PART2 : キャン・マイカ
GANG PARADEのなかで狭間の世代的なポジションで活動するキャン・マイカ。10月2日の名古屋ワンマンで新メンバーとして加入するも、10月6日には元SiSのメンバー3人の電撃加入が発表され、新人ながらにして新人ではないような立場となってしまった。その裏には、ギャンパレのフォーメーションと激しいダンスをわずか1ヶ月の猛練習で習得し、初ワンマンでやりきった人並み知れぬ努力があった。そんなマイカが、7人体制での新宿BLAZEワンマン、12月3、4日の2日間に渡り開催された熱海までの200km駅伝を経てどのようなことを考え、どのような気持ちで「Plastic 2 Mercy」を歌っているのか、話を訊いた。
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
7人でGANG PARADEだって確信を持てて、もう1人じゃないって思えた
ーーいま「サキドルエース SURVIVAL」で雑誌の表紙掲載をかけて競っていますけど(※取材日は2016年12月25日)、メンバーや遊び人(※GANG PARADEファンの呼称)も含め、かなり気合を入れて頑張っていますよね。
キャン・マイカ(以下、マイカ) : 渡辺さん(※渡辺淳之介 / GANG PARADEプロデューサー)から「グラビア、やってみる?」って誘ってもらってギャンパレ代表で出させてもらったんですけど、こんなにバトルになるとは思ってなかったのでちょっとびっくりしていて。自分がもっと人気だったらこんなに競って悩まなくて済んだのかなって気持ちもありつつ、ヤングジャンプに載せさせていただいたのをきっかけに知ってくれた人もいるからよかったなと思っています。
ーーマイカちゃんはグループ内の狭間の世代みたいな感じなので、こうやって注目される場所があるっていうのはよかったですよね。半分本気、半分冗談みたいな感じで「もっとチヤホヤして」みたいなこともつぶやいてますよね。
マイカ : あれ、めちゃくちゃ本気ですよ!! 気にしてなさそうに見えたり、チヤホヤしてっていうのがネタに見えるかもしれないんですけど、実際は結構本気で。やっぱり先輩3人はギャンパレ歴が長いから知っている人も多いし、後輩3人は話題が大きかった分、私だけ「この子誰?」みたいになっているのがモヤモヤしていた時期もありました。でもこうやって1人でヤングジャンプでのグラビアの機会があったりして、ちょっとはみんなに追いつけたのかなって気持ちでいます。
ーーお披露目ライヴとなった名古屋ワンマンでは、いきなり全曲を踊って歌ってみせたじゃないですか。すごい努力をして舞台に立ったんだなと思うんですけど、気持ち的にギャンパレの一員になった実感はいつくらいから持てたんですか?
マイカ : 自分の中では200km駅伝が終わってからギャンパレ7人の中の1人になっているなって気持ちになりました。
ーー新宿BLAZEでのワンマン(GANG PARADE、7人体制で立った当たり前じゃない大切な新宿BLAZEーーOTOTOYライヴレポ)はそうでもなかった?
マイカ : BLAZEワンマンは入って1ヶ月ちょいの時期だったので、自分の考えも言えなくて頭がパンクしそうな時でした。
ーーじゃあ、駅伝がメンバーと親密になるっていう意味では大きかった。
マイカ : めちゃ大きかったです。しんどかったけど駅伝があってよかったなと思っていて。BLAZEワンマンまでは練習でも4人が新メンバー3人に教えるような感じだったんですけど、マラソンはそういうこと関係なしに7人で走ったから。自分の気持ち的に、みんなにどこかで遠慮している部分とか、孤独とまでではないんですけどそういう気持ちがあって。マラソンで全部気持ちが晴れたというか、自分の中で7人でGANG PARADEだって確信を持てて、もう1人じゃないって思えた。
ーー最初なんで走るんだろう? って思わなかったですか?
マイカ : POP~GANG PARADEがいっぱい走ってきているのを知っていたし、ミキちゃんとユアちゃんが入ったお披露目もマラソンだったから、走らないと本物じゃないって想いがどこかにあったんですよ(笑)。だから、オーディションに受かってからずっと「いつ走るんだろう?」と思っていて。WACKのことだから事前には言ってくれないだろうと考えていたらワンマンで発表されて「よしきた!」みたいな感じになりました。走るのはすっごい苦手なので走りたくないけど走りたいっていう想いがあった(笑)。
ーーギャンパレの一員になるために、通らないといけない道がマラソンだったわけですね(笑)。並走も合わせると100kmくらい走ったと思うんですけど。
マイカ : 自分でもびっくりしました。練習で走った時は5kmでもしんどかったんですよ。長時間だし距離も倍以上なのに意外と走れた自分にびっくりしました(笑)。
ーーメンタル的にはしんどくなかった?
マイカ : 大丈夫でした。なんかいけるみたいな気持ちが強かった。
ーー全員と一緒に走れたんですか。
マイカ : えっと、ココとだけ走れなかった(笑)。それ以外はみんな走れました。
ーー並走者も疲れている中、どんな話をしながら走っていたんでしょう?
マイカ : ツイキャスのコメントを読みつつ話をしたんですけど、夜中に4時間くらい歩いては走ってを繰り返していたときは、ユアちゃんがマイカのことをどう思ってるかとか話してくれて。オーディションでマイカを選ぶ時どういう話を裏でしていたのかとか、そういう裏話的なことをしたりしていました。ツイキャスを見ているファンの人も、そんな話めったに聞けないからよかったって言ってくれて。
ーー裏話的なことで印象に残っている話はありますか?
マイカ : メンバーが全員一致してマイカがいいって言ってくれていたことを聞いて嬉しかったです。
今5人で頑張る!! って話をしてきたのにと思って(笑)
ーーちょっと遡って話を訊かせてほしいんですけど、名古屋でのお披露目ライヴ(GANG PARADE、新メンバーを加え再スタートを切った名古屋ワンマンーーOTOTOYライヴレポ)はどういう気持ちで臨んだのか覚えていますか。
マイカ : 前日までギャンパレ自体の状況がバタバタしている時だったのと、ステージに上がるまで何人加入するかも発表されていない状況だったので、すっごく緊張していました。
ーーしかも他の3人はインストアイベントがあったから、マイカちゃん1人での名古屋入りで別行動でしたよね。
マイカ : 直前まで別行動をしていたし会場に入るときも別だったから、すごくそわそわしていて(笑)。ここでちゃんとしたライヴを見せないと遊び人に認めてもらえないだろうなと思って緊張していました。
ーー1曲目「Plastic 2 Mercy」のイントロが鳴ってステージに登場したのは3人で、途中からマイカちゃんが入ってくる演出でしたけど、あの時はどういう気持ちでしたか?
マイカ : 出た瞬間からファンの人がウェルカム・モードだったので、すごくよかったです。私が出ていってシーンとしたらどうしようとか、いろいろ考えてたんですけど、出ていったらうわー!! みたいな感じになったので嬉しかったです。
ーーそんなプレッシャーの中で完璧なステージを見せたと思うんですけど、マイカちゃんの自己評価はいかがだったんでしょう。
マイカ : 周りの人とかファンの人とかから「最初から完璧なパフォーマンスをしてた」って言ってもらえて嬉しかったんですけど、ライヴ中の記憶があまりなくて。楽しかったし、大きなミスはなかったと思うんですけど、ちょっと前にそのときの映像を観なおしてみたら、新人感あるよと思いました(笑)。
ーー新メンバー3人が入ることはいつ聞いたんですか?
マイカ : 私のお披露目の日には知っていました。4人で初めてアー写とジャケ写を撮った日に聞きました。
ーーOTOTOYで取材させてもらったとき(キャン・マイカ「私が消極的になったら入る意味がない」)は、イヌカイマアヤの活動休止(後に脱退)のことも知らなかったですよね。
マイカ : インタヴューしてもらったあとWACKに行ったらその話を聞かされて、あれ!? みたいな。今5人で頑張る!! って話をしてきたのにと思って(笑)。
ーーさらにマイカちゃんのお披露目前に新たに3人入ることになり(笑)。サキちゃん、ユアちゃん、ミキちゃんへのインタヴューで、「こんなバタバタしてる中で入らないって選択肢もできたのに入ることを決めてくれて本当にありがたい」って話していたんですけど、気持ちが揺らいだことはありました?
マイカ : それはなかったです。4人になるって言われて最初に思ったのは、ギャンパレがなくなっちゃったらどうしよう… ってことで。オーディションに受かってすっごく嬉しくて、これからだと思っていたので、名古屋は4人でやるからってことになってひとまずよかったなって。それと同時に、バタバタの状況だったから、よりちゃんとしたものを見せないとという思いは強くなりました。
ーー新メンバーの3人は、もともとのギャンパレの3人とは色が違うじゃないですか。全然違う色の3人が入ってくる中、マイカちゃんはどういう自分を出していこうと考えたんでしょう。
マイカ : 4人でやることになって、こっそり3人のギャンパレのライヴを観に行ったりもしていたんですよ。パフォーマンスも気持ちもきっちり揃っているなって観ていたから、そこについていくしかないと思っていまいた。でも、3人が入ることになって、ギャンパレじゃなくなっちゃうんじゃないかなと思ったというか、3人がダンスとか得意じゃないっていうのを前情報で聞いてたので大丈夫かなって。サキちゃんがPOPからギャンパレで描いていたものとかけ離れちゃうんじゃないかなって心配はあったんですけど、サキちゃんと話したときにギャンパレはこれからもダンスもかっちり揃えていくからって言ってくれたから、マイカはマイカらしく踊るのみだなと思いました。
親孝行するためにも頑張ろうって思いました
ーー個人的に印象だったのは、アー写撮影で淳之介さんがすごい下ネタの替え歌を歌っている時に、マイカちゃんが1番嬉しそうだったことで(笑)。
マイカ : もうWACKに染まり始めています(笑)。
ーー下ネタがおもしろい(笑)?
マイカ : おもしろいです(笑)。
ーー新メンバー3人が入ってきたことも相まって、最近はライヴの冒頭で「よろちんこおねがいします」とか言うようになって、それもビックリしています(笑)。
マイカ : そういうことをやったこともなかったし、普段から下ネタを言うキャラでもないのに、どんどんWACKに染まっている自分にびっくりしています(笑)。
ーー加入時は正統派アイドルが入ってきたって話題になりましたもんね。
マイカ : 自分でもそうなるかなと思っていたんですけど、最近はライヴのMCで一発芸みたいなのもやっていて、滑り芸を覚えたとか遊び人からも言われたりしていて。まさか、そういう立ち位置になるとは思ってなかったですね(笑)。
ーーこれまでの自分になかったキャラクターが出てきている感じ?
マイカ : 3人が入ってからギャンパレの空気が変わりつつあって、4人の時のキャン・マイカとは違う面が出せてるから3人に感謝してます(笑)。
ーーshowroomでの動画配信でも、マイカちゃんの素の部分というかパーソナルな部分が出ているじゃないですか。案外適当な部分もあっていいなって思いながら見ています。
マイカ : showroomとかもそうだし、一発芸的なスベリ芸も自分ではスベってるって思っていないんです(笑)。最初は近づきにくいというか、正統派すぎるみたいなイメージがあったけど、意外と性格も柔らかそうだし話しやすそうだし、妹っぽいじゃんっていうふうにファンの人から言ってもらえるので、すごくよかったです。
ーーあと最初にインタヴューで言っていた「お父さんが研究員」っていう部分の反響も大きかったですね。
マイカ : 研究員っていうより、個々のグループで誰と誰が好きって感じなんですけど、初めて話す会話がお父さん研究員なの? とかあったんでおもしろかったです。
ーーギャンパレの現場には来たことはあるんですか?
マイカ : あります(笑)。ミキちゃんとチェキを撮って帰りました(笑)。全員で囲みチェキとかも撮ったりもしていて。
ーーマイカちゃんと2ショットとかは撮らなかった?
マイカ : 2ショットは撮ってないです、全員の時は写りましたけど(笑)。
ーー娘がギャンパレに入って活動してるのを観て、お父さんはどんなことを言っているんですか。
マイカ : BLAZEが終わった日の夜に連絡が入っていて見たら「娘がこんなに人を幸せにできる職業に就いてることが誇りです。ありがとう」って書いてあって、そのときはちょっと感動しました。家族の支えがないと活動することは難しいと思うので、親孝行するためにも頑張ろうって思いました。
7人で出す初めての曲が「Plastic 2 Mercy」だったのは、すごくよかった
ーーそして、7人体制で初のシングル「Plastic 2 Mercy」がリリースされました。この曲をリリースすることはどんな気持ちですか。
マイカ : 「Plastic 2 Mercy」は代表曲じゃないですか。それを歌えることだけでも喜びを感じていたんですけど、7人で出す初めての曲が「Plastic 2 Mercy」だったのは、すごくよかったなって思っています。
ーーやっぱり、ライヴでやる際も気合いが入る曲だったりするんですか?
マイカ : うん、入りますね。4人のときは歌割りが多かったんですけど、7人になって減ったというか、しょうがないんですけどね。その分〈蹴り上げて飛べ〉って部分を1人で歌わせてもらっているので、そこにめっちゃ魂込めています。
ーー聴きどころは〈蹴り上げて飛べ〉ですね(笑)。ヤングジャンプの結果はいつ出るんですか?
マイカ : showroomの方の結果は年内にわかると思うんですけど、ハガキの締め切りが29日までなので年明けになると思います。
ーー表紙になるといいですね。佐藤さん(※KMミュージック / GANG PARADEのライヴ制作担当)は1人で180冊くらい買ってましたよね(笑)。
マイカ : そう、ありがとうございますって感じです…。
ーーキャン・マイカ推しの熱狂っぷりを感じました(笑)。
マイカ : ありがとうございます(笑)。メンバーもすごく応援してくれたのも嬉しかったです。
ーー今回、マイカちゃんは単独でのインタヴューになりましたけど、次は7人で話を聞かせてもらえたらなと思います。
マイカ : 今、インタヴューしてもらうとき、3人、1人、3人の形が多いじゃないですか。いつそれがなくなるのかなと思いつつ、1人でおいしい部分もあるので、上手く使っていきたいなと思います(笑)。
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