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少し遅れてやってきた衝動! フラットライナーズ
フラットライナーズ / 不運な人
【トラック・リスト】
01. トゥルーラブストーリー / 02. 不運な人 / 03. ヘルシーガール / 04. パインボックス / 05. セダン / 06. 犬の一生 / 07. 狭き門 / 08. 遠くへ行きたい / 09. ビューティフルガール / 10. ボーイズ&ガールズ世界大会 (M10はアルバム購入者のみのボーナス・トラック)
「憎らしいほどカワイイ奴ら」 ―浦沢直樹
「不思議な脱力感。かろやかな失望。だるくてゆるい希望。この人たちの音楽は癖になる」 ―角田光代
新しいものが求められる社会で意地を見せる不屈のバンド
ここ数年、特に時代の変わり目にいると実感することが多い。僕たちは今までにないくらい変化の早い社会に生きている。今はTwitterやYouTubeを活用しているけれど、数年後にはまったく別のツールを使っているかもしれない。便利になっていくのはいいけれど、そのスピードに置いていかれてしまうのではないかと心配になることもある。そんな高速道路並みの社会に生きていると、逆に変わらないなものに惹かれることも少なくない。一瞬で全てを覆してしまうようなものよりも、時間をかけて層をなしていったものが愛おしくなる。そういう意味で、フラットライナーズというバンドも、不器用ながら時間をかけて厚みを増してきたバンドである。その積み重ねは、彼らの音楽を語る上では欠かせない。
『MONSTER』や『20世紀少年』など、多くの名作を生み出している漫画家、浦沢直樹のアシスタントだった石川俊樹(Ba/Vo)、佐藤誠司(G/Ch)。その2人が1990年に結成したバンドを母体に、幾度かのメンバー・チェンジを経て、2003年頃、現在のメンバー構成に落ち着いた4人組。バンド暦は20年を越え、現メンバーになってからでさえ8年も経っている。今作『不運な人』は、満を持してのファースト・アルバムになる。
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考えてみると、影響を受けたバンドの固有名詞がバンバン浮かんでくるようなバンドは、最近では案外思い浮かんでこない。ましてや、80年代後半以降のUSインディー・ロックがここまでにじみ出ている作品には、なかなかお目にかからない。それも表面上だけをなぞったモノマネ的なものではなく、影響から一生逃れられないくらい染み付いている感じがたまらない。一聴すると、PAVEMENTやBuilt to Spill、PIXIES、Superchunkなどの音楽を思い起こさせるけれど、よく聴いていくと、ボトムには初期WEEZERの泣き虫ロック的なエモーショナルも見えてきて、なおさらグッと来る。そうしたサウンドに乗る、YO-KINGにも似た真っすぐで力強い石川のヴォーカルがいいアクセントになっている。歳を取ることで油が乗ってきていることは間違いないだろう。
これだけ影響が見えると単なる懐古趣味にもなりかねない。しかし、好きなことを突き詰めて何十年もやり続ければ、オリジナリティに行き着くということを彼らは身をもって教えてくれる。もちろん単純に真っすぐやってきたのではなく、自分たちのアイデンティティに悩み、“3歩進んで2歩下がる”ことを繰り返しながら続けてきたのだろう。だからこそ、これほど時間がかかったのではないか。悩みながらも決断し自分の道を進む大人たちによるロックがここにはある。
歌詞を見ると、世の中に対するあきらめや、斜に構えたような感覚があるように見える。しかし心の奥底ではあきらめてなどいないことは明白だ。それは楽曲からも響いてくる。強い希望の光が楽曲の奥底にある。そもそも希望がなければ、20年近くバンドを続けてきていないはずだ。また、石川は大学でマンガコースを受け持っている。Twitterやブログには、生徒たちに対する熱い想いと、漫画に対する情熱が綴られている。音楽に対しても、漫画に対しても、希望を持ち続けて生きてきた人たちなのだろう。自分が信じたものに対するあきらめの悪さみたいなところが何よりの魅力になっている。アルバム・タイトルが『不運の人』というのも、皮肉っぽくてニヤッとしてしまう。決して不運な人たちなんかじゃないということは、本人たちが一番分かっていることだろう。これまでやってきた自信と誇りが、それぞれの中で光っているのが見えてくる。新しいものが求められる社会において、一本の軸を持ち意地を見せる不屈のバンドだ。(text by 西澤裕郎)
不器用な男が歌う愛おしいロックンロール
奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 / Official Bootleg 2011 -LIVE in KYOTO & TOKYO -
日本各地のライヴにソロ/バンド問わず、年中ひっぱりだこ。2011年9月にはデビュー・アルバムにしてベスト・アルバムとも呼べる名盤『GOLDEN TIME』を発表し、2011年、飛ぶ鳥落とす勢いで全国にファンを増やしていった奇妙礼太郎。本作に収録するのは2011年10月23日に行われた京都のインディー・フェス「BOROFESTA'11」でのライヴと、2011年11月13日、渋谷WWWで行われた「OTOTOY presents VANISHING POINT」でのライヴの模様。酔いしれながら聴くもよし、ドンチャンしながらみんなで歌うもよし。大阪が誇るグッド・シンガー、奇妙礼太郎に何度でも心奪われてください!
BOGEY / 青い春
福岡を拠点に、トロピカル&ダンサブルなバンドnontroppoの活動のほか、最近ではルーツである弾き語りでのライヴも積極的に行っているBOGEYから、ライブでの定番曲であり永らく音源化が望まれていた名曲「青い春」を含む13曲入りのアルバムが到着! 本作は、限りなくいつも通りのライブに近いコンディションで録音をする為に、“魔王セッション”と銘打たれ、一曲録るごとに焼酎「魔王」で乾杯。呑むほどに酔うほどに絶好調になっていくという“酔拳”方式で録音されています。弦が切れても、コード間違っても、声が裏返っても、演奏がノッていればOK! 福岡の個性派ミュージシャンやおとぎ話のメンバーを迎え、表情豊かな作品が誕生しました。
日本語詞によるロックンロールの可能性を追求するマーガレットズロース。彼らが2009年12月26日に新代田feverにて行った"ロックンロールアニマルツアー"ファイナル・ワンマンの模様を鮮明に記録した本作。会場の熱気と息づかい、ロックンロールの衝動、彼らの声から気付かされる日本語の美しさをご堪能ください!
フラットライナーズ LIVE SCHEDULE
『不運な人』レコ発スペシャル“MOONLIGHT DRIVE 8”
2012年2月12日(日) @新宿MOTION
OPEN 18:00 / START 18:30
前売り : 2,000円 / 当日 2,300円 (共に1drink別)
W / Hello Hawk / room202 / toddle
フラットライナーズ PROFILE
漫画家、浦沢直樹氏のアシスタントだった石川、佐藤が1990年頃バンドを結成。幾度かのメンバー・チェンジを経て2003年頃に現状のメンバー構成に落ち着く。なおドラムの磯は石川の妻であり自身のバンド「Sweet Sunshine」ではピアノ&ヴォーカルを務めるが夫の依頼で初心者ながらドラムで加入、ギターの井上はtoddleの小林愛氏のバンド「swarms arm」でも活躍していた。2007年頃から三軒茶屋Heaven’s doorを中心に各種レコ発イベントや企画に参加するかたわら、盟友「room202」と共同企画『MOONLIGHT DRIVE』をスタート。師匠である浦沢直樹氏とは、2009年の自主企画、2010年の「Sweet Sunshine」企画のライブで2度共演を果たしている。また2011年2月には新宿「MOTION」にてtoddleと共演している。2012年2月12日にはレコ発を開催予定、toddleの参加が決定している。