスであり、どこかに大本営があるわけではない。現場で戦う個々人に対し、リソースを潤沢に供給し、支援し、戦い続けられば、少なくとも五分五分には持ち込めるだろう。マスクを着用させ、手洗いを励行させ、ワクチンを接種させ、その代金を支援し、発熱外来コロナ病床を提供する医療機関資金面支援し、ワクチン製造し、備蓄し、抗原検査キットを配布させれば戦い続けることはできるであろう。しかし、緊縮財政の名のもとにそのリソースを絞ってしまった。

 おそらく、前戦争におけるミッドウェー海戦に相当するものは、コロナウイルス感染症の5類移行である。あれをきっかけに潮目が変わった。明らかに社会コロナウイルス感染症は警戒しなくて良いというメッセージと受け取った。テレビでは、「コロナ明け」という単語が飛び交い、マスクをつけなくなり、飲み会に繰り出し、満員電車は復活し、学校では積極的に脱マスクが推進されている。ウイルスは弱毒化どころか、ますますその凶悪性質が明らかになっているというのに。

やがて、免疫が弱体化して感染症が蔓延し、または、再感染でロングCOVIDが蔓延し、人がバタバタ死に始め、国民おかしいと気づくまでこの状況は変わらないであろう。どのくらいの人が死ぬだろうか。前大戦では総人口の3.2〜4.1%であったことを思い出してほしい。2024年現在日本人口を1億2000万人とすると、死者数は、384〜492万人に及ぶ。そこまでの死者を出して、ようやく国民政府は、自らの選択肢が間違っていると気づくであろう。

 筆者は、この予言が当たらないことを祈るのみである

 

注1 内田樹,『日本辺境論』,新潮新書,p24

2024-02-02

anond:20240202211037

面白ければ正義だと思ってる。こんなこと、もう匿名しか言えないけど。

許可を求めるより、謝罪せよ」って言葉がある。

映像化班が原作バージョンアップさせられる可能性は、ある。

実力を発揮すべく精一杯誠実に仕事して、無理だったら、、、その時には謝ればいい。

ジブリル・グウィン原作尊重せず満足させられなかったのは、端的に当時のジブリ力不足ゆえ。

ジブリ化学変化を起こした作品は、原作者に有無を言わせないほどの力を生んでいた。

2021-06-13

早川書房のkindle1,500点半額セールで俺が買う/買わない本の話

早川書房のkindle1,500点以上半額を受けて、Amazonリストから俺の興味のあるものリストアップしたから、みんな見るとよい。

全部購入したいところだけども(全部買っても、たぶん1万円強に収まりそう。お得)、当の俺が何しろ吝嗇なので、気になったものは、まず図書館検索 → 人気のため多量の順番待ち、もしくはそもそも在架なし、の場合にだけ、購入することにする。

『息吹』

おそらく、今回の目玉の一つだろう。『あなたの人生の物語映画題名メッセージ』)』を書いたテッド・チャン作品集

試しに図書館検索したところ、予約待ちではあるものの待てないほどではない。ということでいきなりだけど購入×。

ちなみに、同氏の『あなたの人生の物語』はボルヘス幻想小説ロードムービーを掛け合わせたみたいな素敵な雰囲気作品が多くて良かった。おすすめ

ザリガニの鳴くところ』

今回の目玉その2。図書館検索すると…すごい、100件以上待ち。ということで買います

ミステリー普段あんまり読まないんだけど、話題となると触れたくなるのミーハーなんだろうな。

あと装丁が良い。カバーってほんと大事電子書籍勢力を拡大する時代でも。

Self-Reference ENGINE

円城塔作。これも図書館で見つかったので購入×。

余談だけど、文庫最近出た同じ作者の『文字渦』が面白かった。これもボルヘスっぽくて、あとは異様な世界をぎちぎち理屈と設定で詰めていくのが酉島伝法ちょっと入ってるかも。

文学少女対数少女

中国ラノベ。×。

同じタイトル、同じ内容で日本発だったら手に取らなかっただろうと思うのは、なんとなくラノベ基本的卒業したつもりでいるから。

そんな中で、中国ラノベってどんなもんや、って動機で気になったんだと自己分析する。こういうところに自分の変ないびつさを感じる。

イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』

購入×。

ちなみに早川戦争ものというと、『ブラックホーク・ダウン』の原作を思い出す。上下巻でサイズはあるけど、グズグズの市街戦疲弊する現地部隊と混乱する司令部、隊員たちが基地で過ごす日常描写が様々なコントラストを描いていて、それが果てしなく悪化して正義の上っ面さえまともに繕えなくなっていく様子が素晴らしい。激烈に面白いかおすすめ

アメリカンブッダ

購入◯。ケレン味◯。あと、何気に南方熊楠×SFって目新しい? めちゃ相性良いと思うんだけどな。

『なめらかな世界と、その敵』『楽園とは探偵の不在なり』『月の光』『地下鉄道』『紙の動物園』『少女庭国』

×。どれも少し予約待ちすれば借りられそう。

気になってた本の半額セールが来る頃には図書館貸し出し予約もピークを過ぎている、ってことなんだな。と変テコなさとりを得る。

『禅とオートバイ

購入◯。タイトルで惹かれ、説明書きを読んでも何がなんだかわからないところにさらに惹かれ…。なんとなく予想はしていたが、図書館にも在架なしということで、買うことにした。

なんだよ、買わねー作品ばっかりじゃねえか、ってなんとなく心苦しくなってきたので、今回セールになっている作品の中で、すで購入して良書だった本のPR

①『サルたちの狂宴』

twitterFacebookと後の世の巨大SNS企業を舌先三寸で渡り歩いたウェブデザイナードキュメンタリー当人技術力や創造性よりも機転とノリで生きてるタイプで、ほんとに虚飾&虚業って感じなんだけど、イヤミじゃなくそれも生きてく上で本質的重要スキルだと実感させるところがある。最近ノってる『トリリオンゲーム』にもちょっといかも。

②『オクトローグ』

新刊からもっとプッシュすればいいのに。酉島伝法SF作品集

初期の弐瓶勉漫画みたいな、ダークで無機的な荒廃と有機的などろどろぐちゃぐちゃがミックスされた至高の雰囲気。全編、Steamあたりで即でゲーム作品に展開できそうなくらい個々の完成度が高い。っていうか、このレベルでそれぞれを長編として起こさない酉島伝法には創作におけるコスパって概念がないのか? と思ってしまう。どうかしている(褒めてる)。

③『ジェイバード

ヴォネガットというとSF作家イメージが強いと思うが、それ以外の作品にも素晴らしい小説がある。『ジェイバード』はその一つ。

年齢を重ねることで区別されてくる人間類型の一つに、他人感情をむき出しにして触れ合うことができない者がいる。いわゆる「心が冷たい」人。

俺は、文学の使命の一つはこの「心が冷たい人」を救うことだと思ってる。『ジェイバード』はそういう本。漱石好きな人とか意外とハマると思う。

閑話休題

『目を擦る女』

購入◯。最近亡くなった小林泰三作品集。有名な『玩具修理者しか読んだことがなかったので。

毒々しくも可憐笹井一個の表紙が目を引く。装丁ってやっぱり大事だね(そういえば、この方も故人だ…)。

『死亡通知書 暗黒者』

×。中国ミステリだそうだ。俺の生活圏の問題か、SF比較するとあまり話題に入ってこなかった印象がある。

『息吹』といい、早川はこういうデザイン装丁好きだね(良いとは思う)。

『華竜の宮』

×。椎名誠の『水域』といい、小野不由美の某作品エンディングといい(ネタバレなので名前は伏せます)、文明は水没させてなんぼ、みたいなところが俺の中にある。

『色のない島へ: 脳神経科医のミクロネシア探訪記』

×。あんまり趣味はよくない、と知りつつ、孤絶した文明と足で暮らす人々の特異な体質というテーマが好き。

似たような切り口で面白かったのは、『眠れない一族――食人痕跡殺人タンパクの謎』。不眠症クールー病ニューギニアのある部族罹患する風土病)、同族食によって体内に蓄積されるプリオンテーマの本。

『透明性』

×。これも装丁で気になったパターン

ボーダーつの世界

購入◯。映画原作だそうで。図書館には在架なし。

ふと思い出したのが、別の作家の『全滅領域』。あまりダウナーなので続編の『監視機構』で挫折したが、知らない人で『ソラリス』みたいな内省的なSF好きな人はハマるかも。

世界誕生日

購入◯。そろそろル・グウィンに挑戦してみるか、ということで。

ただ、SFを露悪と飛び道具で評価するところが強くて思想性は最後1%出てくればいいや、という性格なので、どうかな。合わないかもな。本当に一冊も読んだことがないから見当がつかない。

ホーキングブラックホールを語る』

×。「そんなに黒くない」「毛がない」…なんのこっちゃ?(amazon説明ママ

興味はあるけど挫折する可能性高いよなあ…と思っていたら、見透かしたように「必ず読み通せる科学解説」とまで書かれていて笑ってしまった。

『100年予測

×。国際情勢にフォーカスし、トランプ大統領誕生予言したという本。

紛争でしたら八田まで』が個人的に来ているのもあって、俺の中でいま地政学が熱い。

『史上最大の発明アルゴリズム

×。

わかるようでよくわかんねー概念を三つ挙げろと言われたら、エントロピー不確定性原理の次にアルゴリズムを挙げる。ちゃん理解している人からすれば何を頭の悪いことを…という感じなんだろうけど。ここらでしっかり説明できるようにしておきたい。

ちなみに、よくわからんと言っておきながらアルゴリズム関連で面白かった本に、『マインドハッキング: あなた感情支配し行動を操るソーシャルメディア』と『ニュー・ダーク・エイジ』の2冊がある。前者は政治的煽動目的として展開されたSNS経由のターゲッティング思想誘導後者テクノロジーの発達が不本意に実現してしまった笑えないナンセンスグロテスクテーマだった。

結局、買わないでも借りればいいか、ってのがかなり多くなっちゃったな。最後に、今回のセール対象ではないけど早川から出ている本で「ちゃんと」買った良書を紹介して茶を濁しておきます

①『魔王: 奸智暴力サイバー犯罪帝国を築いた男』

まれ想像力合理性を持つ天才。強欲と自らでさえ使い捨ての駒のように扱うむなしさが同居する矛盾したパーソナリティ。「これをああしたらどうなるか」をプログラミングだけでなく現実世界に反映させてしまったエンジニアにして犯罪者ポールコールダー・ル・ルーを追ったノンフィクション

犯罪ものであると同時に、この世界構造の一端が見えるような錯覚を抱かせてくれる作品

②『闇の自己啓発

反出生主義、変態性愛身体改造犯罪など、アンダーグラウンドだったりインモラルテーマについて、決められた課題図書を通じて参加者たちが議論する体裁の本。内容それ自体面白いけど、紹介されてる本が豊富で、そこから派生して読書体験けっこう広がる。

読んでて、最初は「自意識過剰過ぎてわけわかんなくなっちゃった大学生みたいだなー」ってイライラすることもあったんだけど、段々、各人の痛切なところとか博覧強記ぶりが見えてきて後半は感心しきり。面白い。続編読みたい。

以上です。

2019-04-15

東大入学祝辞琴線が触れた人

アーシュラ・K・ル・グウィンの『左利き卒業祝辞』も、どうか読んでくれ。

きっと損はさせないから。


追記

祝辞を読んだ後に「これ、ル・グウィンじゃん!!」って気づいて興奮してたら、出典書くの忘れてました。

リンクを張ってくれた増田さん、ありがとうございます。お手数おかけしてすみませんでした。

原文は岩波現代文庫の『夜の言葉にのってます

よろしくねがいします。

2019-01-17

anond:20190117000412

梨木香歩ル・グウィンいいですね。綺麗ですね。

山内さんって何書いた人ですか?

2014-05-11

http://anond.hatelabo.jp/20140511043102

なるほど。参考になったよ。

ぼくはいま、ル・グウィンのような本格ファンタジーに(小学生にはやや難しい。中学生以上向け)、バルザックゾラドストエフスキーあたりの大衆文学古典を混ぜたような(ストーリーのわかりやすさを意識)、テーマとしては言語哲学認知言語学カバラを混ぜたような小説書いてるんだけど、ほんと全然読まれないんだよね。そもそも第1話アクセスがないので、目次ページしか見られてないんだ。本文読まれて「つまんね」って切られるなら、自分の実力不足ってわかるんだけど、読まれてすらいないからほんと悲しい。

からつぎ書くときは「なろう」の人気ネタに乗っかろうかなと思った。

2008-09-23

http://anond.hatelabo.jp/20080923035510

確かに似たような話は結構あるよね。

そもそも、問題になっている「全体の利益のために誰かを殺す制度」が、星さん独自の発想なのかも微妙。『生活維持省』の数年前に海外SF既出とかいう話もあるみたいだ。国内にも類似した設定の作品は多い。

海外SFだと、ル・グウィンの「オメラスから歩み去る人々」がそういう設定を使っているらしい(フォーカスを当てる部分はまた少し違うのだけど)。「生活維持省」とこちらで、初出がどちらが先かまでは自分にはちょっとわからないのだけど、きっともっと昔にも同種の設定を使った作品というのはあったんだろうな。創作を評価するときは、パクリかどうかはひとまず置いておいて、その作品の中で何を表現しようとしたか、それがどの程度表現されているかを評価する…という方が健全なような気はする。

イキガミは未読なので何とも言えないけどさ。

追記:もう少し調べたところ、生活維持省1960年で、オメラスは初出が1973年らしいので、一応星新一の方が古い、ということが判明。

   まあ、発言の趣旨は特に変わらないんだけどね。アイディアでなく、その調理法をこそ評価すべき。

 
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