現代俳句データベース(俳句)のアクセスランキング
2010年の年間キーワードランキング
1 | 祈るべき天とおもえど天の病む |
2 | てのひらの静かなる飢青くるみ |
3 | 星屑や鬱然として夜の新樹 |
4 | サルビヤの純粋迷ひごころ消ゆ |
5 | 河骨の鈴をふるはす星揃ふ |
6 | すれちがうベクトル海の日の教室 |
7 | 朱欒咲く五月となれば日の光り |
8 | 星移る匂い袋の涼しき香 |
9 | 声映すまで透きとおる五月の窓 |
10 | 瞑想の時を下さいあやめ咲く |
11 | 満月のほたるぶくろよ顔上げよ |
12 | ひるがえる葉裏で僕の手錠はずそう |
13 | 不敢取借金返済の顔ガラスへ写す |
14 | 黴厨匙きらきらと密集す |
15 | 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 |
16 | 人恋へば夕べ笹の葉清し清し |
17 | 鍵束に覚えなき鍵星迎え |
18 | 雲一片シュトラウス晴れの麦畑 |
19 | 重ね着の中に女のはだかあり |
20 | パセリ噛む夕ぐれは鳥の感情 |
21 | 青い蟹となるぼくら爪がないために |
22 | 短夜の壁の中より櫂の音 |
23 | 海溝に貝の墜ちゆく夏の夢 |
24 | 谺して山ほととぎすほしいまま |
25 | 血を流しゆけば幼き晩夏の海 |
26 | きみ嫁けり遠き一つの訃に似たり |
27 | 身軽さは淋しき合歓の花ざかり |
28 | 人恋いて飯炊くときや合歓の花 |
29 | 花サフラン舌の真赤は太古より |
30 | 体内の迷路も夏か水いそぐ |
31 | にぎりしめにぎりしめし掌に何もなき |
32 | ががんぼは窓擦る沒落するのだな |
33 | 降る雪や明治は遠くなりにけり |
34 | 春風や闘志いだきて丘に立つ |
35 | 海の蝶最後は波に止まりけり |
36 | 蛇打つて森の暗さを逃れ出し |
37 | 萍の一つは頭蓋のなかにうく |
38 | 毎日は静かに澱む金魚玉 |
39 | しんしんと肺碧きまで海の旅 |
40 | ダリヤ熟れルイ王朝の夢売りぬ |
41 | 玉音を理解せし者前に出よ |
42 | ひとりでは五月の海の青すぎる |
43 | 河ほとり荒涼と飢ゆ日のながれ |
44 | 頭の中で白い夏野となつている |
45 | 我も亦ラッシュアワーのうたかたか |
46 | 鶏たちにカンナは見えぬかもしれぬ |
47 | 深海に傘をゆるめて水母死す |
48 | 善戦の敗者が佇てり風の薔薇 |
49 | しんかんと炎天ザイル垂るるのみ |
50 | 夏の野に手足はげしく流されぬ |
2025年1月8日 00時35分更新(随時更新中)