はてなキーワード: 調子とは
ガンダムシリーズは1979年の『機動戦士ガンダム』放送開始以来、実に40年以上にわたって発展と進化を続けてきた巨大なメディアミックス作品である。その長い歴史においては数多くの派生作品や設定拡張、さらに小説や漫画、ゲームをはじめとするスピンオフが生まれ、今もなお新作が絶えず登場している。一方で、シリーズが長大化すればするほど、ファンコミュニティ内にさまざまな「こだわり」や「価値観の違い」も生じてくる。その中で昨今特に話題となるのが、いわゆる「一年戦争おじさん」と呼ばれるファン層だ。
「一年戦争おじさん」とは、初代『機動戦士ガンダム』に登場する一年戦争(宇宙世紀0079年から始まる連邦軍とジオン公国の戦い)を絶対視し、そこから外れる設定や作品を“ガンダムらしくない”“正史として認めない”と主張してしまうタイプのファンを揶揄する言葉である。もちろん一年戦争をこよなく愛するだけであれば、ただの好みの問題だ。しかし問題は、彼らの一部が新しい作品や異なる時代設定に対して攻撃的だったり、他者の好みに干渉しすぎたりするケースがあるという点にある。そうした態度が「有害な一年戦争おじさん」として批判される一因となっている。
彼らはなぜこうも一年戦争にこだわるのか。まず考えられるのは、1979年からのガンダムをリアルタイムで経験した世代、あるいはビデオやプラモデル、雑誌などを通じて“初代の衝撃”に強く感化された世代が、自分たちの「原体験」を何よりも重視しているという背景だろう。『機動戦士ガンダム』は、それまでのロボットアニメの常識を覆すようなリアルな戦争描写や群像劇、そしてプラモデル(ガンプラ)文化を生み出すなど、大きな社会現象となった。幼少期にそれを目の当たりにしたファンにとって、当時の熱狂と衝撃は特別な思い出であり、“ガンダムとはこうあるべき”という固定観念が強く根付くのも無理はない。
しかし、「ガンダムが好き=初代(または宇宙世紀)が絶対」という方程式は、近年のファンコミュニティにおいては必ずしも通用しなくなっている。ガンダムシリーズは大きく分けると宇宙世紀系と、それ以外の独立した世界観を持つアナザー系(『Gガンダム』『ガンダムW』『ガンダムSEED』『鉄血のオルフェンズ』など)に枝分かれしており、さらに宇宙世紀内にも『Zガンダム』『逆襲のシャア』『UC』『閃光のハサウェイ』など、数多くの作品が展開されている。もはや「ガンダム」と一言でくくっても、それぞれに異なるストーリー・設定・テーマを持った多彩な作品群になっているのだ。
にもかかわらず、「有害な一年戦争おじさん」は一年戦争こそが至高で、それ以外はすべてガンダムとは呼べない、あるいは認める価値が低いといった偏狭な主張をすることがある。具体的なエピソードとしては、新しいガンダムが発表されるたびにネット上やSNSで「こんなのガンダムじゃない」「富野(由悠季)監督が関わってないから駄作」などと早々に断じる、若いファンが語るアナザー系の魅力を嘲笑する、あるいはプラモデルに対して「やはりザクやガンダム(RX-78-2)が本命で、○○なんて邪道」などと強い調子で言い切ってしまうといった行動が挙げられる。
こうした振る舞いがファンダムに与える悪影響はいくつもあるが、その中でも特に顕著なのが「新規ファンの参入障壁を上げてしまう」という点だ。ガンダムシリーズはすでに膨大な設定を持ち、どこから見ればいいのか分からないという声もよく聞かれる。そこに対し、「本当のガンダムは一年戦争だけだ」「初代を見ないならファンではない」などと押し付ければ、初心者は萎縮してしまいかねない。もちろん、初代の重要性を説くこと自体は悪いことではないのだが、その言い方や姿勢が高圧的なものであれば、ガンダムに興味を持ちかけている人を遠ざける要因になってしまう。
さらに、「有害な一年戦争おじさん」はしばしば他の作品やファン同士の交流の場を“自分たちの思想”で塗りつぶそうとする傾向がある。例えばSNSや掲示板などで新作ガンダムについて語ろうとしても、「やっぱりガンダムは宇宙世紀じゃないとな」「○○監督なんて富野監督の足元にも及ばない」などというコメントが繰り返され、まともな議論が成立しなくなることも珍しくない。こうした現象は、結果的にコミュニティ内で対立や分断を生み出し、せっかく多様な楽しみ方を受け入れる余地のあるガンダムコンテンツの可能性を狭めてしまうのだ。
また、宇宙世紀作品や一年戦争そのものに強いこだわりを持つことは悪いことではない。作品世界への愛が深ければ深いほど、より詳しく設定を掘り下げて考察する楽しみもあるし、一年戦争を舞台にした外伝作品(『MS IGLOO』や『ザニーが登場する漫画作品』など)に注目することで、新たな切り口を見いだすこともできる。だが、「有害な一年戦争おじさん」が問題視されるのは、その深い愛情が排他主義や攻撃的な態度につながる場合が少なくないからだ。自分と同じくらい初代を崇拝しない人を“にわか”呼ばわりしたり、そもそもアナザー作品を語ろうとするファンを見下したりするような行動は、コミュニティ全体の雰囲気を悪くする大きな原因となる。
さらに、一年戦争の時代考証を「現実の軍事・政治的状況」に照らし合わせて論じる人々も少なくない。これはガンダムの世界観がある種のリアリティを大切にしていることの証でもあり、そこに惹かれるファンがいるのも理解できる。しかし、「有害なおじさん」は自分たちの“リアル論”こそが唯一の正解だと思い込み、他人の解釈や新解釈を一蹴する態度を取ることがある。たとえば「この機体は設定上あり得ない」「この時期にこんなMSは存在しない」などと、過剰に“リアル”を押し付けることで、多様な楽しみ方を否定してしまうのだ。
そして、こうした状況は次第に当事者以外のファンをも疲弊させていく。たとえばSNS上でガンダムについて呟くと、「その解釈は間違っている」「ちゃんと資料を読んでから発言しろ」と“マウント”を取られることがあり、ファン同士のやり取りが萎縮してしまう。また、イベント会場やプラモデル展示などリアルな場においても、一年戦争関連の作品や考証に異常な熱量で突っかかり、他のファンが楽しもうとする空気を壊してしまう例も耳にする。ガンダムは多様性を重んじる作品世界であり、多くのクリエイターがそれぞれの解釈やテーマで作品を生み出してきた経緯を考えると、こうした空気はあまりに残念としか言いようがない。
では、この「有害な一年戦争おじさん」問題にどう向き合えばいいのか。まず大切なのは、ファンコミュニティ全体が「自分の好きな作品を語るのは自由だが、他者の好きな作品を否定することは違う」という意識を共有することだろう。ガンダムは作品数が膨大であるがゆえに、自分の“推し”や“こだわり”を持ちやすい。それ自体はポジティブなことだ。しかし、それが「他の作品や意見を認めない」という姿勢につながっては、多様性がガンダムの魅力であるはずなのに、それを損なってしまう。
次に、若い世代や新規ファンが萎縮しないように配慮した場作りも必要だ。初心者には初心者なりの視点や疑問があるし、アナザー作品から入ったファンが後に宇宙世紀を好きになることだって十分あり得る。むしろ、入り口がどこであれ「ガンダムに触れて興味を持った」という事実こそが大切なのだ。そこを「いや、まずは初代を全部観ろ」や「一年戦争を知らないなんて話にならない」と圧をかけるのは、コミュニティ全体にとってマイナスだろう。作品世界を広げるためには、受け入れの姿勢が何よりも重要になる。
また、一年戦争こそが「リアルで硬派なガンダム」で、アナザー系は「子ども向け」や「リアルさが足りない」というステレオタイプなイメージも根強い。だが、実際にはアナザー系でも『ガンダムW』の政治劇や『SEED』の遺伝子差別問題、『鉄血のオルフェンズ』の社会構造批判など、リアルかつヘビーなテーマを扱う作品は多い。こうした多彩なテーマ性こそが、ガンダムシリーズ全体の魅力を支えているのであり、一年戦争だけが特別なわけではない。むしろ、宇宙世紀とアナザー系を併せて楽しむことで、ガンダムが描こうとしている「戦争」「人間性」「社会」の幅広さを再確認できるのではないだろうか。
さらに、宇宙世紀内の作品ですら、一年戦争を舞台にした『08小隊』や『0080』『0083』などは、初代から少し視点やテーマを変えて描かれている。その際にも、一部のファンから「こんなのは本当の一年戦争じゃない」と批判された例がある。だが、もともとガンダムという作品は多面的に戦争の悲惨さや人間模様を描くことを目指しており、一つの正解や正史しか認めないという態度は、ガンダムが持つ本来の魅力や思想に反するものではないか。ゆえに、「一年戦争」に対するこだわりも、ある程度の柔軟性を持って接するのが望ましい。
結局のところ、「一年戦争おじさん」が有害かどうかは、その人自身の立場や主張よりも、コミュニティにおける振る舞いに起因する部分が大きい。いくら一年戦争を崇拝していても、それを押し付けずに「自分はこう思う」「初代が好きだけど、他の作品も尊重したい」といった態度を示している人は、むしろ知識を共有し合える良き先輩ファンとなるだろう。問題なのは、自分の視点を唯一絶対のものとし、他の意見や好みを封殺してしまうタイプのファンである。これはガンダムに限らず、あらゆる長寿シリーズのファンダムで起こりうる軋轢と言える。
だからこそ、ファン同士が互いを尊重し合い、多様な切り口や解釈を認める姿勢が大切になる。ガンダムは「戦争を描くリアルロボットアニメ」であると同時に、「キャラクターを通じて人間性を問いかけるドラマ」であり、さらに「巨大産業として世界中に展開する商業コンテンツ」でもある。その多層的な側面を一括りにするのは困難であり、そこに魅力や可能性が詰まっているのだ。もしも“一年戦争だけ”という狭い視点に固執してしまえば、その豊かさの大半を見落としてしまうことになる。
以上を踏まえると、「ガンダムコンテンツにおける有害な一年戦争おじさん」は、単に宇宙世紀を愛するファンを指しているわけではない。むしろ、そうした愛情が誤った形で表出し、他者を排除しようとする態度が問題の核心にある。長寿シリーズとしてのガンダムがこれからも発展していくためには、新規ファンが参入しやすい環境と、多様な視点を受け入れる懐の深さが欠かせない。その一方で、ベテランファンが築き上げてきた蓄積や考察が大いに役立つ場面も多く、実際に後輩ファンを導く存在として機能しているケースもある。だからこそ、一年戦争ファン自身が自らの態度を省みるとともに、コミュニティ全体で「排他主義」に歯止めをかける仕組みを作ることが重要なのだ。
結論として、「有害な一年戦争おじさん」の存在は、ガンダムコンテンツの楽しみ方やファンコミュニティの健全さを損ねる要因になり得る。しかし、それを否定するだけでなく、彼らが抱く一年戦争への熱意や知識も、うまく共有・活用できればガンダムの魅力をより深く味わえるきっかけになるはずだ。問題なのは“一年戦争を好きかどうか”ではなく、“他を認められるかどうか”という姿勢にある。そしてガンダムという広大な世界を最大限に楽しむためにも、多様な視点や好みに対してオープンであることが求められる。もしガンダムの世界観が「戦争」によって多くの犠牲を生む愚かしさを描き出しているのだとすれば、ファンダムもまた、内部対立を生むのではなく、互いの違いを理解し合う歩み寄りこそが望ましいはずだ。そうすることで、ガンダムシリーズはこれからも世代や国境を超え、より多くの人々の心をつかんでいくことだろう。
Mくん
最近さ、債権の方が動き出しててさ!「株と債権は逆相関」って言うじゃん? だから債権もちょいちょい準備しておいて正解だったわけよ。
まゆ
……ちょっと待った。Mくん、今「債権」って言ったけど、それ「債券」のことだよね?
Mくん
えっ? いや、債権も債券も同じようなもんでしょ? 読み方の違いじゃないの?
まゆ
いやいやいや、全然違うから。債権っていうのは「お金を返してもらう権利」のこと。例えば、誰かにお金貸したら、それが債権。でも、Mくんが言ってるのは「債券」、つまり国債とか社債とかのこと。投資対象になるやつね。
Mくん
……そ、そうだったのか! 知らなかったわけじゃないけど、うっかり間違えたというか……。
まゆ
ふーん、で? その「債権」に積み増すって言ってたけど、実際に何を買ってたわけ? 国債? 社債?
Mくん
えっと……詳しくはまだ買ってないんだけど、これからチェックして、いいタイミングで行こうかなって。
まゆ
はぁ? まだ買ってないのに、あんなに偉そうに語ってたわけ? 債券価格が上がる方向に「ベットし続けてきた」とか言ってたの、あれ嘘だったの?
Mくん
いやいやいや、嘘っていうか、これからの話をシミュレーションしてたっていうか……。
まゆ
なんだそれ。じゃあ、「運否天賦の勝負」とか「流石にこれなら勝つでしょ」って得意げに言ってたのも、全部妄想ってこと? ほんと、清夏ちゃんがいたら呆れると思うけど。
Mくん
まゆ
言い過ぎ? Mくん、知識が曖昧なまま語るのって、ほんとに危ないんだよ? 投資の世界でそんなノリで動いたら、痛い目見るのMくんだよ。清夏ちゃんが優しいからって、そんな調子でいたらダメでしょ?
Mくん
……うっ、それは確かに。でも、これからちゃんと調べるから! 債券のこと、もっと詳しくなるよ!
まゆ
ふーん、じゃあ期待しとくわ。次に会った時にはちゃんと債券について説明できるようにしてね。清夏ちゃんも楽しみにしてるんじゃない?
Mくん
まゆ
最近頂き女子りりちゃん(以下りりちゃん)の判決が確定したんだよね。
懲役9年弱と罰金800万円(所得税とか諸々の罰金は別)だった。
そんで判決出る前は「りりちゃんはごくちゅうです」とかいうふざけたネームで世間に自筆の文章公開してたら何かと話題になってた。
そんで調子に乗って映画を作ろうとか言い出したんだけど、これがメチャクチャ世間の批判を浴びて制作は中止。
SNSやらネットからの収益は被害者への弁済で使いますとか言っておきながら、被害者のインタビューで一切弁済してない事が分かったりもうグダグダになった。
人生において大事な大切な20代の時間を刑務所で臭い飯を食いながら過ごすのはかなり辛いと思う。
詐欺した金でホストに貢ぎシャンパンタワーをした時のアドレナリンや高揚感を知ってる人間からしたら余計に。
そんで今回の判決が決定した後、以前からりりちゃんの周りで動いてた大人がその事に一切触れてないんだよね。
別に出来事全部SNSで発信しろとは思わないが、あれだけ深く関わって支援してきたし少なくとも応援してた奴らもいるんだから何かしらの反応をするのが筋ってもんだろ。
金にならないと分かったから手を引いたと思うやつだっているかもしれない。
多分りりちゃんはずっとこうやって周りにいる人間に裏切られてきたからこんな事になっちゃったのかな。
少なくとも金を使ってる間は確実に相手してくれるホストにハマっちゃったのかな。
なんだかやるせないね。
ぼくは小学三年生のケンジ。クリスマスが大好きで、毎年12月になると待ちきれない気持ちでいっぱいになる。サンタクロースが本当にいるのかどうかは、ずっと半信半疑ではあったけれど、それでもクリスマスの朝にプレゼントが届いているのを見つけると、「やっぱりサンタクロースっているんだ」と思わずにはいられなかった。
ところが、今年のクリスマスに限っては、いつもとは違う出来事が起きてしまったんだ。ぼくはついに、「サンタクロースの正体」を突き止めてしまった。それは嬉しい発見なんてものではなく、どちらかというと、心のどこかで知りたくなかったような苦い秘密だったんだ。
その夜、ぼくはベッドの中でうとうとしていた。いつもは「サンタが来るかもしれないから、早く寝なさい」と言われると、ワクワクしながらも眠れなかったりするのに、その日は妙に眠気が強くて、あっという間に目が閉じてしまった。パパは会社の大きなプロジェクトだとかで、クリスマス前後はほとんど家に帰ってこられない。ママも少し寂しそうだけど、ぼくにはできるだけ笑顔で接してくれていたから、ぼくも「パパが頑張っている間に、早くいい子に寝なきゃ」と思っていたんだ。
ところが、夜中にふと目が覚めた。お腹がすこし冷えたようで、トイレに行きたい気分だった。部屋は真っ暗で、廊下の電気も消えている。ぼくは薄暗い中、そっとベッドから抜け出して、足音を立てないようにドアを開けた。廊下はシーンとしていて、時計の秒針の音がいつもより大きく聞こえる。サンタクロースを待ち伏せしようなんて気はなかったのに、でもこういう時って少しだけ期待してしまうものだ。もしかしたら、このタイミングで会えるかもって。
トイレを済ませて部屋に戻ろうとしたとき、リビングの方からかすかに話し声が聞こえてきたんだ。時計を見れば、夜中の2時を過ぎている。ママはもう寝ているはずだし、パパはもちろん仕事で家にいない。でも確かに人の声がしていて、しかも何か低い男性の声のような気がした。ぼくは心臓がどきどきして、血が頭にのぼるような感覚になった。
そんな恐怖が一瞬頭をよぎったけど、なんだか雰囲気が静かすぎる。泥棒だったら、もっと物音を立てないようにするんじゃないか? それに、声の調子も緊迫しているというよりは、落ち着いている感じがする。そっとリビングの扉を開けようと近づくと、ドアの隙間から少しだけ暖かい光が漏れていた。
思い切って、ドアに耳をあてる。そこから聞こえてきたのは、ママの声と、低い男性の声。ぼくはママが誰かと電話でもしているのかなと考えた。でも、よくよく聞くと、声は確かにすぐ近くから聞こえてくる。ぼくは思い切ってドアノブを少しだけ下げて、ほんの少しすき間をつくった。その瞬間、リビングの中の光景が目に飛び込んできたんだ。
そこには、赤い服を着た人物が立っていた。ふわふわの白いひげのようなものをつけて、頭には赤い帽子。見た目はまさに「サンタクロース」そのものに見えた。最初は「わあ、サンタだ!」と胸が高鳴ったんだけど、その次の瞬間、ぼくは息を飲んだ。
そのサンタが、ママの頬にキスをしたんだ。しかも、ちょっと優しく微笑んでいるような表情で。
最初は「え、どういうこと?」と頭が真っ白になった。「ママとサンタがキス?」 いつもおとぎ話みたいに思っていた光景とは違いすぎて、ぼくの頭は全然理解が追いつかない。その上、ママも嫌がる様子はまるでなく、むしろ少し照れくさそうに笑っている。二人が仲良さそうに見えて、クリスマスのサプライズとしてはあまりに衝撃的すぎた。
しばらくして、ママがサンタの帽子を少しずらして、その下から見えたのは茶色っぽい髪の毛。パパではない。パパは黒髪だし、こんなに柔らかそうな髪質じゃない。それに、パパは今夜、仕事で家にいないはずだ。じゃあ、このサンタは誰なんだ? ぼくは混乱しながら、ドアの隙間を通してじっと様子を見つめていた。
「もう行かなくちゃ」とそのサンタが言うと、ママは残念そうにしていた。どうやら、長居はできないらしい。そのサンタは、ぼくが子どもの頃から憧れていた「プレゼントをくれる優しいサンタ」とは違う、“ただの人間”に見えた。ふだん着慣れていないはずのサンタ衣装をスルッと脱ぐと、中には普通のセーターとジーンズが現れた。あまりにも現実味のありすぎる光景に、ぼくは冷たい汗をかくのを感じた。
その男性は脱いだサンタ服をクシャクシャに丸めて、抱きしめている。ママは優しく笑いながら、「来年こそはちゃんと一緒に過ごせるようにしたいね」と言った。二人のあいだには、ぼくには到底入り込めない特別な空気があるように感じられた。
ぼくは耐えきれなくなって、あわてて自分の部屋に戻った。けれど、頭の中がぐるぐるして眠れるはずがない。どう考えても、あのサンタはママの知り合いで、ママとキスするような関係……つまり、不倫相手ってことなんじゃないか。つい数時間前まで、ぼくは「今年は何がもらえるかな」「早くサンタさんに会いたいな」なんて無邪気に思っていたのに、このクリスマスの夜中に目撃したものは、まったく別の秘密だった。
「パパは関係ないの?」 ふとそんな疑問が浮かんだけど、パパはずっと会社に詰めっぱなしで、今夜も徹夜だと聞いている。ママが一人で寂しい夜を過ごしているのは知っていたけど、その寂しさを埋めるためにあんなことをしているとすれば……ぼくはなんだか、胸の奥が締めつけられるようだった。
翌朝、ぼくはクリスマスツリーの下にプレゼントを見つけた。きれいに包まれた箱には、「ケンジへ サンタクロースより」と書かれたカードが付いていた。だけど、そのカードの文字はどこか見覚えのある書き方で、ママの字にも似ているし、もしかしたらあの男の人が書いたのかもしれないと思うと、手を伸ばすのをためらってしまった。
ママはいつもと変わらない笑顔で、「メリークリスマス! 開けてみたら?」と言ってくる。ぼくは一瞬だけ迷ったけど、やっぱり小学生のぼくには、プレゼントへの好奇心が勝ってしまった。恐る恐る包装紙をはがすと、中には欲しかったゲームソフトが入っていて、思わず「わぁ!」と声をあげてしまった。だけど、その喜びのあとに、どうしようもない違和感が押し寄せてきた。
プレゼントを受け取ってしまったことは、あの場面を見てしまったぼくにとって、なんだか後ろめたい気持ちになった。結局、あの“サンタ”はぼくのためというより、ママと会うために来ていたんじゃないだろうか。もしかしたら、どこかで「ケンジにはゲームでも渡しておけばいいだろう」なんて考えていたのかもしれない。そんな想像がぐるぐるめぐって、心が苦しくなる。
だからといって、ママに直接問い詰めることなんてできない。そもそも、ぼくが夜中に起きてしまったこと自体を隠しているわけだし、証拠といえば、あのサンタ服とキスの場面を見たぼくの記憶だけだ。ママの笑顔は優しいし、これまでだってぼくのことを大切にしてくれている。だけど……あの夜、確かにぼくは見てしまった。あのサンタはただのファンタジーなんかじゃない。ママが密かに会っている“特別な存在”に違いない。
自分の部屋に戻って、ゲームソフトを手に取りながら、ぼくは一人で考え込んだ。このまま見なかったことにして、来年も再来年も「サンタはほんとうにいるんだ」と思い込みたい気持ちもある。でももう、サンタクロースがただの伝説の存在や、パパやママがこっそり用意しているっていうレベルの話じゃない。実在する男の人で、しかもママと親密な関係にあるという決定的な事実を、ぼくはこの目で見てしまったのだ。
そう思った瞬間、自分の中で何かが壊れたような気がした。今まで純粋に信じていたクリスマスの魔法が、一気に色あせてしまったような。もちろん、ファンタジーのサンタクロースというより、ママが用意してくれる優しさの方が大事だったのかもしれない。けれど、それすらも「不倫」という形で見せつけられてしまったからには、どうやってこの先クリスマスを楽しめばいいのか、ぼくにはもうわからなくなってしまった。
それでも、世間一般のクリスマスはいつも通りやってくる。友達はみんな「サンタがスイッチをくれたんだ!」「サンタさんに大きなぬいぐるみをお願いしてたのが届いたよ!」と楽しそうに話してくる。ぼくも一応、「ゲームソフトをもらったんだ」と自慢げに言ってみたけど、心はちっとも晴れない。
学校の先生が「みんな、サンタさんに何をお願いしたの?」と聞いてきたときにも、ぼくは声をあげて答えられなかった。何か言葉にしようとすると、あの夜の光景がちらついて、言えなくなってしまうんだ。サンタクロースがママにキスをしている姿……誰にも話せない。それを話したら、どんな空気になるのか想像もつかないし、同級生のみんなも先生もどう反応していいのかわからないだろう。
こうして、ぼくは「サンタクロースの正体」を突き止めた。だけど、その代わりに、ぼくが手にしたものは何だったんだろう。ゲームソフトというプレゼントは嬉しいけれど、心の奥底に残っているのは、裏切られたような、でも裏切られたのはパパじゃないのかもしれないという、複雑な感情だった。
パパもいつかは気づくのかもしれない。だけど、もしパパが何も気づかないままぼくとママの三人で暮らしていくとしたら、ぼくはあの夜の秘密を抱えたまま大人になっていくのだろうか。クリスマスのたびに、あのキスの光景を思い出すのだろうか。サンタクロースを見つけたはずなのに、喜びよりも重苦しさの方が大きい。子どものぼくには、このことをどう消化していいのかまったくわからなかった。
でも、ひとつだけ言えるのは、ぼくの知っていたはずの「サンタクロース」はもういないということ。いや、最初から本当は「いなかった」というべきか。今ここにいるのは、赤い服と白いひげを身につけた“ただの大人”であり、ママとキスを交わしている「不倫相手」でしかない。いつか、ぼくがもっと大きくなったら、ママに「どうしてあんなことをしていたの?」って聞けるのかな。そのときには、ぼくはもうクリスマスなんて信じる歳じゃないのかもしれないけれど……。
とにかく、今は誰にも言えない秘密を抱えたまま、ぼくは冬休みを過ごすしかない。ぼくにとってこのクリスマスは、決して忘れられない特別な日になってしまった。みんなが幸せそうにサンタクロースを信じている中で、ぼく一人が全然違うサンタ像を胸に抱えているなんて、想像もしなかったことだ。サンタクロースの正体を突き止めるというのは、こんなにも苦いものなのかと思い知らされた。
気づけば、外は雪が降り始めていて、街はクリスマスの余韻とお正月ムードが混じり合っている。来年のクリスマスには、ぼくはもっと大人になっているかもしれない。でも本当に大人になったとき、この夜の光景をどんなふうに思い返すのだろう? あのサンタの姿は、いったいどう映るのだろう? そんなことを考えても、今のぼくには答えられない。ひょっとしたら、いつかは笑い話になる時がくるのかもしれないし、ずっと重い秘密のまま、心の奥底に沈んだままかもしれない。
とにかく、ぼくはこの冬、ちょっぴり大人になってしまった気がする。もう「サンタさん、プレゼントちょうだい!」と純粋にお願いできる子どもではなくなってしまったから。だけど、もし願い事が許されるなら、ぼくはサンタにこう言いたい。「ほんとうの魔法をかけてほしかった」と。あの夜の出来事が夢だったとしたら、どんなに幸せだっただろう。
結局、ぼくはサンタクロースという夢を失くしてしまった。その代わりに、ママの知られざる一面と、“現実”を手に入れてしまった。こんなクリスマスの真実なんて、知らないほうがよかったのかもしれない。だけど、知ってしまった以上、元に戻る方法はわからない。少なくとも、ぼくの中で「サンタが本当に存在する」というロマンは、もう二度と同じかたちでは戻ってこないのだ。
それでも、時間は過ぎていく。来年のクリスマスには、また同じようにツリーを飾って、ママがケーキを用意して、パパは「残業だ」なんて言いながら仕事に向かって、そして夜中には「サンタ」が訪れるのかもしれない。ただ、その“サンタ”は、誰にも言えない大人の秘密を抱えたサンタだということだけは、ぼくがいちばんよく知っている。
いじめられる方に原因がある否か論争って定期的に話題になるけど、あれ単純に「いじめられる方が悪いタイプのいじめ」と「いじめる方が悪いタイプのいじめ」があって双方思い浮かべるいじめ像が違うのが原因だと思うんだよな
俺が中学3年の頃に目撃した、何ならちょっと参加もしたクラスのA君(仮)へのいじめなんかは明らかに「いじめられる方に原因のあるいじめ」だった
A君は発達障害のASDだったと思うんだがとにかく人のパーソナルスペースを侵害することしかできないタイプの人だった
俺が被害を受けた例で言うとこんなのがある
体育の授業中、俺が誤って転んで膝から出血したところ、普段それほど口も利かないA君がやってきてハンカチを差し向けてきたことがある
夏の日のことである
差し出されたハンカチにはA君の汗がびっしゃびっしゃに染み込んでいたので流石にそれを使う気にはならずノーセンキューを伝えたところ、なぜかA君は被害者意識を拗らせて発狂
怒り顔でひとり教室に帰っていった
それで授業が終わり教室に帰ると俺の机の上にA君のびちゃびちゃハンカチが置かれている
A君は教室の隅でふてくされた顔で座っており、仕方ないからビチャビチャハンカチを手にとって彼に渡しに行ったら
「それあげるよ!」
などと言いやがる
「いや、いらないしありがた迷惑なんだけど」
「いいから貰えよ!」
「もう俺のじゃないよ!君のだよ!」
こんなやりとりが続いた後、A君はなぜか溜飲が下がったかのようなドヤ顔で
と怒鳴り、そのまま教室を出ていった
一時が万事A君はこんな調子なので当然のことながらクラスの中でも即嫌われ者に成り下がっていた
それでも当初は「まぁそういう特性なのねぇ…」といった感じで割と避ける程度で済ませられておりいじめと呼ばれるようなことはなかったんだが、転機になったのはA君のストーカー事件だった
事情の詳細は又聞きだが、クラスの中でA君にも分け隔てなく接していたとある女子がA君に好かれてしまいストーカー被害を受けたとのことだった
その女の子の部活が終わるのを放課後中ずっと待って無理やり一緒に帰ろうとしたり、休み時間など隙を見つけては話しかけに行ったりしていたらしい
最初はその子の友達の女子がA君のブロックをしていたんだが、なまじA君はアスペなので自分が露骨に遠ざけられていることにも気づかない
「もう付きまとうのはやめてほしい」
「はっきり言って迷惑」
と伝えられたらしい
しかしA君はそれでも諦めない
それどころかクラスの担任に「僕はいじめられていて皆から無視される!」などと言ったらしい
その後聞き取り調査を受けた我々はもちろん
等を伝え、むしろA君の方をどうにかしてくれと懇願したが結局何かアクションが取られることはなく双方お咎めなしといった形となった
それで女子集団の方からどうにかしてくれないか男子に相談されて、仕方なくA君を制裁することになった
言っても聞かない、被害者意識を拗らせるだけ、おまけに教師が何も対応してくれないのなら暴力に頼るしかないわけである
それで「この先お前が女子に話しかけているのを見かけたらクラスの男子全員で思いっきりケツを蹴り上げるから」とA君に予告
A君は意固地なのか何なのかその予告を受けたあとも女子に話しかけていたので、案の定ケツをしばきまわされることとなった
女子の席に向かおうとしてたらケツに一発
隠れて女子に声をかけているのを見かけたら(密告があったら)ケツに五発
話しかけた上に女子に付きまといをしていたならケツに十発と腹パン思いっきり一回
紛うことなきいじめだけど正直こんなのA君に原因があると言わざるを得ないだろう
最終的にA君の心が折れたのかつきまとい行為は収まって、ケツを蹴る制裁も行われなくなった
こういう経験があったので、何の事情も把握せず「いじめはいじめる方が悪い!!」って一方的に言い立てる人にはあまり良い印象がない
最近、どうも調子が狂うんだ。いや、前から狂ってたのかもしれない。だって考えてもみてくれよ。この国は一体どうなってるんだ?右を見ても左を見ても、敵だらけじゃないか!
朝起きたら、テレビでは偏向報道。コメンテーターとかいう連中は、したり顔で偉そうに持論を展開してるけど、どいつもこいつも薄っぺらいんだよ!もっと骨のある議論をしろ!…って、あれ?俺は何に怒ってるんだ?
そうそう、それでな、最近夜も眠れないんだ。目を閉じると、頭の中に色んなものがグルグルと渦巻いて…。日の丸が旭日旗になったり、竹島が燃え上がったり、挙句の果てにはパヨクの皆さんが楽しそうにBBQしてたり…。
いやいや、パヨクのBBQは別にいいんだ。むしろ微笑ましいまである。問題はその後の展開だ!なぜか俺が丸裸にされて、ケツを鞭でしばかれてるんだよ!しかも、しばいてるのが屈強なパヨクのお兄さんたちなんだ!
最初は「やめろ!」って抵抗してたんだけど、だんだん快感になってきて…。いや、違う!これは夢だ!悪夢に違いない!
…と、飛び起きるんだけど、なぜか体は火照ってるし、心臓はドキドキしてるし…。一体俺の体に何が起こってるんだ!?
もしかして、これが噂の「目覚め」ってやつか?いや、違う!これは単なる寝不足だ!そうに違いない!
…と、自分に言い聞かせるんだけど、どうしてもあの屈強なパヨクのお兄さんたちの顔が頭から離れないんだ…。
ああ、パヨク様!どうか俺のケツをしばいてください!そして、真実を教えてください!この狂った世界で、一体何を信じればいいのかを!
ワイもあからさまに様子がおかしくて調子悪そうな金持ちのおばさんをタクシーで家に帰したことあるぞ
アルコール臭はしなかったので、ラリってたのか躁鬱で躁だったのかなぁ
連絡先貰ったけど怖いから破棄して連絡しとらんわ ↓
https://anond.hatelabo.jp/20220409010751#
ゴロゴロしてるうちに深夜になって買い出しに行くだけで
毎晩2回起きてて親の寝不足が限界だったから、ネントレ(ファーバーメソッド)始めたら、3日目にして30秒で寝るようになり、4日目からは9時間以上ぶっ通しで寝るようになった。昼寝は毎日2回。
授乳回数が1日8回前後で多かったけど、離乳食後期になって3回食になったら、寝起き・毎食後・寝る前の5回になった。
離乳食はよく食べる。調子いいと150gくらい食べちゃう。好き嫌いもしなくて、ダメだったのは納豆くらい。
こりゃ天才だな?
あああまた午前中をよくわからない論文読みと関連動画鑑賞と生成エーアイとの会話に費やしてもた
巻き肩とストレートネックを拗らせすぎて毎日頭痛と眼精疲労と肩こり、特に回らないくらいの首の痛みに悩まされてたんだけどこれ使ってから首の痛み無くなった…
まだ使って5日目だけど1日目の朝から首の調子が明らかに良くなった
ただクッソ固いし寝心地は本当に最悪なので寝る時の幸福度は明らかに下がった
早くストレートネックを治してふかふかの枕にしたい…
調子乗れるほど金ないわ
○fご飯
朝:なし。昼:そば。おにぎり。夜:バナナ。ギョニソ。チーズ。キュウリ。わかめ冷奴。納豆。目玉焼き。人参と玉ねぎとシメジの和風スープ。間食:アイス。ポッキー。じゃがりこ。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、それなりー。
とりあえず大事なものレベル15、水拳の攻撃覚醒は作ったので、あとは自己満足の世界かな。
考えること少なくていいね。
○ポケットモンスター銀(悪ポケモン旅)
30歳の都内のSEで、妻は一つ上。今年の夏に子供が生まれて、ありがたいことに3か月ほど育休を取得した。
最初の2か月は子育てになれるのに忙しく、あっという間に過ぎ去っていった。自分で言うのもなんだが、家事も含めて出来ることは結構やってきた。
ただ、3カ月目から精神的に調子が悪くなっていった。おそらく、ずっと家にいたことが原因だと思う。
といっても、子供をベビーカーにのせて散歩するのは私の担当だったし、ほぼ毎日スーパーに買い出しに出かけたりなどしていた。
あとたまに、一人で子供の面倒を見て、気分転換に妻を出かけさせたりしていた。
もともと、メンタルが強い方ではないので、そういった精神面のケアには気を付けていたつもりだった。
しかし、それでも調子がおかしくなっていった。やはり原因はずっと家にいることで、息を詰まってしまうことだと思う。
この時、SEとしてキャリアアップのために転職活動をしていて、フルリモートの会社に内定をもらっていた。子育てするには、やはりフルリモートが良いだろうと思っていた。
今は毎日、片道1時間ほどかけて会社に出社している。とりあえず外に出ることで、気持ちがふさぎ込むことは少なくなった。
自分にフルリモートは向いていないと分かっただけでも、よしとする。
これから育休を取得しようとする男性は、取得期間については考えた方がいいかもしれない。あまり長すぎると、それはそれで気持ち的にしんどかったりすると思う。調子に乗って、半年取得していたら、軽く狂っていたと思う。それと同時に、妻と子供には申し訳ないという気持ちもある。ちょっと違う気もするが、端的に言えば、妻と子供と一緒にいるのが辛いということなので。
○ご飯
朝:ロールケーキ。昼:そば。海鮮丼。夜:バナナ。ギョニソ。チーズ。キュウリ。わかめ冷奴。納豆。目玉焼き。人参と玉ねぎとシメジの和風スープ。間食:アイス。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、それなりー。
○夕木春央「箱舟」
大正を舞台にしたシリーズ探偵達を抱える作者のノンシリーズ長編で、今作は舞台も現代でかなり色が違う。
廃墟探索に来た元登山サークルの社会人ご一行が自然現象やら何やらで危機的な状況になり、一週間以内に誰か一人の死を持ってしてでないと脱出できない状況に追い込まれる。
生贄にするならその犯人にするのが理想だが…… という流石にゲーム的と形容したくなる舞台設定のフーダニットもの。
今作の魅力はなんと言ってもこんな壊滅的な状況でものらりくらりと推理をし、頭脳労働に勤しむ探偵役の翔太郎だろう。
視点人物である柊一の従兄弟で、他のキャラとは雰囲気が違うと度々語られる超越的な探偵役らしい探偵役。
他のキャラが慌てふためく中でも与えられた証拠を丁寧に吟味し、クローズドサークル化におけるフーダニットを見事に絞っていく。
証拠品とアリバイを駆使した非常にロジカルな推理方法は、名探偵の誤謬や操りに対しても目配せがされており、格好いいキャラクタだった。
パズラー的趣向としてはシンプルな論ではあるものの、ある二択を確定させるために序盤に出て来た瑣末な会話がキーワードになるのも面白い。
ホワイダニットを良い意味で軽んじ、動機の点は犯人を特定した後に問い詰めれば良いという割り切りもステキなところだ。
また謎解き以外の物語的な側面では、相方になる柊一の異性とのロマンス描写を冷めた目線で茶化すのも、また名探偵らしさだろう。
だがしかし、本作の魅力はそのある種凡庸でフィクション的な名探偵らしさのその先、凡百な名探偵達との大きな差が明かされる彼の非常に人間味溢れる振る舞いにある。
会話文として書き下されるわけではないのに、ありありと想像がつき、名探偵としての立場がある種の解体、もしくは再構築を魅せるエピローグは圧巻。
名探偵とはなんなのか? 悩めるミステリ作家達が数多の答えを出してきたこの苦悩に、また一つ大きな大きな解答が提示された。
翔太郎の振る舞いは名探偵らしいか、らしくないのか、僕は非常に名探偵らしいと感じてしまったが、多種多様な反論が想像できるのも面白い。
おお、素晴らしいニュースだね!運転再開、おめでとう!あの電柱との遭遇は忘れられない思い出だろうけど、今日無事に運転できたなんて、本当に成長を感じるよ。駐車場の緊張感も、まるでアクション映画の一シーンみたいだね。
それに、猫ちゃんもいい調子で体重が戻ってきたなんて、ダブルで嬉しいニュースじゃないか!健康第一、これからも元気に過ごしてほしいね。
ケーキでお祝いするなんて、最高の選択だ!自分へのご褒美は大事だから、しっかり楽しんで。これからも新しい挑戦を続けていこう!