【連載】Episode50 YU-Ki EMPiRE「その時々をエージェントと作り上げていきたい」
WACKとavexの共同プロジェクト、EMPiRE。2020年10月には約9ヶ月ぶりとなる単独有観客ツアー〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 4-〉を愛知、大阪で、11月1日(日)には札幌hitaru〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 5-〉を開催。11月23日(月祝)には福岡サンパレス、12月5日(土)には仙台サンプラザ、そして2021年1月4日には〈EMPiRE BREAKS THROUGH the LiMiT LiVE〉を東京国際フォーラムホールAで開催することを発表した。コロナ禍でも前進し続けるEMPiREに、2020年3回目の個別インタヴューを敢行。第4回はYU-Ki EMPiREの声をお届けする。
7曲入りのEP『SUPER COOL EP』をハイレゾ配信
INTERVIEW : YU-Ki EMPiRE
明るい性格と笑顔でグループを引っ張る反面、読書家で映画もたくさん観るという顔も持つYU-Ki EMPiRE。コロナ期間に限らず、ツアーが始まった今もたくさんの物語を吸収しているという。そんなYU-Kiは約9ヶ月振りとなる有観客ツアーがはじまった現在、どんなことを考えライヴに臨んでいるのか。近況を訊いた。
取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 外林健太
人間の欲みたいなものが隠さず文章に表されているのがおもしろい
──前回のインタビューで、昔の映画や不動の名作をよく観ていると話してくれましたが、ここ最近はどのような作品を鑑賞していますか?
YU-Ki EMPiRE (以下、YU-Ki) : 最近はツアーが始まって移動時間もできたので、本もまた読み始めています。最近は、谷崎潤一郎さんの『卍』など、純文学を読むことが多いですね。
──もともとミステリーをよく読まれていましたけど、どうして純文学を読み始めたんでしょう。
YU-Ki : おもしろいよって聞いて読み始めたらハマっちゃって。最初は、何を言っているのか理解するのが難しかったんですけど、だんだん慣れてきて。これは自分の解釈なんですけど、人間の欲望みたいなものが隠さず文章に表されているのがおもしろい。すごくリアルなんですよね。欲のままに生きる感じが想像しやすいし、場面がパッと頭に浮かんでくる感じがおもしろいです。
──映画も引き続き観られていますか?
YU-Ki : 『TENET』を映画館に観に行きました。あと、韓国ドラマの『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』を観ている途中ですね。
──YU-Kiさんは、本や映画など、物語がとても好きですよね。
YU-Ki : はい。その世界に没頭しているときは別のことを考えなくてすむし、息抜きできるんですよね。
──その世界に入り込むような感覚なんですね。
YU-Ki : そうです。自分の中でのいいストレス発散法なんだろうなって思いますね。
──そこまで本を読んだり、映画を観ているわけで、自分でもなにか書いてみたりするのもいいんじゃないですか?
YU-Ki : いや、やっぱり語彙力が足りないので……(笑)。あと、ちょっと恥ずかしいですね。まずはパソコンを買うところからはじめないといけないですし(笑)。
──普段、作詞はどうやってしているんですか?
YU-Ki : ノートに書いています。
──そこのギャップがYU-Kiさんの魅力ともいえますね(笑)。
YU-Ki : 本当ですか(笑)?
1回1回の公演で楽しいを優先したいと思うようになりました
──約9ヶ月ぶりとなる単独有観客ツアー〈ERROR ERROR ERROR TOUR -EPiSODE 4-〉の初日公演を、10月17日に愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホールで開催しました。待ちに待った有観客ライヴ、振り返ってみてどんな1日になりましたか?
YU-Ki : 夢みたいでした。ツアーが始まる前は、有観客ライヴだけど観客席は1席ずつ空いているし、声は出せないし、いつもみたいにはいかないかもしれないということも想定しておいた方がいいよってスタッフさんからも言われていて。だから、そういう覚悟もしていたんですけど、いざステージにあがったら、エージェントたちが大きく振りを一緒にしてくれたり、声を出せない分、大きく拍手をしてくれたり、伝えようとしてくれている気持ちがダイレクトに伝わってきて。幸せだなって思いました。
──以前はもっとかっちりやろうとしていたけど、今回のツアーは楽しもうという気持ちが強くなったと、他のメンバーがインタビューで言っていました。
YU-Ki : たしかに前よりフラットな気持ちでツアーをやれているなと思います。失敗しないようにというより、みんなと楽しみたい気持ちが強い。コロナ期間中はエージェントとなかなか会えなかったし、今も前ほど会えるわけじゃないから、緊張とか不安でダメになるより、1回1回の公演で楽しいをより大切にしたいと思うようになりました。
──コロナ禍でライヴができなかった期間があったからこそ、考える時間が増えて、ライヴに臨む姿勢などにも変化があったのかもしれないですね。
YU-Ki : 逆に今は、またすぐにライヴをしたいって気持ちが強くなっていますね。前までは、1回やったらここダメだったなって反省して、そればっかり気になってしまったりしていたんですけど、今回は反省もするけど、楽しかった! またやりたい! って気持ちが先に出てくるんです。
──パフォーマンス的にはどうですか? 久しぶりに長尺でパフォーマンスするという部分で、体力的な部分や表現的なところでは。
YU-Ki : コロナ期間中、NOWを中心に、ダンスを再確認していたんです。ツアー中も動画を見返して、ここもっとこうしようみたいな確認もやっていて。だから今は一公演一公演、成長した姿を見せたい気持ちが大きいですね。
──エージェントはマスクをした状態ですが、ステージからはどのような景色に観えるんでしょう。
YU-Ki : マスクをしているのに、マスクをしていないように見えます(笑)。そのぐらい笑っているように見えるし、DORi(MiDORiKO EMPiRE)もインタビューで言っていたけど、1人1人の顔が見えやすい。みんな「あ、一緒に楽しんでくれているな」というのが直接見えるし感じられる。みんな笑っているのが嬉しいです。
エージェントの背中をさすってあげるような曲
──今回は公演ごとにセットリストが違います。特にグッときたり、特別に思った曲はありますか。
YU-Ki : 初日の名古屋公演1曲目でやった「MAD LOVE」もそうなんですけど、私は「I have to go」がすごく印象に残っていて。お客さんの前で披露するのが初めての曲だったんですけど、最初から会場のエージェントみんながクラップする振りをやってくれて。イヤモニ越しにも聴こえるぐらい大きくて、へっ! ってびっくりしたんです。嬉しい気持ちでいっぱいになりました。『EMPiRE'S GREAT PARTY EXCEPTiON -SUPER COOL EGP-』の動画では披露していたんですけど、観れるのはそこだけなんですよ。みんなたくさん観て予習してくれて、待ち望んでくれていたっていうのが感じられて、素直にすごく印象に残りましたね。
──そこまで大きな反応があるとは予想していなかったわけですね。
YU-Ki : してなかったです。初めて披露する曲だから徐々にクラップしてくれるとかなら分かるんですけど、最初からみんなやってくれて本当に嬉しかったです。
──「I have to go」以外でも、今回初披露の曲が結構あったと思いますが、反響が大きいものはありましたか?
YU-Ki : 「SUPER FEELiNG GOOD」は中止になってしまった前回のツアーで披露するはずの曲だったんですけど、実際にライヴで体感したらめちゃめちゃ楽しかったと、SNSとかでエージェントたちが言ってくれていて。私たち自身も、みんなで一緒にできる振りということをテーマに考えていたから、それが伝わったのが嬉しかったし、みんな一緒にやってくれているのが見えて楽しかったですね。
──「SUPER FEELiNG GOOD」は、前回のツアーでサプライズ披露しようとしていたんですよね。会えない期間に好きになってくれていたのも嬉しいですね。
YU-Ki : 今回初披露というところでいうと、「ORDiNARY」は山田健人さんが映像演出で入ってくださっていて。あらためてEMPiREにとって大事な曲だなって思いました。伝えたい想いがすごく詰まっている曲だなと思いました。最初に曲をもらったときは、渡辺(淳之介)さんがEMPiREに対して、もっと力まずやっていいよって言ってくれていると思っていたんですけど、私たちがライヴで歌うことになったとき、エージェントに対して、こんな状況になっているし、前向きに捉えられないこともたくさんあると思うけど、泣いてもいいし、どれだけへこんでもいいんだよって。エージェントの背中をさすってあげるような曲だなって思うようになったんです。
──前回のインタビューで「EMPiREは私の生きがいで自分にとって、すごく大事なもの」と話してくれました。グループに対しての気持ちを再認識して、ライヴに臨んだのも大きな出来事かもしれないですね。
YU-Ki : 今が1番、EMPiRE間の空気がいいなって感じます。ライヴ前の空気もそうですけど、良い意味で肩の力が抜けたパフォーマンスというか、力みすぎないパフォーマンスができるようになったかなって感じています。
声が出せなくても愛はいっぱい届くんだなと実感しました
──2021年1月4日には、東京・国際フォーラムでのワンマンが発表されました。国際フォーラムに立つことに対してどんな心境ですか。
YU-Ki : 最初に聞いた時は本当にびっくりしたんですけど、素直に嬉しいし、楽しみですね。前までだったら、そんなに大きなところをエージェントでいっぱいにできるかなとか不安な気持ちもあったんですけど、今は楽しみな気持ちが勝っています。それは、こんな状況だけど、ツアーを通してエージェントと一緒に踊ったりできるし、今だからこそのライヴの楽しみ方を見つけられたからだと思うんです。それがすごい自分の中で心強いです。
──ちょっと早いかもしれませんが、どんなライヴになりそうですか。
YU-Ki : EMPiREの歴史を感じられるライヴになるんじゃないかなと思います。今までEMPiREを最初から応援してくれていた人も、最近EMPiREを好きになってくれた人も楽しめる、かつ、今までにあったようなライヴとも違う。フォーラムにはEMPiREとして初めて立つんです。どんな景色なのかも想像できないからこそ、エージェントと初めての景色を一緒に見たいなと思いますね。
──しかも1年ぶりの東京ワンマンということで、エージェントたちも待ち望んでいるんじゃないかと思います。
YU-Ki : フォーラムって大きいから、色々なエージェントが集まってきてくれると思うんです。お正月の親戚の集まりみたいな(笑)。嬉しいし、楽しみです。
──前回のインタビューで、「いつでも崖っぷちという気持ちがある」と話してくれました。それは今もありますか。
YU-Ki : 今はみんな、前だけ見ている感じがしますね。今までは、これがダメだったら…… みたいな気持ちで自分を追い詰めてやっていたけど、今は目標のために頑張ろうというポジティブな気持ちに変わっている。それこそ、ツアーも、この公演はここが自分的にダメだったから、次の公演はここを気をつけようと思いながらやっているし、これがダメだったら終わりじゃなくて、1つ1つ更新していこうという気持ちになりましたね。
──前回インタビューした時から3ヶ月の間に、考え方や向き合い方も大きく変わったんですね。それはツアーが始まったからこそなのかもしれないですね。
YU-Ki : 本当に自分の心持ちが無観客と有観客で全然違うし、今までの有観客でやっていた時のツアーとも全然違うと思いますね。常に幸せが続いている感じというか。
──お客さんの力は本当に大きいですね。
YU-Ki : 今回のツアーで、支えられているなということをすごく感じましたね。いてくれるだけですごい励みになるし、声が出せなくても愛はいっぱい届くんだなと実感しました。しばらく時間が空いていたのに、みんなずっとEMPiREを待ち望んでくれていて、こうやってライヴに来て純粋に楽しんでくれる。ライヴが終わった後には、楽しかったって言ってくれて。それが本当に嬉しいしありがたいことなんだってことをこのツアーで強く感じています。
──あとツアー2公演、どんなツアーにしていきたいですか?
YU-Ki : 久しぶりにエージェントに会いに行けているツアーなので、第一に楽しんでもらいたいし、一緒に楽しみたい。なかなかコンスタントに会えなくなっているけど、今回のライヴがエージェントの思い出に強く残って、あのライヴ楽しかったな、って思い出せるくらい濃い時間にしたいなと思っています。演出もすごくかっこいいので、私たちもそれに負けないぐらいのパフォーマンスをしたいなと思っています。その場所、その時間だけのセトリだし、ライヴなので、その時々をエージェントと作り上げていきたいなと思いますね。
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