【予約受付中】水曜日のカンパネラ、4thミニ・アルバム完成記念!!ーーその①ビレバン、タワレコ、OTOTOYのバイヤーが言いたい放題語る!!
2014年に入り、急速に注目を集めているアーティストといえば、そう、水曜日のカンパネラ。最近では、山田孝之や大塚愛がTwitterでこのユニットの名前をつぶやいたり、「桃太郎」「千利休」が収録された100円CDがオリコン・デイリー・チャートで8位を記録したり、BAYCAMPやりんご音楽祭といった野外フェスにも出演したり、その活動の範囲を大きく広げています。そんな水曜日のカンパネラが、待望の4thミニ・アルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』を完成!! OTOTOYでは、ハイレゾで、そしてCDのリリースより1週間先行の10月29日(水)に配信開始。しかし… それさえ待ちきれず、アルバムの予約を開始いたします!! 予約してくれた方には、OTOTOYでしか手に入らない“なにか”が特典でついてきます。その“なにか”とは… すいません、まだ決まってません(笑)。しかし、水曜日のカンパネラ。とっておきの“なにか”を用意してくれるはず。臆せず、期待して、予約しちゃってください!!
そして、水曜日のカンパネラを初期から追いかけてきたOTOTOYでは、4週にわたり、このユニットの魅力に迫っていきます。第1週目となる今回は、バイヤー座談会を決行。ビレッジバンガード下北沢店の名物バイヤー・金田謙太郎、タワーレコード横浜ビブレ店でバイヤーを務める紅一点・御前晃子、そしてOTOTOYのバイヤー・ねるねるね〜るね西澤が、お店という垣根を越えて水曜日のカンパネラについて語り尽くします。しかも、いいことも悪いことも関係なく、好き勝手にしゃべり倒しました。水曜日のカンパネラをよく知らないという方のために、時系列に話しているのと、過去作をすべてフル試聴可能にしましたので、このページで水曜日のカンパネラについてしゃぶりつくしちゃってください!! このユニット、いま注目しとかないと絶対損しますよ!!
OTOTOY独自特典つき!! 待望の4th・ミニ・アルバムの予約を開始!!
水曜日のカンパネラ / 私を鬼ヶ島に連れてって(24bit/48kHz)
【配信形態】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz)
【配信価格】
単曲 208円 / まとめ購入 1,234円
【Track List】
1. 千利休
2. 桃太郎
3. エンゲル
4. チャイコフスキー
5. インカ
6. デーメーテール
7. ジャンヌダルク
8. ドラキュラ
予約特典として“なにか”が配信時についてきます。誠意製作中!!
>>予約注文についてはこちら
ビレバン、タワレコ、OTOTOYのバイヤーが水カンを言いたい放題!!
司会・進行 : ねるねるね〜るね西澤
ヴィレッジヴァンガード下北沢スタッフ 金田謙太郎
編集者→レコ屋店員→ヴィレッジヴァンガード店員兼フリーで企画屋をやってます。
タワーレコード横浜ビブレ店 御前晃子
タワーレコード渋谷店J-POP INDEISバイヤーを経て、今年4月オープンしたばかりのタワーレコード横浜ビブレ店でJ-POP INDIESバイヤーとして抜擢。現在活躍中。
奥底におもしろい匂いがちょっとしただけでしたね
ーー今日はお忙しいところお集りくださり、ありがとうございます。バイヤーという視点から水曜日のカンパネラについて忌憚なき想いを話していけたらと思います。さっそくですが、記念すべき水曜日のカンパネラの1stミニ・アルバム『クロールと逆上がり』は、ヴィレッジバンガード下北沢店限定で販売がはじまったわけですけど、金田さんは最初、率直にどんな印象を持ちましたか?
金田謙太郎(以下、金田) : 当時、BiSというアイドルを担当していた渡辺淳之介さんから「僕の先輩が始めたユニットなんですけど、話聞いてもらっていいですか?」って連絡をもらったんですよ。その頃BiSと渡辺さんにはすごいお世話になってたんで、渡辺さんの頼みなら無条件でやろうみたいな感じで取り扱いを始めました。でも正直言うと、やろうとしていることはうっすらわかるけど、特にすごさは感じないなあみたいな印象でした。あとなんか雑! とも思いました(笑)。
ーーあはははは。雑っていうのは音源が?
金田 : いろいろかなー。普通、1stアルバムって、初期衝動を感じるじゃないですか? でも、これがやりたいんだ!! とかではなくて、こういうのできちゃったんですけど… みたいな、ボンヤリしたザックリ感を感じたんです。ただ、おもしろい匂いはちょっとしました。
ーーOTOTOYではビレバン下北沢店と同時期に配信限定パッケージで配信をはじめたんですけど、僕も正直よくわかんなかったです。つかみ所がないというか。
金田 : そうなんですよね。いわゆるサブカルでもアングラでもなく、すげえふわふわしたところで、すげえふわふわしていることやっているなって(笑)。
ーーあはははは。いまの話を聞くに、最初から大プッシュしていたわけではなかったんですね。
金田 : 全然。最初、スタッフと、これで終わるんじゃないって話してましたよ。幻の名盤みたいになるんじゃないのって(笑)。
ーー(笑)。実際に、店舗に置いていたCDの動きはどうだったんですか。
金田 : ところがこれがよかったんですよ。謎の売れ方をしていて。ひとつ考えられるのは、楽曲制作のkenmochi hidefumiさんが、もともとHyde Out Productionsから作品を出していたこともあって、最初はそっちのラインから売れてたのかなという気がします。最初から特典として全曲インストをくださいってお願いして、kenmochiさん推しでやってました。要するに、Nujabesのレーベルから作品を出していたkenmochi hidefumiがはじめた新しいユニットって、そっちで売ろうとしていたんです。
>>>kenmochi hidefumiへの初インタヴューはこちら
ーーたしかに、OTOTOYでのニュースの出し方もkenmochiさん推しでした。
金田 : そうですよね。当時うちではインストを売っているつもりでしたから。で、特典が歌入りCD(笑)。
一同 : (笑)。
サブカル好きな人特有のかたくなさがないんですよね
ーー最初は、ビレバン、OTOTOYといった店舗限定だったわけですが、タワレコが100円CD『水曜日のカンパネラdemo3』を扱いはじめたところでひとつ広がったと思うんですね。御前さんが水カンを最初に聴いた印象はいかがでしたか。
御前晃子(以下、御前) : 100円CDに収録されていた「マリー・アントワネット」を聴いて、歌詞にお菓子の名前がたくさん出てきたので、女子として歌詞のおもしろさに惹かれました(笑)。ただ、本社から送られてきた白黒の資料に載っていたアー写を観ても、なにを訴えようとしているグループかわからなくて。
金田 : あのアー写、コムアイさんに全然ピンがあってないんですよね。
御前 : そう。逆にそういうところが気になるフックになった感じはありましたね。サウンド的には普通にいいじゃないですか? あとはそこに興味を持つかだと思うんですけど、そのあと『羅生門』を聴いたときに「?」がさらに増えていって。
ーー(笑)。実際に100円CDの売れ行きはどうだったんですか。
御前 : 売れましたね。100円だったらとりあえず買ってみようかなって人が多かったみたいで。絶対に損はしない値段じゃないですか? たとえ、どんな駄作だったとしても(笑)。
金田 : ある意味、100円って、ただより安いですもんね。
御前 : そうそう。あと、kenmochiさんのCDってタワレコですごく売れていたんですよ。もともとジャジー・ヒップホップ系は強かったので、そちらで推したほうがよかったかなと思ったんですけど、サブカル層にも向けて両側から攻めてみたら、両方とも在庫がなくなって。『羅生門』が出るときになにしようかと迷ったんですけど、店内の会議をやっているとき、これおもしろいんじゃないの? って意見がでてタワレコメンに決まって。渋谷店としてはおもしろいものを出しましょうってことで、水曜日のカンパネラって名前を全面に出した見せ方にしたんです。
ーービレバンとタワレコと比べてOTOTOYが違うのは、初期は全然売れてなかったんですよ。ネットを中心に動画をあげたり、ニュース配信していたのに、反応が大きいわけじゃなかった。だから、店舗でちゃんと売れていたっていうのがうらやましかった(笑)。
金田 : ほとんどの場合お客さんのほうがわかっているんですよ。我々は頭でっかちなので、情報で耳が曇ってる場合が多いです。だからお客さんに気づかせてもらうんです。売上って形で。お店ってよくわからないものでも、少しでもなんかあると思ったら推してみるって大切だと思います。で、お客さんのレスポンスを見て、それを後からさも自分の目利きのお陰かのように言い張るというのが店員の役目です(笑)。
ーーあはははは。金田さんは、2ndミニ・アルバム『羅生門』の印象は、1stに比べたら変わりました?
金田 : そのときもあんまり変わらなかったです。ただ、よくわからないのになにか引っかかってるっていう理由に気づきました。『羅生門』を聴いて、あ、コムアイさんって自分の魅力にまったく気づいていないってところがわかったんです。自分の特性に気づかず、だからそこも発揮せずで、そういうことからボンヤリしてるなあって印象がすごく強かったんだと思います。
ーーそれって音からわかりました?
金田 : 声かな。フロウに工夫がなかった。言われたことをなぞってやっているように聴こえました。1stからの跳躍もないし、ずっと平熱で続いている感じだったんですよ。嫌々やっているわけでも、抵抗してやけくそ感でやっているわけでもなく、本当にこう言われているからこう返しているみたいな。だから『羅生門』のときも、変わり種として2、3枚出して消費されるんじゃない? って思ってました。お客さんから求められているから仕事としてキッチリ売るけど、特にテンションも上がらず…。
ーーそのころって、音楽以外のコムアイの趣味、鹿の解体とかをやりはじめた時期でもありますよね。そうした音楽以外の活動に対してはおもしろみを感じました?
金田 : あ、それはすごく大きかったです。僕。その鹿の解体に一緒に行っているんですよ。そのときに初めてちゃんとコムアイさんといろいろ話して、あ、この人はやる気がないとか、やりたくないんじゃなくて、本当に自分の魅力に全然気づいてないんだってことが改めてわかったんですよね。たぶんディレクターさんとかkenmochiさんとかが引っぱりあげてさえあげれば、この人すごいんじゃないかって思ったんです。いい意味ですごく素直だし、吸収も早い。コムアイさんは、いわゆるアングラとかサブカルとかって呼ばれてるものが好きなんですけど、そういうのが好きな人特有のかたくなさが全然ないんですよね。すごく屈託がない。あるいはそれを見せない。すっごい自由な空気を持っている。あとはフィジカルの強さも感じました。パフォーマンスって体が大事なので。と、すごくいい印象を持ちました。だからこそなんで前に出るような意志を感じないんだろうともまた思って。
ーー意外とそこは控えめでしたよね。自分が前に出ていくっていうより、チームなんだって感覚があったみたいで。御前さんが初めて会ったときの印象はどうでした?
御前 : 挨拶まわりをしてくれたんですよね。かわいくて上機嫌になりました(笑)。普通じゃないところがおもしろい子だなと思って。そのときって男性のお客さんがほとんどだったじゃないですか。でも絶対そんなはずはないと思って。あのかわいらしさ、キャラクターをもっと出してあげたら、もっと女子が好きになると思うんですよ。それがまだ全然できていないのがもったいないと思いました。
ーー『羅生門』って、kenmochiさんがライヴ仕様にした作品作りをしているんですね。で、ライヴも増えていったわけじゃないですか。それでも大きな変化を感じなかったですか?
金田 : そのときもライヴのときのコムアイさんのたたずまいってあまり変わってなくて、周りで風をビュービュー吹かしても、その中で突っ立ってる感じでした。その上その風に全然動じてないように見える。図太いなって。大物としかいいようがない(笑)。
スタッフも一緒にジャンプしていかなきゃいけない
ーーそのころ、OTOTOYではエロスの連載がはじまりました。映画をみてエロスを考察し、曲を作るという企画で、『シネマジャック』の原型となる曲が4曲入っていて。僕から見ると、コムアイがかなり前のめりに臨んだのが「ミツコ」で、そのあたりから本人の意識に変化が見えてきた感じはしたんですけど。
金田 : ぼくはDir.Fさんにずっと言っていたんですよね。ボイトレをしてください。ダンスの先生をつけてくださいって。アパッチ野球軍じゃないけど、話したときの印象が、山奥から出てきた、ある意味野性動物みたいなイメージだったんですよ。MPもHPも魔王の城に挑めるぐらい高いのに、「ぬののふく」と「ひのきのぼう」を装備してて、知ってる魔法は「ボミオス」だけみたいな。だからあとは学習させて引き出すだけって思っていて。ダンスも、いわゆるジャズ・ダンスとかヒップホップ・ダンスじゃなくて、創作ダンスのほうがいいってずっと言ってました。多分コムアイさんは、体重の移動がどれだけキレイにスムーズにできるかだけでよくて、それだけ教えたら、あとは勝手に素敵に暴れてくれるだろうって。あと、たぶんですけど、声に倍音がありますよね? 鼻から抜けていく高い声と、下のほうから潜っていく声の2つが出ていて、声質は全然違うんですけど、例えば手嶌葵さんとかの声に近いんですね。あの歌い方ができる人ってそんなにいなくて、心地いいんですよね。
ーーようするに、素材は揃っていると。
金田 : そう。それなのになぜやらない? っていう感じでしたね(笑)。そこからはDir.Fさんにしつこく言っていました。
ーー3rdミニ・アルバム『シネマジャック』の印象はいかがでしたか。
金田 : 『シネマジャック』で、ようやく1stアルバムっぽい感じがしたというか、本人が考えてるっぽい、やってみたいことを出そうとしている感じがちょっとしたんです。ちょっとって言ったのは、多分コムアイさんって、ちっちゃいところで歌うのが似合わない人だと思ったんです。その上で勘がいいから、ハコのサイズに合わせちゃって、なんかちっちゃくなっちゃう。
ーー当時は、かなり気合い入れて歌っているなと思ったんですけど、いま聴くとこれもまだまだなんだなって感じは出てますよね。
金田 : そう。レコーディングで大振りしてもいいのに、大振りしてないんですよね。自分のなかで一番確変が起こったのが視聴覚室の1回目なんですけど、そのあとにCDを聴くと、申し訳ないんですけど、ピンと来ないんですよ。
ーー普通は逆なんですけどね。CDを買ってライヴ行ったら、さらにすげえ!! ってなるはずなのに、当時はライヴを見るとガッカリするっていう。
金田 : すごいですよね、この座談会。スタッフの前でディスりまくるっていう(笑)。
一同 : (笑)。
金田 : でも、レッスンがついてから、そもそものフィジカルのポテンシャルがどんどん引き出されているいまの感じっていうのは、ちょっと普通じゃないですけどね。
ーーレッスンはいつからはじめたんですか
Dir.F(水曜日のカンパネラのディレクター&何でも屋) : 『シネマジャック』が出たあとくらいからですかね。それこそ金田さんの企画で4曲のカヴァー曲をやろうってときに、このままじゃまずい、ってことでボイトレを入れようってなったんですよ。
金田 : これまでの楽曲って、コムアイさんの声が全然活かされてないんですよね。正直ラップっぽい歌詞も、実はコムアイさんの声に合っているのかも疑問で(笑)。とにかく歌の企画をやれば絶対にスタッフも気がつくはずって考えて、『安眠豆腐』を提案したんです。
ーーつまり、ビレバンの企画盤『安眠豆腐』は、スタッフの喚起も狙っての企画だったんですね。
金田 : ですです。実際、すごく不思議で魅力のある歌声じゃないですか。うまいとも下手とも言えないんだけど、ずっと耳に残るみたいな。
ーーさっき、『水曜日の視聴覚室』で確変が起こったっておっしゃってますが、それってどういう部分で感じたんですか。
金田 : コムアイさんだけというより、VJの方のすごい仕事があったからだと思いました。映像に負けないように、すごい必死に動いていたんですよね。いままでのパフォーマンスだったら絶対に負けているんですけど、本能でわかったと思うんです。普通にやったら映像に負けるって。ホント全力で体を動かしてたのが分かったし、多分体で覚えるタイプだし、そういう意味でいろいろな兆しがすごく見えたライヴなんですよ。
ーー僕が最初におもしろいかもと思ったライヴもアウェイで、りんご音楽祭のステージだったんですよね。お客さんを自分で集めてきて、のびのびしたライヴをやってみせたのが印象的で。
金田 : 多分アウェイな環境に置かれれば置かれる程いろいろ出てくタイプですよね。勘もいいから臨機応変に動くし。まだ大雑把だけど、自分がエンタメやってる意識も持ち合わせているように見える。コムアイさんのこういう所はウジウジグズグズ自意識ライジングな男子バンドマンに是非見てもらって反省して欲しい(笑)。
ーーあははは。そう考えると『安眠豆腐』っていう作品はひとつ大きな功績ですね。『安眠豆腐』に対する評価はいかがですか。
金田 : よかったと思います。いまでもしっかり売れてます。歌を前面に押し出したら声のよさがすごく出たので、第一段階クリアって感じですね。それよりお前何様だって感じですが(笑)。多分歌って、基本数をこなす以外に上達する道はないと思うので、あとはどんどん歌ってくれればなって。前もDir.Fさんに言ったんですけど、『シネマジャック』以前の曲と本人のサイズ感が全然合ってないんですよね。窮屈そうなんです。
ーー代表曲である「マリー・アントワネット」でさえ、そう思います?
金田 : 僕はそう思います。ただそれはkenmochiさんのアレンジ能力にかかってくるのかなと思っていて。いままで出た作品って、ビートとかシンセの音が基本的に一緒なんです。で、コムアイさんは勘がいいので、そこを嗅ぎ取って、前と同じでよければそういうふうに対応しちゃう。でもコムアイさんが大きなジャンプをしつつあるので、今後はkenmochiさんがジャンプしないといけない時期なのかとも思うんですよ。
ーー要するに、周りも一緒にジャンプアップしないと、コムアイが楽しちゃうかもしれないと?
金田 : そうそう。スタッフも一緒にジャンプしていかなきゃいけない。とにかくいますごく伸び盛りなんだと思います。コムアイさんは。
気持ちの入った宣伝をすることで、ようやくお客さんに伝える土台ができると思う
ーーそうした中での4thミニ・アルバムのリリースとなります。「桃太郎」「千利休」は、新しい武器になるんじゃないかと思うのですが。
金田 : kenmochiさんのアレンジ力はどんどんあがってきていると感じます。ただ使ってる音色が基本同じまんまできちゃっているのと、あとグルーヴのの付け方も平坦だと感じました。例えばバンド・サウンドは、そこはアナログのよさだと思うんですけど、力の入れ具合で音も変わってくるじゃないですか。実力があれば、臨機応変に対応もしやすい。でも打ちこみ音楽って、バンド以上にロジカルに磨いていかないといけない。そういう意味で100円CDは、超いいけど超不満もあるみたいな。
ーー100円CDはタワレコ限定発売でしたが、あっという間に売り切れてしまいましたよね。御前さんの印象はいかがでしたか。
御前 : おもしろいなと思いました。「桃太郎」ですからね(笑)。その前はタワレコ渋谷店に勤務していたんですけど、このときは横浜ビブレ店で勤務していて。都内じゃないところでどういう反応かなと思ったんですけど、意外と変わらなくて、男性からの問い合わせが多くすぐに完売しましたね。広がっている感じはすごくしました。今回に関しては水曜日のカンパネラのCDってどこにありますかって方が多かった気がします。
ーー「桃太郎」は、かなり局地的なヒットを飛ばしていて、大阪のFM802のリクエストチャートでも上位をとっていたり、100円CDはオリコンデイリーの8位をとったり、思わぬ反響が出てきています。
金田 : あの100円CDがコムアイさんのパフォーマンスを支える楽曲の中での最低ラインになってきてますよね。もう「桃太郎」「千利休」以下のものは彼女のパフォーマンスのサイズとの兼ね合いとしてはナシっていうか。明らかにイキイキ動いてるのがわかる。身の丈と服のサイズがあってきたかなって感じ。それ以前の曲は個人的にはアレンジしなおしたほうがいいかなって思ってます。
ーーでも、正直「桃太郎」がこんなに反響大きいとは思わなかったです。
金田 : 多分ですけど、ニコニコ動画とか一部のアイドル・ソングの奇天烈さに対する耐性と感受性がみんな無意識にできてきたこともあるんじゃないかな。ポップな音楽っていろいろあるいうのが分かってきて、そこにぶっ飛んだパフォーマンスをする可愛い女の子が出てきてはまった感じなのかなって。もうアイドルって、単なるブームじゃなくてジャンルとして残っていくと思うんです。ジャンル自体のサイズの大小は色々な条件で変わるかもしれないけど、おもしろいからきっと残る。で、その次になにをやるのかっていう、水カンはひとつの答えかなって思います。
ーーライヴ会場でお客さんの反応を観ていると、初見のお客さんが「桃太郎」で笑うんですよね。例えば〈犬と猿は仲違い キジは戦力外〉っていう歌詞とか、声を出して笑っているんですよ。僕とかは、今回はこういう歌詞できたかーとか頭で処理しようとしちゃうんだけど、お客さんって歌詞に耳を傾けてすごく素直に反応していて。それを観て、ああ、自分ってあまりに斜に構えすぎてたんだって気づかされて。
金田 : 気にしすぎなんですよ。このあいだDE DE MOUSEさんが多摩ニュータウンで盆踊りイベント(「魅惑の星屑ダンスパーティ~みんなで踊ろう! 多摩の夜空の下で!~」)をしたんですよ。それは全部彼の曲なんですけど、大太鼓で「どどんがどん」のリズムをとって。振り付けはすごく簡単で、櫓のまわりでやっていたんですね。そしたらDE DE MOUSEの曲なんですけど、おじいちゃんが踊り出したり、お父さんが子どもをかつぎながら踊ったり、円が集まってすごかったんです。たかが音楽なのに、みんな考え過ぎなんですよね。もちろん、その後に「されど音楽」ってのがつきますが。
Dir.F : 実際、最近は女の子が増えてきているんですよ。
金田 : コムアイさん衣装もかわいいですからね。
Dir.F : あと、家族連れも増えてきて手紙を頂いたりしていますね。
金田 : みんな知っているものを題材にしているものが多いので、そういうところをきっかけに、子どもはもちろん広がるところが多いなって思いますよ。
ーーコムアイと接していて気づかされることって、枠にはめて考えちゃいけないってことで、できるだけ音楽ファンに向けたものにしちゃいけないって思うんですよね。あまりに音楽に固執しちゃうと、彼女の魅力を損なってしまうというか。
金田 : そう、突きつけられるんですよね。自分が見ている世界ってすごく狭いんだって。僕ジャニーズの舞祭組が大好きなんですけど、最近の曲で「てぃーてぃーてぃーてれって てれてぃてぃてぃ ~だれのケツ~」って曲があって、あの感じをコムアイさんでやったらめちゃめちゃハネると思ってます。楽曲的には、あまり隙間に余計なものを入れずにほとんどリズム・トラックだけに聴こえるんですが、そのリズムに遊びがあって、さらに子供も分かる擬音的なおもしろさも持っていて、その上でちょっと泣きなメロが乗っかってて、チープなんだけど、とにかくドキャッチーなんですよね。さらに音楽に興味があまりない人に対する外向きのエネルギーがあって。kenmochiさんこういうの水カンで書いてくれないかなって。
ーーいままでの話をまとめると、水曜日のカンパネラが、さらにハネるには周りの人たちもパワーアップしていかないとっていうのは、初期から関わってきたバイヤー視点から見ると大きい課題点ですよね。
金田 : そう思います。コムアイさんて水カンの神輿のてっぺんにある鳳凰のお飾りなんですよ。で、そのお飾りがどんどん絢爛豪華にデカくなっていっているのに、それを支える神輿と担ぎ手の足腰が弱いとつぶれて動けなくなっちゃいますよね。あとはコムアイさんは、できるだけ過酷なことを放りこめば絶対にサヴァイブしてレベルアップするじゃないですか。強いから。
御前 : あとは、もっと味方を増やしたいですよね。OTOTOYもビレバンもタワーもそうですし、他のみんなもかかわってほしい。気持ちの入った宣伝をすることで、ようやくお客さんに伝える土台ができると思うんです。あとは、音楽シーン以外をどこまで巻き込めるかなってところだと思います。コムアイちゃんのカルチャーとしてのキャラクターを出してほしい。ファッションだったり情報系とか男性誌もありだと思うし、ジャンルにこだわらない発信ができるんじゃないかと思います。それが結果的に、水曜日のカンパネラの飛躍のひとつの手段だと思います。
ーー本当に可能性を感じますよね。
金田 : 可能性しかないと思います。だから大人は大変ですよ。全力で持ち上げてあげないと(笑)。こういう時代になると大衆音楽って、結局体力勝負というかやっぱりお金を持っている人、あるいはベースがあるベテランが残りやすくなっていくじゃないですか。もちろん実力がある人がお金使って打って出ていくのはすごくいいんですけど。あと今はソーシャルメディアがあるからと言われるかもですが、海外と違っていろいろな問題もあって日本だとそこからブレイクした事例って少ない。そんな中で、すげえ野良からアパッチ野球軍みたいな人がポップ・フィールドでどんどんのし上がっていくのは単純に見たいですよね。コムアイさんは存在感がキャッチーだし大きいから、アンダーグラウンドに留まらずにそこに行けると思ってます。だから大変だと思います。コムアイさんが伸びれば伸びる程、楽曲制作者は「じゃあ曲は?」って常に問われますから。kenmochiさんは音楽家だし、本能的にわかっていると思うので、彼がいまなにを考えているのか知りたいですね。
ーーそれじゃあ、この座談会を読んでもらって取材します(笑)。最後に、お2人からコムアイに言いたいことがあれば。
金田 : 歌と踊りの練習さえしてくれれば、あとは好きなことをなんでもたくさんしてほしいと思います。
御前 : とにかくコムアイちゃんがカワイイので彼女を全面的に応援したいです!!
LIVE SCHEDULE
YEBISU MUSIC WEEKEND
2014年11月2日(日)@恵比寿ガーデンプレイス
水曜日のカンパネラ初の全国ツアー『平成26年度鬼退治行脚!』
2014年11月22日(土)@名古屋「リゾームビルディング」
※イベントですがツアー・ノリ
2014年11月24日(月・祝)@京都 nano
共演 : 【LIVE】TRIPMEN / THE FULL TEENZ
【DJ】426(mogran’BAR) / I♡NY/ LADY GAYA
2014年11月25日(火)@兵庫・神戸 太陽と虎
共演 : ポタリ / Rhythmic Toy World / Anny / L'fin.
2014年11月29日(土)@北海道 Sound lab mole
共演 : PARKGOLF / and more…
2014年12月7日(日)@長野・松本 ALECX
共演 : 夜の本気ダンス/ and more…
2014年12月15日(月)@宮城・仙台 CLUB JUNK BOX
共演 : Fragment×DOTAMA / and more…
2014年12月19日(金)@福岡・天神 voodoo lounge
共演 : TEMPURA KIDZ / and more…
2014年12月20日(土)@沖縄 Output
共演 : Seiho / 2源色 / OA:あーくまじっく
2014年12月21日(日)@沖縄 Output
共演 : 【LIVE】メカルジン / caino【DJ】亮哉(踊ROCK)、しゅうHATE
スペシャル
2015年1月18日(日)@大阪・梅田 Shangri-La
共演 : Seiho / and more…
2015年1月21日(水)@東京・代官山 UNIT
共演 : Charisma.com / and more…
2015年1月25日(日)@岡山 PEPPERLAND
共演 : クリトリック・リス / and more…
水曜日のカンパネラ “私をレジに連れてって” キャンペーン
タワーレコードの一部対象店舗にて『私を鬼ヶ島に連れてって』直前イベントが開催決定!!
①「旧譜を知らないなんて絶対正気じゃない!」旧譜キャンペーン
10/22(水)〜
対象タイトル「羅生門」または「シネマジャック」をお買い上げのお客様に、特典 : 缶バッチプレゼント!
特典:缶バッチは無くなり次第終了となります。お早目に!
②「鬼が島行前夜祭」先行試聴
10/22(水)~11//3(月)
「私を鬼が島に連れてって」の収録曲をコムアイのコメント入りで全曲チラリズム♪
③「水曜日のカオパネラ展」顔抜きパネル展
11/4(火)「私を鬼が島に連れてって」
「私を鬼が島に連れてって」のジャケットにちなんだ、顔抜きパネル展を開催!
顔をあてて写真を撮るもよし! 遠くから眺めるだけでもよし! 絵柄は開催日までのお楽しみ!
◆詳しい対象店は水曜日のカンパネラのHPでチェック下さい。
水曜日のカンパネラの作品をチェック!!
ヴィレッジヴァンガード限定のカバー・ミニ・アルバム、ハイレゾ版!!
水曜日のカンパネラ / 安眠豆腐(24bit/48kHz)
【配信形態】
HQD(24bit/48kHz)
【配信価格】
単曲 249円 / まとめ購入 800円
【Track List】
1. カンフー・レディー / 2. めぐる季節 / 3. 月灯りふんわり落ちてくる夜 / 4. 星めぐりの歌
映画をテーマにした3rdミニ・アルバム、ハイレゾ版!!
水曜日のカンパネラ / シネマジャック
【配信形態】
HQD(24bit/48kHz)
【配信価格】
単曲 205円 / まとめ購入 1,234円
【Track List】
1. ミツコ / 2. 二階堂マリ / 3. 義経 / 4. モスラ / 5. ラオウ / 6. ダ・ヴィンチ / 7. ニキータ / 8. ランボー
CD版とはミックス違いの2ndミニ・アルバムをハイレゾ配信中!!
水曜日のカンパネラ / 羅生門
【配信形態】
HQD(24bit/48kHz)
【配信価格】
単曲 205円 / まとめ購入 1,234円
【Track List】
1. モノポリー / 2. 素子 / 3. 星一徹 / 4. シャア / 5. マリー・アントワネット / 6. アリババ神帝 / 7. 不二子 / 8. 竹久夢二
>>コムアイ、Dir.Fへのインタビューはこちら
お待たせしました!! ヴィレッジバンガード下北沢店限定の1stミニ・アルバムをハイレゾ配信スタート!!
水曜日のカンパネラ / クロールと逆上がり
【配信形態】
HQD(24bit/48kHz)
【配信価格】
単曲 205円 / まとめ購入 1,440円
【Track List】
1. パフ / 2. お七 / 3. ゴッホ / 4. テンテン / 5. 浮雲 / 6. ヒカシュー / 7. マチルダ / 8. マルコ・ポーロ / 9. ネロ
エロスの連載を振り返っておこう
本連載から生まれた、水曜日のカンパネラのエロス第一弾シングル
水曜日のカンパネラ / モスラ(幼虫Ver.)
【価格】
wav / mp3 : 単曲 200円
水曜日のカンパネラのトラック・メイカー、Kenmochi Hidefumiによるモスラをテーマにしたトラックと、そこに乗っかるコムアイのエロスをモチーフにしたリリック。連載第一弾配信シングルにして、すでに最高傑作ともいえる湿気たっぷりのエロス・ソング!! 怪しくくぐもったサウンドにエモーショナルな鍵盤が絡まるロマンティックでエロティックな楽曲にときめきを感じてみては? 水曜日のカンパネラが羽化していくことを予感させる名曲!!
>>第一回『モスラ対ゴジラ』の考察ページはこちら
本連載から生まれた、水曜日のカンパネラのエロス第二弾シングル
水曜日のカンパネラ / ラオウ
【価格】
wav / mp3 : 単曲 200円
水曜日のカンパネラのトラック・メイカー、Kenmochi Hidefumiによる北斗の拳をテーマにしたトラックと、そこに乗っかるコムアイのエロスをモチーフにしたリリック。連載第二弾配信シングルにして、エロス・ソングとしては最大の問題作。
>>第二回『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章』の考察ページはこちら
本連載から生まれた、水曜日のカンパネラのエロス第三弾シングル
水曜日のカンパネラ / ミツコ(セーラー服ver.)
【価格】
wav / mp3 : 単曲 200円
水曜日のカンパネラのトラック・メーカーKenmochi Hidefumiによる『恋の罪』をテーマにしたトラックと、コムアイのエロスをモチーフにしたリリックが結実した、連載第3弾配信シングル。水カン至上最も難産となった1曲にして、現時点での最高傑作。不穏なイントロとくぐもったサウンドでスタートする本曲は、ぐるぐる城の周りを歩いているように、辿り着きそうでつかない雰囲気が醸し出された内容となっている。水曜日のカンパネラが、新境地を切り開き、次のフェーズへ踏み出すためのきっかけになるであろう作品。
>>第三回『恋の罪』の考察ページはこちら
本連載から生まれた、水曜日のカンパネラのエロス第四弾シングル
水曜日のカンパネラ / ニキータ(若気の至りver.)
【価格】
wav / mp3 : 単曲 200円
水曜日のカンパネラのトラック・メーカーKenmochi Hidefumiによる『ニキータ』をテーマにしたトラック&リリック、それをコムアイが歌った連載第4弾配信シングル。静かにゆったりはじまるサウンドスケープから一転、軽快なドラムンベースが疾走感をもたらす。映画のストーリーを示すリリックとあわさることで妙な哀愁がただよう、これまでの水曜日のカンパネラにはない1曲。
>>第四回『ニキータ』の考察ページはこちら
OTOTOY限定のSPECIAL Editionも配信中!!
ここでしか手に入らない限定版
水曜日のカンパネラ / ノルウェイの盛り
【価格】
wav 単曲 200円 / まとめ購入 400円
mp3 単曲 150円 / まとめ購入 300円
【Track List】
1. モノポリー
2. ものぐさ太郎
3. 素子
PROFILE
水曜日のカンパネラ
2012年、夏。初のデモ音源「オズ」「空海」をYouTubeに配信し始動。
「水曜日のカンパネラ」の語源は、水曜日に打合せが多かったから… と言う理由と、それ以外にも、様々な説がある。当初グループを予定して名付けられていたが、現在ステージとしてはコムアイのみが担当。それ以降、ボーカルのコムアイを中心とした、暢気でマイペースな音楽や様々な活動がスタートしている。
コムアイ
担当 : 主演 / 歌唱
1992年7月22日生まれ。
神奈川県出身。
成人しても未だ「クロール」と「逆上がり」ができないという弱点を持つ。
高校生時代には、いくつかのNGOやNPOに関わり活発に動き回る。
サルサ・ダンスに毒され、キューバへ旅し、同世代100人のチェキスナップとインタヴューを敢行。
その後は、畑の暮らしを体験したり、たまに海外へ。
最近は、鹿の解体を習得中。
好物は、今川焼と明石焼といきなり団子。
また、“サウンド・プロデュース”にKenmochi Hidefumi。
その他、“何でも屋”のDir.F。
などが、活動を支えるメンバーとして所属。