札幌のツワモノ・バンドDESERTの新作を先行フリー・ダウンロード開始!
「wake」のフリー・ダウンロードはこちらから
(ダウンロード期間 : 11月2日〜11月10日まで)
DESERT / OLDE TUBERS HAS BATS IN THE BELFRY
ツイン・サックスの印象的なメロディがリードする、スタイリッシュなジャズ・ナンバーで幕を開け、否応なしに身体が動き出すプリミティブなリズム、スリリングなロック・チューン、アバンギャルドなサックス・ソロ。そしてガラリと雰囲気を変えるキッズ・コーラスをフューチャーしたピースフルなナンバー! Discharming manのライブでもベースを弾く江河達矢率いる、札幌の地下シーンで生み出された変幻自在のツワモノ集団による激センスフルな1st ALBUM!
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【TRACK LIST】
01. wake / 02. african cube / 03. bellbird / 04. uni zoo bone / 05. stray light run
06. smail / 07. N.W
その土地に根付いた引き継がれるDNA
どれだけグローバルな世界だと言われても、その土地土地に根付いたDNAは簡単に消えたりはしない。その土地で活動してきたバンドが後輩に影響を与え、また若いバンドへと引き継がれていく。音楽性こそ違えど、根底に流れている共通項というのはあるものだ。
Discharming manでベースを弾く江河達矢(以下、江河)がリーダーを務めるインストゥルメンタル・バンドDESERTも、札幌のDNAを持っているバンドだ。ツイン・サックス、ドラム、ベース、ギターという編成は、スタンダードなロック・バンドとは異なるかもしれないが、bloodthirsty butchers(以下、ブッチャーズ)やeastern youthといった、札幌出身の先輩バンドの遺伝子がそこには見受けられる。同じく北海道出身の谷口順が主宰するレーベルLESS THAN TV(注1)の精神もどこかしら感じることができる。彼らに共通しているのは、とにかく貪欲に音楽を追い求める姿勢である。ブッチャーズの吉村秀樹が海外のロックをむさぼるように聴いていたのは有名な話だ。DESERTの面々からもまた、海外の音楽を吸収して血肉化していこうという姿勢がびんびん伝わってくる。各メンバーは影響を受けたアーティストにこんな名前をあげている。Skerik、Ropeadope、Critters Buggin、Grage A Trois、そしてFUGAZIをはじめとしたDischord Records(注2)関連などなど。注目なのはDischord Recordsの名前を挙げていることだ。彼らDESERTにもまた、USインディーから通じる地域性とDIYの精神が流れている。そういえば、江河は札幌で洋服屋「TAKE」(http://importclothes-take.com/)を経営している。そういうところからもDischord Recordsからみられる地域性とインディペンデントな姿勢を垣間みることができる。
DESERTの音楽は、ジャズ・ファンクと呼べば一番わかりやすいのかもしれない。それプラス、USのハードコアの攻撃性も感じることができる。それは何かに対する怒りというより、若い頃やんちゃした不良仲間たちと、「かっこいいことやろうぜ」という姿勢に近い。ロックを基調にジャズ・ファンクを演奏している大人の不良バンドとでも言えばいいか。例えば、梅津和時がやっているロックを基調としたKIKI BANDと比較してみれば、DESERTが80年代のUSハードコアなどを基調としたジャズ・ファンクであることがより明確にわかることだろう。
DESERTは、地元札幌で活動していたTAXIS'75を活動休止させ、江河が7月からライヴを開始して始まったバンドだ。最初はドラムとベースの爆音ループの上を、2本の管楽器が狂ったように踊るというバンド・イメージだったようであるが、今作ではもっとメロディアスな展開がされている。また、江河の息子もコーラスで参加している。メンバー全員で同じTシャツを着て、自分の息子も参加させているところも、ちょっとした不良っぽさを感じて微笑ましくなる。札幌のDNAから、これからもどんな音楽が生まれ続けていくのか、とても楽しみだ。今回参加している江河の息子にも、そのDNAが引き継がれていくのだろうと密かに期待している。(text by 西澤裕郎)
※注1 : U.G MANの谷口順が主宰する天衣無縫の至宝レーベル Less than TV.。日本中を地下通路で繋ぎ、爆音を響かせ、世界を揺らす。OTOTOYでのLess than TV.の特集記事はこちら>>>総力特集vol.1、総力特集vol.2
※注2 : Dischord Recordsは、アメリカ合衆国ワシントンD.C.のインディーズ・レーベル。USハードコアの重要な中心の一つとしてD.C.をアメリカ全土のアンダーグラウンドに知らしめた後、1980年代末以降はフガジを擁しUSインディー・シーンを代表する最重要レーベルの一つとして世界的に影響をもつようになったが、ワシントンD.C.周辺の知り合いのバンドのみをリリースするという原則は25年以上にわたって貫かれている。
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PROFILE
DESERT
2009年春、Discharming manのベーシスト江河が地元札幌でもう1つ活動していたバンドTAXIS'75を活動休止させ、ドラムのEijiに加え、それぞれ異ジャンルのバンドで活動していた、順平(テナー、バリトン・サックス)、ツッチー(アルト・サックス、エフェクト)、昌介(ギター)を誘い楽曲製作に入り、2009年7月よりライブを開始。東京よりゲスト・バンドを招く自主企画にて、MELT-BANANA、KIRIHITO、イルリメ、デラシネ、ひょうたん、Crypt City、200mph、miscorner/c+llooqtortion、LITE、Limited Express(has gone?)、MIKE WATT、LOU BARLOW等と共演を果たしている。時にはヴォーカルや他楽器のゲストを招いてのセッションも試みながら自由度の高いスタイルで活動中。