【連載】Episode55 NOW EMPiRE「いつもと違う私を見せたい」
WACKとavexの共同プロジェクト、EMPiRE。2021年1月4日には〈EMPiRE BREAKS THROUGH the LiMiT LiVE〉を東京国際フォーラムホールAで開催、持ち曲全37曲に加え、新曲「ERROR」、始まりの曲「アカルイミライ」を2回、全39曲をノンストップで披露した。2021年4月からは全国7ヶ所12公演を回る全国ツアー〈EMPiRE ULTRA ViBES TOUR〉を開催。チケットは全公演完売。5月12日には初の両A面シングル『HON-NO / IZA!!』もリリースするEMPiREに、2021年初の個別インタヴューを敢行。第2回は、NOW EMPiREの声をお届けする。
サプライズ披露されたMAHO作詞新曲「ERROR」をハイレゾ配信
INTERVIEW : NOW EMPiRE
EMPiREに加入して2年が経ったNOW EMPiRE。いまではグループのダンスを牽引する存在として、大きな存在感を放っている。これまで見られ方を気にしすぎて格好つけていたと話す彼女が、自分を解放できるようになった2021年。WACKツアーのことから、フリーイベント〈EMPiRE'S GREATEST PARTY -EAT SLEEP EMPiRE REPEAT-〉、合宿のことまで現在の考えを訊いた。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 外林健太
泣いてるYU-Kiちゃんを見るのはすごくつらかった
──EMPiREに加入して、約2年が経ちましたね。グループの一員としての自信や自覚もこれまで以上に強くなってきたんじゃないですか。
NOW : つい最近メンバーとも「NOWは2年だね。もっと長いこと一緒にいる気がする」と話をしていて。「NOWが入ってから毎日が濃くて、あっという間に感じる」ってメンバーが言ってくれたのがすごくうれしくて。あらためてEMPiREとして毎日頑張ろうって気持ちがさらに強くなっていっています。
──NOWさんは2019年にWACK合宿オーディションに参加されて合格を勝ち取られました。今年の合宿オーデを観て、どんなことを思いましたか?
NOW : 今年の候補生はみんな凄いなぁと感じました。課題曲の中に「Have it my way」があったので、候補生が頭を悩ませないか心配していたんですけど、初日からみんなすごく上手くて。すげー! と思いました。
──あははは。振り付けはNOWさんが付けたんでしたっけ?
NOW : 「Have it my way」は振付師の先生が作ってくださったんですけど、習得するまでめちゃくちゃ苦労した曲なんです。だから、短期間であそこまで踊れていた候補生は本当にすごかったです。練習動画を観ただけであそこまで覚えてきたと思うと、私も負けてられない! って気持ちになりました。
──2年前の合宿と比べて、雰囲気がだいぶ違うと感じたんじゃないですか?
NOW : 全然違いました。当時は、ダンス経験者が私とナオ・オブ・ナオぐらいだったので、パフォーマンス審査は私が引っ張っていかなきゃと必死だったのを覚えています。言葉では「WACKに入りたい」といくらでも言えるけど、今年の候補生は行動で示せていて。脱落していく子を見るのはつらかったです。それくらい候補生のみんなが魅力的でした。
──EMPiREからは、YU-Kiさんが代表として合宿に参加しました。YU-Kiさんの活躍はどういうふうにご覧になられましたか?
NOW : YU-Kiちゃんは、いつも元気ハツラツでポジティブなんです。弱音も吐かないし、あまり下を向くこともない。泣いてるところもあまり見ないから、合宿で自分を責めて泣いているYU-Kiちゃんを見るのはすごくつらかった。1人でグループを背負いつつ、候補生を合格させる手助けをしなきゃいけない。そのプレッシャーを抱えて合宿に参加してくれて本当にありがとうって気持ちでいっぱいでした。候補生1人1人に対して同じぐらいの愛や、やさしさ、手を差し伸べてあげていて、EMPiREにいるときと変わらなかった。改めて、YU-Kiちゃんのことが好きだなって気持ちが強くなりました。
WACKツアーファイナルは届けたい気持ちが1番に出たライヴだった
──話は遡りますが、2021年1月16日より全国7都市でWACK所属アーティストが出演する全国ツアー〈WACK TOUR2021 "TO BE CONTiNUED WACK TOUR"〉が開催されました。どんなツアーになりましたか。
NOW : 今年はグループの個性や色を出せたツアーだったと思います。それぞれのグループごとに、ファンのライヴの楽しみ方が違うんです。ステージ側からそれを味わえたのがすごく楽しかったし勉強になりました。前までは2マンとか3マンをすると、負けたくないって気持ちが強くて。今年もその気持ちもあったんですけど、それよりも自分たちは自分たちらしく、エージェント以外のファンにも自分たちの魅力を届けたい気持ちの方が強かった。以前は、負けたいくないと気合いが入りすぎて、観ている人からしたら力が入りすぎている感じに見えてしまっていたと思うんです。でも今年は、私たち6人が自由に楽しくできたから、変われたのかなとすごく思います。
──3月18日に東京・Zepp Tokyoで開催されたツアーファイナルの大トリは、EMPiREが任されていました。ツアーの最後を飾る気合いとかプレッシャーとかはありましたか?
NOW : WACKツアー初日もEMPiREがトップバッターで。そのこともあったからファイナルでもきっちり締めたくて。WACKツアーの最後は、EMPiREやWACKに新しい何かをもたらせられるきっかけになれたらいいよねってメンバーと話し合いをして。とにかく私たちらしく楽しめました。
──ツアーのトリを堂々と飾っていて、成長の跡がはっきりと感じられましたよ。
NOW : 今まではとにかく楽しいことを意識したライヴだったけど、ファイナルは届けたい気持ちが1番に出たライヴだったんです。私は私たちらしくできるのが1番だと思っているから、良いライブが出来たなと思っています。
──これまでのEMPiREの歴史の中でもかなり攻撃的で勝ちに行ったセットリストでしたよね。どんなことをテーマにしたセットリストだったんでしょう?
NOW : 最初は「I don't cry anymore」とかも入れてギャップを見せたり、振り幅を見せられるライヴにしたいよねって話していたんですけど、考え直して、とにかく初めて見る方も楽しめるセットリストにしました。
私たちは世界で1番かっこいい
──3月19日に東京・USEN STUDIO COASTで開催したフリーイベント〈EMPiRE'S GREATEST PARTY -EAT SLEEP EMPiRE REPEAT-〉(以下、〈EGP〉は、とにかく豪華で華があるEMPiREらしいイベントでした。振り返ってみてどうでしたか?
NOW : 気持ちよかったです。楽しすぎて、煽ると決めていなかった場面で自由に煽っちゃったりしたんですけど、それも楽しかった。自由に踊る、ライヴすることが大事なことの1つだと感じているので、〈EGP〉に限らず、練習でやらなかったからやらないじゃなくて、楽しかったら楽しくやろうと自信になりました。いつもエージェントに「自由に踊ろう」って言っているけど、私たちが自由にやらなきゃエージェントももっと自由に踊ってくれないと思うから。決めたことをやるだけじゃなくて、もっと自由に楽しんでいきたいと思ったきっかけになったライヴだったと思います。
──テンションもかなりあがっていたんじゃないですか。
NOW : 〈EGP〉は攻め攻めのセトリだったので、中間でぶっ倒れるんじゃないかと思っていたし、足はもうボロボロだったんですよ。足が動かない分、上半身は、がむしゃらにライヴしていて。綺麗よりも楽しいを体で表現できた。今までEMPiREはかっこよく綺麗にキメたいと思っていたけど、がむしゃらさも〈EGP〉でさらけ出すことがってできた。何かが弾けたように解放して楽しめたから、それも大事にしていきたいとすごく思いました。
──「Buttocks beat! beat!」や「SO i YA」「EMPiRE is COMiNG」を織り交ぜたメドレーでCYBERJAPAN DANCERSが出てきて一緒にパフォーマンスしたシーンもすごかったです。型にはまったものというより、その場のノリがあの場所で生まれていたと思います。EMPiREだからこそできたライヴだったなと思いましたが、どんな気分だったんでしょう。
NOW : あれは絶対EMPiREしかできないから、私たち最高じゃんって感じました。私たちは世界で1番かっこいいし、ポムポムポーンってレゲエホーンが入っているのがヤバすぎるって(笑)。これからももっと〈EGP〉をやっていきたいなと思いました。あと、途中、ポーター・ロビンソン「Something Comforting」のダンスカバーも披露して。本当に自由に、まっさらに何も考えずただ好きな振り付けを好きなフォーメーションでできるのが楽しかった。それぞれのダンスのよさ、個性、魅力をみんなに見せたくて、メンバー1人1人に合った振り付けとかソロダンスも入れたりして。それをエージェントに見てもらえる機会がほんとにうれしかった。また〈EGP〉をやる時、ダンスカバーも入れたりしたいなってすごく思います。
──それこそ、NOWさんがコロナ期間中にいろいろ吸収していたダンスのイメージやスキルが全開で発揮された場所になりましたね。
NOW : 今年、EMPiREは国際フォーラムで全曲披露したり、〈EGP〉だったり、EMPiREならではのライヴをたくさんできているので、EMPiREとしての活動が本当に楽しいなってすごく思います。
永遠じゃないから、今行くしかないんだ
──〈EGP〉では、新曲「HON-NO」を初披露しました。
NOW : エージェントの適応能力を感じました。初めて披露したのにサビで踊れているエージェントすごいってなったし、〈EGP〉のハードセトリの最後にやったからヘトヘトになっちゃった部分はあるけど、それが逆にいい味を出せたというか。切迫感が逆にいい味を出せて、とにかく熱く歌えました。
──「HON-NO」は渡辺(淳之介/WACK代表)さん作詞で、メッセージ性のある曲ですが、どんな曲として受け取って歌っていますか?
NOW : 「HON-NO」には〈行くしかないんだ〉って歌詞があって。渡辺さんが私たちに行くしかないんだよってメッセージ性のある歌詞をつけてくれたことがうれしい。Bメロで〈永遠じゃないだろう 僕らの未来〉って歌詞があって。それもすごくハッとさせられるというか。永遠じゃないから、今行くしかないんだよっていう、メッセージをいつも感じて。歌いながら背中を押してもらっている。歌う度にやるっきゃないんだなって感じさせられます。行かなくちゃとか、行くしかないとか、そういう歌詞が私は本当に好きだなって改めて感じます。
──カップリングの「IZA!!」はSeihoさんがプロデュースしているんですよね。
NOW : そうなんです!「IZA!!」は歌割りがすごく細かくて、より一層メンバーで歌を繋げることが大事になってくる曲で。そこをもっと大事に歌っていきたい。この曲も渡辺さん作詞で、進まなきゃいけないメッセージ性のある歌詞で。私たちは前に進んでいくしかないんだなってすごく感じます。振り付けも振付師の先生に久々につけていただいたんですけど、EMPiRE史上1位、2位を争うぐらいに難しくて。でも、サビがエージェントも一緒に踊れるぐらい楽しい曲なので、ライヴで披露するのが楽しみです。
──Seihoさんとレコーディングをしてみてどんな印象がありますか。
NOW : レコーディングのとき、とりあえず一通り歌ってみてと言われて歌ったら緊張しているのがバレバレで。「あ、緊張しているねー」とか「力入っているねー」とかすぐバレちゃった。いろいろな人の歌声を聴いてきたと思うし、声質も一瞬で読み取って、その人に合った歌い方を教えてくれるから、本当にすごい方だなって。レコーディングは、音程だったり、発音をよくしなきゃとか、そういうことで頭がいっぱいになっちゃうけど、Seihoさんはそういうのも大事にしつつ、歌詞の意味をもっと考えてとか、こういう歌詞だからこういう歌い方してみてって、歌詞をより大事にレコーディングしてくれて。レコーディングは音程、リズムも大事だけど、歌詞のこともちゃんと理解して、気持ちももっと考えて歌うことも大切なんだと気づいて、すごくハッとさせられました。
──この記事が出る時は〈EMPiRE ULTRA ViBES TOUR〉が始まっています。どんなツアーにしていきたいですか?
NOW : 今回はウルトラバイヴスがテーマだからこそ、より自由にはっちゃけたい。今まではかっこよくキメよう、綺麗に見せようという意識が強かったけど、がむしゃらにライヴしてみたいと思っています。〈EGP〉で掴んだあの感覚を出して思い切りライヴをしたいです。
──明確なイメージがあるようですね。いつもと違う姿が見れそうですね。
NOW : いつもと違う私を見せたいです。今まで私は見え方を気にしちゃっていたけど、そんなものは解き放って、とにかく目の前にいるエージェントを楽しませたい。私たち6人とエージェントで自由に楽しむことをより大事にしていきたいです。
7曲入りのEP『SUPER COOL EP』をハイレゾ配信
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LIVE INFORMATION
EMPiRE ULTRA ViBES TOUR
2021年4月4日(日)@福岡 Zepp Fukuoka
2021年4月7日(水)@東京 Zepp Tokyo
2021年4月11日(日)@宮城 仙台GIGS
2021年4月17日(土)@北海道 Zepp Sapporo
2021年4月23日(金)@大阪 Zepp Osaka Bayside
2021年4月25日(日)@愛知 Zepp Nagoya
2021年4月30日(金)@神奈川 KT Zepp Yokohama
2021年5月12日(水)@東京 Zepp Tokyo
PROFILE
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