バビロン東京に殴り込み!! 珍獣レーベル、オモチレコードの大進撃!!!
「イベントに行くと脱臼したり骨折したり… でも、最後はなぜか大団円!!」と巷で大評判のオモチレコード、ついにオトトイで大特集を組むことになりました!! そこで一気に秘蔵音源を大放出!! また、お得なフリー音源ダウンロードも実施しているので、インタヴューと一緒に楽しんでほしい。
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オモチレコード・カタログ一挙大公開!!
Have a Nice Day! / BLACK EMMANUELLE EP
ブっといベースにウネるシンセ、ごきげんなサンプリング、そして、気だる~く放たれる容赦なくも無意味かつ底抜けに暴力的間抜けさを備えたリリック。既存のヒップホップ、クラブシーンで一切名前を見かけぬこの門外漢グループが市井のヘッズやクラバーに投げかける問題作!
【配信フォーマット / 価格】
WAV、mp3ともに : 1,000円 (単曲は各200円)
【Track List】
01. Are You Ready_(suck my dick)
02. crazy surf
03. a girl say I'm nervous
04. MILK
05. kiss my planet earth
06. scum park
Have a Nice Day! / Welcome 2 SCUM PARK
無駄に派手なダーク・シンセ・サウンドと死ぬほど気だるいラップが炸裂するナード・日本語ラップ!!
【配信フォーマット / 価格】
WAV、mp3ともに : 1,800円 (単曲は各200円)
【Track List】
01. city of snob
02. American Dream,Helters Disco Showcase
03. ハートに火をつけて
04. 夜のハジマリ
05. ゾンビパーティー
06. Kill Me Tonight
07. FUCK UNIVERSE
08. ミッションインポッシブル
09. DEATH FROM ABOVE
10. マッスルシティー
11. tropical storm
12. フォーエバーヤング
13. Kill Me Tonight Remix (Feat. EQ Why)
Fat Fox Fanclub / F
都内を中心に活動する女の子4人組、F.F.F.のデビュー・アルバム。ヒップホップを思わせるクールなアイディアと、黒くファンキーなリズムで作られたスタジオ録音盤。
【配信フォーマット / 価格】
WAV、mp3ともに : 1,000円 (単曲は各200円)
【Track List】
01. T.I.U.
02. Fat Fox
03. Good Job
04. Laugh Song
05. Vampire
06. Y Bitch
07. Big Hip
NATURE DANGER GANG / THE BEST OF NDG NONSTOP MEGAMIX
ハードコア、パンクのエッセンスをレイブ、ベースミュージックといった音楽に落とし込み、快楽的な部分のみ濃縮還元。ライブさながらのノンストップ・メガミックス仕様です! ジャケが素敵ですね。
【配信フォーマット / 価格】
WAV、mp3ともに : 1,800円 (単曲は各200円)
【Track List】
01. プロローグ
02. theme of NDG
03. メディカル ハッピー
04. 世田谷貴族
05. ネクロノミコン
06. Dirty Daddy Harry
07. くノ一Bomber!
08. final atomic war
09. オレたち!
Gnyonpix / EpiDeMic EP
Gnyonpixはjukeリスナーだけに共有されるべきではない最高にイケてるサイケデリックなシットで、オレはもっと多くのヤツらに聴かせたいなあと勝手に思いついてgnyonpixにDMしたのさ。聴いた瞬間にオレやポニーくんを魅了したわけで、表題曲のEpiDeMic、Summer SonerやDive to The Bassのサンプリングと打ち込みが美しく混在してるヤバいアレはロマンティックかつdope。ブラックスワンやファンタジアが目から入ってくるドラックなようにEpiDeMic EPは耳から入ってくるドラックだよ。(レーベル・オーナー望月談)
【配信フォーマット / 価格】
WAV、mp3ともに : 1,800円 (単曲は各200円)
【Track List】
01. EpiDeMic
02. Summer Sonar
03. Basic is Basic
04. Dive to The Bass
05. Circle of Life
06. Dizziness
07. Homesick
08. One Broken Cannon
09. It's On
10. Steppin Into
11. Emotions
12. Dive to The Bass (remix) feat. Y.I.M & Have a Nice Day!
DJ ののの / CHILLAX SURVIVE
歌舞伎町オモチレコードの新作は、Rap Brainsの女の子DJ、のののによるノンストップDJ Mix!!フットワーク、ジューク、ゲットー・テックにRap Brainsのエクスクルーシヴ曲まで全35曲65分!!
【配信フォーマット / 価格】
WAV、mp3ともに : 1,800円
【Track List】
01. intro_I-tal Shout by RYUKI
02. YAMABUSHI_RAP BRAINS feat.SABO YAMO
03. Sun Tsu Blunt_China Expedisound Yunnan Province
04. The Locksmith_Alice Cohen
05. LogiKaL Knowledge Feat. Drop Logik _Es-K
06. A Closer Love_JayTram
07. I Gotcha_K. Locke
08. CCP_DJ Rashad
09. Jumanji_Azealia Banks
10. CD Is Future_Fan Club Orchestra
11. Sign Yer Name_dDamage vs Miss Hawaii
12. Guacha_Guacha (Copia Doble Systema Remix)_rikstailers
13. 123_LOL Boys
14. Y'all Know_Astronomar
15. MMM Meets Tshetsha Boys_MMM
16. Thatha Lo_LV, Ruffest
17. Electric Kombucha Explosion_Andreilien
18. Money Ah Dem God feat. Lady Chann _Dreadsquad
19. Gangnam Style _CP Trapbahton Remix
20. Baile Folk_Chuck Upbeat
21. SCIENCE FIXION_I-tal
22. What_Bassnectar & Jantsen
23. One Time_Jus Now
24. Take Over_KMC
25. RAW_Paisley Parks
26. Heat Impact_Young Smoke
27. Battle Trak_Jlin
28. Shove It In My Back Door_DJ Flip Tec
29. Din Daa Daa_George Kranz
30. Guilford Avenue Bridge_Dan Deacon
31. Break Some Hearts_Daedelus
32. We Can’t Stop_333 Boyz
33. On A Ragga juke_Ind_Sim_Fris
34. Die Welt Ist Schon_Thomas Freitag
35. Star Wars Theme feat.TOKI_TICO_TA
INTERVIEW : レーベル・オーナー望月慎之介と、Have a Nice Day!アサミ
うわ、なんだこれ、まじでやべー、体がうずうずしてしかたねえんだよ、ふざけんな、傍観してられるか、うおおーーー!! 暴れるしかねえぜ!! ってな具合で、31歳の筆者も気がついたらコマのようにくるくる回りながらモッシュしてるやつらを吹き飛ばし、吹き飛ばされ、大きな雄叫びをあげて最終的にはシンガロング、汗ブッシュブシュで息切れしながら笑って終電逃していました。ここまで原始的な音楽への享楽とワクワク感で満ちている場所が、2013年という時代に存在していることに感謝。なにに感謝? そりゃあ、音楽でしょ。そして、馬鹿みたいに音楽が好きで、身体がうずうずしちゃうようなミュージック・ラバーたちに。新宿LOFTを中心に行なわれているイベント「スカムパーク」は、いま一番アツくてヤバいイベントと言っていいだろう。いや、そうだと保証する。知らないヤツは絶対チェックしてくれ。現在進行形で、後に伝説になるってわかってるイベントが生まれてるんだからさ。
歌舞伎町の怪しいキャッチの誘惑の先、地下の階段を降りた場所にある新宿LOFTで夜な夜な酒を飲みつつ、ヤバい音楽を探しながらイベントを仕込んでいる金色のヒゲの男、それがオモチレコードのオーナー、望月慎之輔。そして、同レーベルから自身のバンド、Have a Nice Day!の音源を出しつつも、同レーベルの音源制作をにない、「スカムパーク」の客席で誰よりも暴れている男、アサミ。この2人が軸となり生まれたグルーブはひとつのシーンになりつつある。そこに集まるのは、とにかくイルで、酒が好きで、暴れるのが好きで、新しいヤバい音楽を知りたがっていて、人生が音楽で出来ているようなヤツらばかり。JUKEやゴルジェ、ファンコットといった海外からやってきたアガる音楽を自分たちで調理して、それでガンガン盛り上がる。フォークの弾き語りでもサークルピットができてしまう最高な場所だ。今回、OTOTOYではオモチレコードを中心に起こっている現在に迫った。「俺たちはひょうきんさ ふざけてる いつでも」。着ている服をすべて脱ぎ捨てて暴れたくなる、危険だけど最高にアツいシーンへようこそ。言葉にできないようなおもしろいことはいつだって現場で起こってるんだよ、ばかやろう!!
インタビュー & 文 : スカムライター西澤くん(ポエムコア志願中)
義務にかられてやっているわけじゃなくて、楽しくて続けているパーティですからね
ーーここ最近、現場で遊んでいる人たちから、望月さんの名前を聞くことが本当に多くなっていて。ぼくも、2014年は新宿LOFTが台風の目になるんじゃないかと思っているんですけど、盛り上がってきている実感ってありますか?
望月慎之輔(以下、望月) : 周りが盛り上がっているというより、やってるこっちがおもしろいと思っているほうが大きいというか。
アサミ : 全然フラストレーションないですもん。終わったあとの飲み会のメンツがすごくいい!! みたいな(笑)。
ーーこの前の「スカムパーク」も、ほぼ誰も物販やってなかったですもんね(笑)。
望月 : 義務にかられてやっているわけじゃなくて、楽しくて続けているパーティですからね。
アサミ : 基本的には、暴れたい人とか盛り上がりたい人たちがいっぱいいる。下手したら、出演者、それこそNATURE DANGER GANG(以下、ネイチャー)の関くんとか、Fat Fox Fanclub(以下、ファットフォックス)のペリ(ペリカン)ちゃんとか、そのへんのやつらがドカドカ暴れていて。
ーーそう、出演者本人たちも一緒になって楽しんでいる感じがするんですよね。そもそも、ネイチャーはお客さんたちが始めたグループなんですよね。
望月 : そう、「SHIN-JUKE」の客で、どついたるねんのファンだったんですよ。
アサミ : 「バンドを組んだんでやりたいです!!」って、ある日突然生まれて。十代暴動社の長州ちからが「いいところがひとつもない」って大喜びしてさ(笑)。
望月 : 「東京でいま一番おもしろいだけのバンド」ってね(笑)。
ーーあはははは。最高じゃないですか!! いまも話に出てきましたけど、オモチレコードってイベントがとにかく多いんですけど、どれくらいやっているんですか。
望月 : 最初に、JUKEを中心にしたクラブ・ミュージックとバンドが同時に出演する「SHIN-JUKE」ってイベントをはじめて。それをもっとHave a Nice Day!(以下、ハブナイ)寄りにしたイベントが「スカムパーク」ですね。
アサミ : その他に「エレクトロスカムパーク」っていうのがあって。それは、エレクトロ中心のDJを呼んでバンドと交互にやっています。あと「Pay to SCUM」っていうのがあって、それはラップとかポエムコアのBOOLくんとか出演する、リリックのある音楽が中心のイベントです。
ーー大元としては、「SHIN-JUKE」が大きなきっかけになっているわけですよね。JUKEって、久しぶりに新しい体験をもたらしてくれた音楽でしたよね。
望月 : JUKEのDJの人たちは、JUKE以外もいろいろと聴くし、受け入れてくれる土壌があって、それも大きかったですね。
アサミ : お客さんもそうなんですけど、とりあえずおもしろければなんでもいいって人たちが多いから、ノリがいいんですよ。
望月 : でも、めちゃめちゃストイックなんだよね。有名かどうかじゃなくて、おもしろかったり、かっこいい音楽をやっているかどうかでしか反応しないお客さんが多いから。
ワン・アンド・オンリーなグループがいいんですよね
ーー今回はオモチレコード特集ということなんですけど、この1、2年で急速にレーベルのイメージが変わったなと思っていて。当初は、東京のインディ・バンドをリリースしていくって印象が強かったんですけど。
望月 : もともと、南池袋ミュージック・オルグのCD売り場のことを「おもちレコード」と言っていて。柴田聡子とかのCDを棚に置いていたんですよ。だから、もともとはレーベルじゃないんです。
ーー望月さんがセレクターみたいな形だったわけですね。
望月 : 俺と宮崎(岳史)くんが2人でやっていて。最初にリリースしたマリリンモンローズに関しては、その繋がりでCDを作りたいって話になって。CDを流通させるためにレーベルを作っておかないとって感じで作ったんです。モンローズのリリースを続けていこうってところからはじまって、そこから基本は知り合いの音源を出していっていますね。
ーー知り合いのとはいえ、どういう基準で選んでリリースしていくんですか。
アサミ : こいつはイケてる!! って奴ですね。ファットフォックスは、はじめてライヴを観て超かっこいいなと思って。長州くん主催の「Gorilla Step」っていうスタジオ・ライヴで観て、「なんてかっこよくて、なんて無名なバンドなんだろう」と(笑)。
ーーあはははは。
アサミ : ワン・アンド・オンリーなグループがいいんですよね。グニョンくん(Gnyonpix)も一人京都でJUKEを作って、ブーティチューンから音源をリリースしているんですけど、前の音源は普通にJUKEだったので、オモチレコードから出してもしょうがないなって感じだったんですよ。でも今回うちから出す『EpiDeMic EP』は、めちゃめちゃエモいんですよ。JUKEなんですけど、サイケというか、ボーズ・オブ・カナダとかエイフェックス・ツイン、ビョークの雰囲気を感じさせる。これだったら東京のオルタナ・シーンでも聴けるんじゃないかっていうのがあったので、無理矢理声をかけて。基本的にTwitterでやりとりをしているんですよ。だから、会ってみて食品まつりはこんなビジュアルなんだ!? とかってなるのがおもしろくて(笑)。
ーーアーティストとか新しい音楽を知るきっかけとしては、ネットが大きいですか?
望月 : めっちゃ大きいですね。
アサミ : それこそ、Twitterでやりとりして、会うのは現場みたいな感じです。普段はあまり遊んだり会ったりしないんですけど、現場で会ってだんだん仲良くなっていく。まあ、基本的に音源ありきなんですけどね。
望月 : そこ(音源)がよくないと声をかけない。いまは半分以上アサミさんのほうで制作周りとかしてもらっていて。「スカムパーク」の流れに沿った形でリリースがまわっているのもあって。
基本的にはパーティがメインで、あくまで音源を交換する場としてネットがある
ーーオモチレコードが強いなと思うのはLOFTって場所があることで、音源からイベントへと循環ができているわけじゃないですか。
アサミ : そうですね。インターネット・レーベルだと、最終的な着地点がやっぱりどうしてもリリースになっちゃうから。いまはフリーで試聴できるし、家のなかでもできるから。僕らはそうじゃなくて、最終的には外に出て、ドカっとやりたい。
ーー「スカムパーク」もそうなんですけど、想像以上にフィジカルなんですよね。
望月 : (笑)。静かに聴いている人はいないから。
アサミ : 静かに聴いているヤツ、ふざけるな!! と思ってますから。それは家でやれって(笑)。
ーーネットと現場って結びつかない先入観があったから、それがおもしろくて。
アサミ : 基本的にはパーティがメインで、あくまで音源を交換する場としてネットがある。JUKEなんかは、はじめて聴いたときピンとこなくて、これ本当にノレるの? って思ったんですけど、クラブとかイベントで聴いて、現場的というかフィジカルに強い音楽なんだなと。最終的にフィジカルに強い音楽が「スカムパーク」では強いですね。
ーーあと、ベースミュージックと相性がいいですよね。
望月 : やっぱり、ベースミュージックに付随してダンスがあるというか。JUKEだったらフットワークがあるし。いろいろ踊りがあるから体を動かしたくなっちゃう。
アサミ : 少ない音とか、しょぼい音でも、みんなをノセる音楽なので。キック、スネアがあって、ベースがブリブリしてて、そういうわかりやすい音楽のほうがノレますよね。声ネタとかも馬鹿みたいにわかりやすいんで。だからこそ、家で聴いてもおもしろくないだろうなと思うし。それが現場で鳴ることでドワってなる。エレクトロとかだと、モッシュが起こるんですよ。
ーーエレクトロでですか?!
アサミ : そう。BAXIMくんっていうDJのときにモッシュが起きたりクラウド・サーフがおこるんですよ。
望月 : バンドだろうがDJだろうが、関係ない。
アサミ : とにかくおもしろければいいっていうお客さんのノリはいいですね。あと、お客さんを調教していますから(笑)。客が2人とかで盛り上がらなかったら、お前らのせいだって言って、客2人にクラウド・サーフさせるっていう。
ーー無理でしょ(笑)?
望月 : できるんですよ(笑)。少なくとも、10人くらいいればできる。
俺は独自のヒーローみたいなものを存在させたいと思っていて
ーーそれにしても、オモチレコードは一般的な評価基準からは離れたところで思いっきりやっているなと思って。
望月 : 音楽なんて、好きか嫌いじゃないですか? だったら、好きな人同士で集まったほうが絶対楽しいし。有名かそうじゃないかで観にくるわけじゃないから。
アサミ : 一番最初「スカムパーク」でいい感じだと思ったときって、お客さんが、出演者の楽曲を歌えるんですよ。ライヴ中にシンガロングできる。それこそRAP BRAINSの「ZECCHO」って曲に関しては、みんなサビを歌えるんですよ。そこで、シーンが生まれてるんだなと思って。
望月 : なかなか歌うことってないですからね。
アサミ : 俺は独自のヒーローみたいなものを存在させたいと思っていて、いいなと思った奴を執拗に何回も呼んでいたから。ファットフォックスとかネイチャーに関しては、ほぼ毎回出ていたんですけど、そうなってくるとお客さんは曲も覚えてくるし、いま盛り上がっているこのメンツがいいんだなって。そういうふうに洗脳できる(笑)。
ーー要するに、一からシーンを作っているわけですよね(笑)。
アサミ : いまはレギュラー・メンツに、ネイチャー、ハバナイ、ファットフォックス、チミドロとかがいて、純レギュラー・メンツみたいのがいて、1、2組が新しく入ってくるみたいな形なんです。最近は、わりかし新しい人を入れることが多いんですけど、基本的にはいつものメンバーを集めてやるみたいな感じですね。でも、思うんですけど、RAP BRAINSが新曲をやるじゃないですか。スベルんですよ。別に嬉しくないんですよね、新しい曲とかやられても。やっぱりみんな「ZECCHO」を聴きたいんですよ。「ぜっちょー」ってやりたくて来てるから。もし新曲をやるんだったら、ネット上でバズらせて根付かせてからがいい。「Dive To The Bass」っていうグニョンくんとY.I.Mと一緒に作った曲があって、その曲なんかは先にネット上にあげておいて、来る会場の人が歌えるようにしたんです。
望月 : 「スカムパーク」に来る人ならみんな聴いているみたいな、ね。
アサミ : 基本的にTwitterで繋がっている。
客じゃなくて、メンバーだと思ってる
ーーいまって、ネットとかスマホとか、娯楽がたくさんあると思うんですけど、「スカムパーク」に来てる人って、現場にきたらそこで全力で遊んでる感じがにじみ出ていて。Tweetとかネットを忘れて、その場で踊り狂って暴れ回っている。それって本当にすごいと思うんですよ。
アサミ : それは嬉しいですね。まさに目指しているところなんで。
望月 : 他に楽しみがないからね。
アサミ : そんなことないでしょ(笑)。
望月 : あははは。でも、リピート率は半端ないですね。
アサミ : 一回来てハマってくれると、しょっちゅう来てくれる。だから客じゃなくて、メンバーだと思ってる。「スカムパーク」のクラウドだと思って接してますもん。
望月 : スカムヘッズだよね。
ーー(笑)。いわゆる戦略的なお客さんの集め方じゃなくて、本当におもしろいものをお客さんが求めて来ていますよね。
アサミ : 「スカムパーク」に来る人って、有名じゃないけど、なにか新しい音楽を聴きたいって人が多い。新しい音楽の情報を交換したり、イベントの情報を交換したりっていうのはしやすいんですよ。お客さん同士のコミュニケーションがいきやすいってのはありますよね。
深夜2時3時のモッシュピットのなかに真実があると信じているんですよ
ーーオモチレコードを運営するにあたって、目的があるとしたらなんだと思いますか。
アサミ : 僕の場合はお金がまわる以前に、シーンを作りたいなっていうのがすごくあって。現行のシーンでこの人たちすげえおもしろいなって人があまりいないっていうか。
望月 : おもしろい人たちがいても、それがシーンになっていないんですよ。
アサミ : WD soundsとか、SEMINISHUKEI、BLACK SMOKER、CHAOS PARKとかless than TVの先輩方の作ってきたシーンはおもしろいと思うんですけど、同じ世代でそういうシーンがあるのかって言ったら、なくて。
望月 : もしかしたら、興味のないところにあるのかもしれないんですけど、それは好きじゃないからわからない。
アサミ : でも、あったら少しでも耳に入ってくるんじゃないですか? それこそ、お客さんが壁際にはりついて静かにしている宗教めいた空間が大嫌いで。お前ら金払ってなにしにきてるんだよ!! って。
望月 : 楽しみ方の違いなんですけど、どうせ金払うんだったらねって。
アサミ : 例えば、前にいる10人くらいしか盛り上がっていないライヴがあって、こいつらはフロアを盛り上げるつもりもないし、自分たちでなにかを作り上げようともしていない。完全に傍観して、それを観て、Twitterに書いて、馬鹿なんじゃないかなって。深夜2時3時のモッシュピットのなかに真実があると信じているんですよ。やっているクラウドたちを、俺はもっとも信頼している。そいつらのためにやっていてる。そういうフィジカルなシーンがないから自分たちでやっている。あったらいいんですけど、ほどないっていうのが現状ですね。
ーーシーンが広がるのって、音楽を巡る環境だったり人を育てる種でもありますからね。オルグの宮崎くんもとか僕も、そういうシーンに触れることで、ライヴハウスだったりメディアの側から盛り上げていこうってなったし。それって数年後に生まれるんですよね。だから、「スカムパーク」を観て衝撃を受けた人がなにかをはじめてほしいですよね。ただ、このシーンが大きくなったときに、いまのおもしろさが続くかっていうのは心配でもあって。
アサミ : ほんとそうですね。そうなったらやめですよ(笑)。また地下に潜る。
望月 : まあ、売れているインディが、メジャーに行って客が変わるってことは昔からあるからね。
アサミ : ヨーロッパのハウス・シーンでは、自分たちのシーンを守るために、作ったレコードの名前とかDJがまったくわからなくしていて。その場にいた人が音で判断するしかないっていうふうにしていたんですよ。シーンにいる人が自分たちのシーンを守るために、そういうことはなしてきた。僕らは守ろうとしてっていっているわけじゃなく、そうなっているだけですけど。情報はオープンしているんですけど、まだそんなに人が来るわけではない。
別にスカムをやりたいわけじゃないんですよ
ーースカムって言葉をイベント名に冠している理由はあるんですか。
アサミ : もともと、ハバナイの曲で「スカムパーク」っていう曲があって。「B BOY PARK」、「CHAOS PARK」、「サウスパーク」っていうのがあって。
望月 : 世界3大パークね(笑)。
ーーあははは。
アサミ : ヒップホップの祭典「Bボーイ・パーク」、ハードコアの祭典「カオスパーク」、アメリカンジャスティスのアンチ「サウスパーク」に対抗するためというか。われわれには一個のジャンルがあるわけじゃないんで、スカムっていう言葉に頼っているわけじゃないんですけど、つけていて。別にスカムをやりたいわけじゃないんですよ。
望月 : スカムなやつはあんまりいないもんね(笑)。
アサミ : 気持ち的には、ライヴハウスをユンボで破壊するくらいのアティテュードはあるんですけどね。あくまでパーティがあって、モッシュピットとか現象だったり繋がりがあるっていうところなので。クラウド・ラップってあるじゃないですか? メイン・アトラクションズとかフラットブッシュ・ゾンビーズとか、スペースゴーストパープっていうシーンのヒーローがいるんですけど、そういうシーンって無料でインターネットで進んでいるんだけど、最終的にライヴを観るとみんなすごくモッシュしているんですよ。フラットブッシュ・ゾンビーズの「サグワッフル」っていうアンセムがあって、みんな歌いながらどわどわって。なにこのフィジカルなノリ?! っていうのがいいんですよね。フフラットブッシュ・ゾンビーズってすごく人気があるんですけど、フィジカルでリリースがないんですよ。1stアルバムの次に出た『Better Off Dead』は完全にフリー・ダウンロードなんですよ。あの感じすげえいいなって。
望月 : いま盤を作ってもアメリカ国内でどれだけ売れるのって話ですから。CD屋ないし。
アサミ : 僕たちもCDは作っているんですけど、アーカイブというか記録的なものであって。それこそリリース・パーティをしたいための口実です(笑)。
ーーあははは。あと音楽的に、リズムに特色があるものが強いのかなって。
アサミ : ダブステップとかもそうですし、グライムもそうですしね。リズムが独特っていうのはありますよね。
望月 : ただ、ぶっちゃけそこも新しいものじゃなくてよくて。いま誰も聴いていない音楽でも、古いけどいまきいてもいいじゃんって。シカゴハウスとか、アシッドとかもそうだし。
ーーそれが不思議なんですよね。誰がやっているかはさほど関係なくて、あがる音楽がかかってくれればいいんだって思える環境がここにはある。
望月 : でも、それって普通じゃないですか? 最初音楽を聴くときって、ぱっと聴いていいものを買うってものだけど、雑誌とか外からの情報である意味洗脳されているわけじゃないですか。テレビから流れているものがすべてって人もいるし。でもそうじゃないところにも音楽は沢山あるし、パーティもあるから。
アサミ : これは、東京だからできますよね。ものがたくさんあるからこそ、逆に極端なものを求める人がいる。あと、ある種はやりがあるからはやらないものをやる。
ーーそれじゃあ、新宿って場所は影響していると思いますか。
アサミ : 新宿ドゥースラー、BE WAVE、なくなっちゃたんですけど新宿OTOがあって、LOFTがあって。なんで、わりとベースミュージックが強い場所みたいに思っていますけどね。下北にはシェルターとTHREEがあって、仲いいオルタナ・バンドがわりかし一緒に集まっている感じなので、そういう意味では新宿・下北が活動拠点って感じはしていますね。
とにかく暴れたいってやつは来てほしいですね
ーー月に6回くらいイベントを開いていて今後大丈夫かなって心配もあるんですけど。シーンを作って、続けていってほしいです。
望月 : イベント名に恥のないものにしたいですね。
アサミ : いい客がいて成り立つってところがあるんで、うちは客を選んでいるところがあるというか、甘やかさないんですよ(笑)。びしびしやる。東京が好きでやっているし、オルタナ・シーンを着火させるためにやっているんだってことを理解させないと。
望月 : 自分の土壌をつくったほうが、楽しいっていうのもそうだし、やりやすいし、実感がわくというか。
アサミ : せっかくいい音楽をやっていても、正しい土俵でやっていないとちゃんと評価されない。単純にこいつらの音楽が好きだってやつが暴れているから、そういう意味で、正しく評価される土壌を「スカムパーク」で作りたい。だから、結果的にあんまり有名じゃない人が集まるのもそういう理由もあるんですよね。いまうまくいっている人たちは、正しいところでうまくいっている。「スカムパーク」みたいな土壌を必要としているのは、シーンからあぶれちゃっている人たちなんですよね。そういうのをイベント単位でできるようになったのはだいぶ間口が広がってきた感じはありますね。外側からもおもしろそうと思ってくれて、才能あるなって思うやつが出てくれたりもして。
望月 : 演者が演者を評価している感じがあって、一緒になって盛り上がっているのもあるよね。
アサミ : 出演者同士がすごく仲良くなるし、変な軋轢とかないし、楽ですね。
望月 : ストレスないしね。気使わないし。
アサミ : だから、これ読んで気になって、とにかく暴れたいってやつは来てほしいですね。
EVENT SCHEDULE
このインタヴューを読んで「とにかく暴れたい」、「深夜2時台のモッシュピットを体感したい」、また単純に寂しいひとは、ぜひお誘いあわせてご来場くださいませ。SCUM PARKは間口の広い遊び場です。
Internet Scum Park
日程 : 2014年2月21日(金)
時間 : 開場 18:30 / 開演 18:30
場所 : 新宿ロフト
金額 : 前売り ¥1,500 / 当日 ¥2,000
出演 : Have a Nice Day!、Harley & Quin、§✝§、えゎモゐ
※「タンブラーの楽しみ方講座」も当日開催されます! お得です!
スカムパーク
日程 : 2014年2月28日(金)
時間 : 開場 24:00
場所 : 下北沢THREE
金額 : 前売り ¥2,000 / 当日 ¥2,500(1d)
出演 : ALchinBond&SEKIS&DIKE、D.J.APRIL、でぶコーネリアスEX、TREKKIE TRAX、FRUITY&Weezy(SHINKARON)、GORO GOLO、Have a Nice Day! ほかたくさん
RECOMMEND(D.J.G.0)
Anal Cunt / 40 More Reasons To Hate Us
偉大なバンドです。5643曲もの楽曲を11分のシングルに収めたり、悪口言ったり、彼らの偉業は延々に語り継がれるだろう。今年はオモチレコードから逮捕者がでるかもしれませんが、公安の取り締まりに屈することなく、A×Cのような先人を見習い、向かい風のなかを突き進め! オモチレコードよ伝説となれ。
Atari Teenage Riot / Delete Yourself (Remastered)
1995年のアルバム(世界ツアー前、空港に柔道着1着だけ持って現れた故カール・クラックがいたころ)。アレック・エンパイア本人は、レイヴ嫌いを公言してるわりに音楽の作り方は完全にレイヴ・マナー。アタリの角を削って寸胴鍋で一昼夜煮込んだら、NATURE DANGER GANGになると思う。
ブブゼラ・クロマチック楽団 / ブブゼラ!世界のうた
ワールドカップ南アフリカ大会で一躍世界的な話題となった楽器ブブゼラ。音階を持たないブブゼラの生音をコンピュータ技術により3人組のトリオ編成として再現したヴァーチャル楽団ブブゼラ・クロマチック楽団による世界の民謡 & 伝統曲集。おそらくオモチレコードの次のリリースではブブゼラが大々的にフィーチャーされると予想される。
PROFILE
オモチレコード
2011年くらいから、池袋ミュージックオルグのCD棚での委託CD販売からスタート。その後、マリリンモンローズを第一弾とし、CD、レコードのリリースをはじめる。レーベル内での音楽のジャンルはまったくバラバラ。音源の制作の他、レーベル主催で「SCUM PARK」、「Electro SCUM PARK」、「Pay to SCUM」、「High Tension Party」、「Kill Me Tonight」などのパーティーイベントをライヴハウス、クラブにて毎月開催。これらのパーティーには気が触れたクラウドたちが毎回激しいモッシュピットを産み出し、出演者も客も混沌となり、夜毎刹那的な瞬間を生んでいる。
>>オモチレコード・オフィシャルHP