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「技法」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 技法とは

2025-03-07

ブクマカ増田は「なぜその話をしているのか?」を汲み取れない愚者

漫画における異時同図法を説明するために、「異なる時間軸」「時間キュビズム」といった表現を用いている文章があったとする。

少しでもマンガ表現に関心のある人間にとっては非常に興味深い話題のはずだ。まともな人々なら、最終的に同意するにせよ異なる意見を持つにせよ、最後まできっちり読んで判断を下すことになるだろう。

ところが、はてブ増田の住人たちはこれに対し、流し読みだけして「時間軸は同じだろwww」とか「それはキュビズムじゃない(苦笑)」といった、単語レベルでの浅くて非建設的な反応をしてしまう。

ブクマカ増田たちも一応、「異なる時間軸」「時間キュビズム」が何を意味しているのか、筆者が何を言いたいのかは一応分かっているはずだ。

問題になっているのは実際のマンガ表現技法の方なのだから意味がおおむね伝わってさえいるなら、多少の言葉不正さなど見なかったふりをして、議論の核心に注目するというのが大人の振る舞いというものだろう。

しかし、ブクマカ増田たちはそれが出来ない。自分の知っている単語(それは時に作品タイトルキャラクター名だったりもする)が出てきたら、熟考することなく大喜びで脊髄反射の短文コメントを書き込んでしまうのである。まるで子供のものだ。

自分は以前からはてなのこの風潮を苦々しく思ってきたが、最近はこれが耐え難いレベルになってきた。

せっかくためになる深い話をしてくれる人が現れても、ブクマカ増田揚げ足取りに晒されてすぐに削除したり、続きを書かなくなったりしてしまう。

はっきり言おう。

はてブ増田は、自分で何かを生み出すことのない人間たちが、新しい何かを自力で生み出せる素晴らしい人たちの足を引っ張るだけの、毒の沼地だ。

さらあなた達に自分を変えろとは言わないが(言ったところで出来はしないだろう)、せめて自分が何者なのかぐらいは自覚しておいてほしい。


恐らくこの増田にも多数の愚にもつかないトラバが大量に付くことだろうが、それで一向にかまわない。

もう二度とはてな自分文章を公開しようなどとは思わないし、こんなごみ溜めで叩かれるということは、自分正気だという何よりの証明となるからだ。

「一枚の絵の中で複数時間が同時に描かれるのはピカソキュビズム発明した」は間違い

いやマジでどうやったらこんな勘違いが出来るんだよ?

ピカソキュビズム発明したのは「1枚の絵の中に複数の角度から見た光景が同時に存在している」だよ。

そして、複数時間が同時に描かれた絵なんてのは宗教画が描かれまくってた時代に既にいくらでも描かれてたっての。

なんなんだよその勘違いは。

全くよお……ちゃんエロ漫画で下積みしてない奴は駄目だな。

エロ漫画で下積みしていれば「物理的には女も竿役も骨折していなければ不可能な3P・4Pをあえて描く」という技法を獲得し、その過程において「そうか!これがキュビズムなんだ!」と気づけただろうに。

正しく空間を歪ませた絵を描いた経験が足りないから、「キュビズム時間を歪めていた」という勘違いをするんだ。

キュビズムが歪めていたのは空間だよ。

そしてそれによってピカソが目指したのは「子供が描くような自由な絵」なんだよね。

まりさ、「性欲メラメラの思春期野郎が勢いのままに描いた骨折してなければ出来ないような体位や反転性器が描かれた異次元エロ絵」こそが、キュビズムの正しい後継者なわけ。

ちゃんエロ漫画と向き合うことなくいきなり一般で描き始めようとした奴はこういう所を見落とすんだよね。

なんであずまきよひこ世界的にも評価される漫画家になれたか分かるか?

2025-03-04

anond:20250304104427

相手の呼ぶ時に名前を間違えて言うやつ、相手との格の差を見せるためにアラ還以上の世代のJTC古参社員が良くやってた技法なんだけど、言い方や本人に愛嬌がないとただの感じの悪い老人になってしまうのが難しいところなんだよな。

https://x.com/kinpun_prince/status/1779332081442812023

アクリルアミドへの簡単批判

ポテトチップス炭水化物+脂質+塩分アクリルアミド、という健康において最悪な悪魔食品。酒規制の次はポテチ規制くるわ。。。

https://b.hatena.ne.jp/entry/4767050139015297665/comment/bojhoe

ポテチ憎しで規制論を展開したがってるみたいだけど、アクリルアミド簡単批判するのはなかなか難しい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/アクリルアミド

2014年10月日本内閣府食品安全委員会化学物質汚染物質専門調査会は、アクリルアミドリスク評価について、国内外動物実験の結果から、「遺伝毒性をもつ発がん物質」とする評価案を示した。

アクリルアミド危険性については、世界的に無視できないものにはなっている。

ただアクリルアミドを含む食品は、当然ポテチだけじゃない。

Wikipediaでは、ポテトチップ/フライドポテト/食パンの耳/揚げ物//ほうじ茶/麦茶/中国茶/ココア/コーヒー/かりんとう/アーモンド/クッキー/ビスケット/クラッカー/芋けんぴ/きな粉/カレー粉/インスタントラーメン/トースト/コロッケ/ギョーザなどが例として挙げられている。

発生は、以下のように説明されている。

食品に含まれアミノ酸一種アスパラギン果糖ブドウ糖などが120度以上の高温調理化学反応を起こして生成される。

要は、アスパラギンを含む食品炭水化物を混ぜて120度以上で調理すると発生しやすい。揚げ物は180度で2度揚げするものもあり、衣には小麦粉片栗粉パン粉を使うことが多いのでほぼ全滅に近い。むしろ焼く・炒めるのもアウト。

それどころかメイラード反応の過程アクリルアミドは発生してるとも考えられている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/メイラード反応

最近一般的レシピでもメイラード反応を踏まえて解説されるものが増えてきてるので、知ってる人も多いんじゃないかな。

イラード反応をめちゃくちゃ雑に言うと、「揚げたり焼いたりしたとき茶色」、つまり焦げ、ないしギリ焦げ。

本題

さあ、話はここからだ。

イラード反応は、食品を焦げさせることで香り、旨味を増やす調理技法だ。

茶色食べ物がたいてい美味いのは、メイラード反応のおかげと言ってもいい。

だがメイラード反応は、その過程アクリルアミドを発生させることが多い。

アクリルアミド危険性は完全には解明されてないが、無視できるほど軽くもない。

だがアクリルアミドが発生するからと、ポテチ規制できるだろうか?

ポテチ規制するなら、アクリルアミドが発生しうる他の食品規制しないとね?

揚げ物全般も?

中華全般も?

フライドポテトも?

食パンも?

お茶も?

ココアも?

コーヒーも?

焼き菓子も?

ナッツ系も?

カレーも?

インスタントラーメンも?

ここまで言えば考える頭がある人はわかると思うが、アクリルアミドを避ける生活というのは、こうした加熱調理した食品をすべて避ける生活になる。

今の現代人にとって、食というのは極めて重要エンタメだ。孤独のグルメ視聴率もそこそこ高いらしいし。

筋トレを始めたころ、俺は長く続けられないだろうなと予感した。マッチョさんたちは、茹でたブロッコリーササミを食べる。多い人はほぼ毎食らしい。食をエンタメとして捉える俺には、茹でたブロ&サミーエンタメとして弱すぎる。スライムを倒しまくっても、自分強者だと満足することはない。

逆に言えば、茹でるというのは焦がしはしないので、メイラード反応を起こしにくいのかもしれない。マッチョ食生活をすればアクリルアミドでの発癌で死ぬ確率は減るのかもしれない。栄養失調で死ぬことはあるのかもしれんが。

ともかく、アクリルアミドを避ける生活エンタメとしての食を捨てる人生と隣り合わせだ。思想を抱えてビーガンになるのと少し近い。もちろんアクリルアミドを避けるにしても、エンタメとしての食を完全に捨てなくてもいいかもしれない。なんとか両立させる道はおそらくあるだろう。ただしそれも、ベジタブルミート代替肉でごまかそうとするビーガンと近いのだが。

アクリルアミド簡単批判することは、とても難しい。それはエンタメとしての食を批判することでもあるからだ。

ポテチ批判するためにアクリルアミド槍玉に上げ、そのためになら無謀な「食エンタメ」をすべて批判するラディカルな戦い方をするなら、止めはしない。味方は多くないだろう。孤独のグルメでなくとも、孤独に戦う一匹狼にはなれる。人気が出るとは努々期待するなよ。

このインスタントな口答えは、ポテチ炭水化物・脂質・塩分どれも多く、さらにはアクリルアミドが発生するのを否定するものではない。ポテチへの批判として、アクリルアミドを手軽に持ち出すのは頭が良くないという批判だ。

あと最悪とか悪魔なんて修飾を批判で使わないようにしようね。そういう言い方をしてると、ポシンタンとかカニバリズムみたいなのを批判する手口がなくなり弱くなっていく。最低な悪魔でないものを最低な悪魔だと評すると、最低な悪魔を評する言葉がなくなるのだ。そういうズレた道で生きる覚悟があり、後で修正するのはけっこう難しいのも承知の上でならご自由に。

2025-02-28

anond:20250228141248

特定技法(胸を大きくするとかテカらせるとか、絵は詳しくないからここは何かを仮定して)を禁止してエロいと感じられる絵が描けなくなるなら、やはりある程度エロ技法は受けてに関わらず存在することになるのでは?

2025-02-26

Claude 3.7 sonnetに小説を書かせてみた

### キッチンの向こう側

わたし大学に入った年、父が死んだ。それは五月の、少し肌寒い日だった。まだ新しい大学生活に慣れていない時期に、世界の一部が崩れ落ちた。病院から電話があったのは、授業の途中だった。廊下に出て電話を受けたとき、窓から見えた空は妙に青すぎて、それが不謹慎に思えた。

葬式の日は雨だった。それから、雨の日には必ず父のことを思い出すようになった。その年の夏は、異常に雨が多かった。いつの間にか、世界全体が湿っぽい灰色に染まっていった。

大学教室は、思ったより広かった。高校までの教室とは違って、誰も生徒のことなど気にしていなかった。教授は前で一方的に話し、学生たちはそれぞれの方法時間を過ごしていた。ノートを取る人、スマホをいじる人、居眠りをする人。わたしは、ただぼんやりと窓の外を眺めていた。

彼女、いつも一人だね」

後ろの席から聞こえてきた声に、振り向かなかった。どうせ他人の噂話なのだろうと思ったが、それはわたしのことだった。気づくと、ひとりでいることが当たり前になっていた。

父は料理人だった。小さな和食店を営んでいて、わたしが小さい頃からキッチンの向こう側で包丁を握る父の姿を見て育った。父の料理の音と匂いが、わたし記憶の一部になっていた。ザクザク野菜を切る音、出汁が沸く香り、魚をさばくとき真剣な表情。そんな父が、ある日突然、脳卒中で倒れた。病院に運ばれてから二週間、意識が戻ることなく逝ってしまった。

「お母さん、店はどうするの?」と聞いたとき、母は疲れた顔で微笑んだ。

「閉めるよ。わたしには、お父さんみたいな腕はないから」

父の店は、わたしの第二の家だった。学校から帰ると、いつも店の奥で宿題をした。客が少ない時間には、父が横に座って数学を教えてくれた。「料理数学も、バランス大事なんだ」と言っていた。その店がなくなるということが、父の死よりも現実味を持って迫ってきた。

大学の授業は、興味を持てるものが少なかった。文学部に入ったのは、本が好きだったからだけど、専門的な分析理論を学ぶことに、空虚さを感じていた。教室の中で、みんなが真剣議論しているときも、わたしの心はどこか別の場所にあった。

アパートに帰ると、静かすぎる部屋がわたしを迎えた。実家から離れて一人暮らしを始めたのは、新しい環境心機一転たかたからだ。でも今は、その選択が間違っていたような気がしていた。テレビをつけっぱなしにして、誰かがいる気配を作り出した。

夜は不思議な夢を見ることが多くなった。父がキッチンに立っている夢。でも、振り向いた父の顔が、誰か他人の顔になっている夢。高い塔から落ちる夢。海の底で、誰かが名前を呼ぶ夢。朝起きると、枕が涙で濡れていることがあった。

母は週に一度、電話をくれた。「大丈夫?」という質問に、いつも「うん、大丈夫」と答えた。大丈夫じゃなかったけど、母を心配させたくなかった。父が亡くなってから、母は急に年を取ったように見えた。電話の向こうの声は、いつも疲れていた。

料理、してる?」と母が聞いた。

インスタント食べてる」と答えると、母は少し悲しそうな声で笑った。

「お父さんが聞いたら、怒るわね」

そうだった。父は、わたし料理を教えようとしていた。「いつか、一緒に店をやろう」と言っていた。でも、わたしは興味を示さなかった。今になって、もっとから学んでおけばよかったと後悔していた。

五月が過ぎ、梅雨が来た。毎日雨が降り、湿度が高く、部屋の中の物まで湿っているような気がした。教科書のページがくっつき、髪は広がり、布団はじめじめしていた。そんな中、わたし図書館で多くの時間を過ごすようになった。

図書館は、静かだった。でも、一人でいることが苦痛ではない唯一の場所だった。本の間を歩きながら、偶然手に取った小説に心を奪われた。それは、ある料理人物語だった。幼い頃に両親を亡くし、料理世界で生きていく若者の話。その主人公が作る料理描写が、あまりにも父の料理と似ていて、読みながら泣いてしまった。

図書館で働き始めたのは、六月の終わりだった。アルバイトを探していたところ、図書館募集があった。静かな環境で、本に囲まれて働けるのは、わたしにとって理想的だった。本を整理したり、返却された本を棚に戻したりする仕事は、単調だけど心地よかった。

「君、いつも同じ本を読んでるね」

ある日、司書鈴木さんがそう声をかけてきた。五十代くらいの女性で、いつも穏やかな笑顔を浮かべていた。

料理本が好きなの?」

「父が料理人だったんです」と答えると、「だったんです」という過去形自分違和感を覚えた。

「そうなんだ」と鈴木さんは言った。「わたしの息子も料理人になりたがっていたけど、途中で挫折してしまってね」

何気ない会話だったけど、鈴木さんとはそれからよく話すようになった。彼女は、わたしの父のことを知りたがった。どんな料理を作っていたのか、どんな人だったのか。話していると、不思議と心が軽くなった。

七月に入ると、大学は前期試験の準備で忙しくなった。わたしは、ほとんど授業に出ていなかったことに気づいた。図書館必死勉強したけど、内容が頭に入ってこなかった。試験当日、問題用紙を前にして、頭の中が真っ白になった。鉛筆を握る手が震えた。

大丈夫?」隣の席の女の子が小声で聞いてきた。

首を横に振ると、彼女心配そうな顔をした。

試験終わったら、一緒にお茶でもどう?」

の子名前は、里奈といった。同じ文学部学生で、いつも授業の前の席に座っていた。優しい声と、少し丸みを帯びた顔が印象的だった。試験のあと、二人で大学近くのカフェに行った。

「実は、前からしかたかったの」と里奈は言った。「でも、いつも遠くを見てるみたいで、声をかけるタイミングがなくて」

彼女は、思ったことをすぐ口にする人だった。わたしとは正反対タイプ。でも、その率直さに心地よさを感じた。

「父が亡くなったの」とわたしは言った。口に出したのは、里奈が初めてだった。

「そうだったんだ」と彼女は言った。特別言葉はなかったけど、その反応が自然で、わたしは少し安心した。

その日から里奈とはよく一緒にいるようになった。彼女存在は、灰色だった大学生活に少しだけ色を加えた。彼女が話す他の学生の噂話や、教授の変わった癖の話を聞いていると、自分大学生活の一部になれたような気がした。

八月になると、実家に帰った。母は、少し痩せていた。家の中は、きれいに片付いていたけど、父のいない空間は、まだ違和感があった。父の形見のように、包丁だけはそのまま台所にあった。

「使ってみる?」と母が言った。

わたしは恐る恐る包丁を手に取った。重かった。父の手になじむように作られた包丁は、わたしの手には大きすぎた。でも、握っていると不思議安心感があった。

「お父さんの料理ノート、見つけたの」と母は言った。「あなたに見せようと思って」

それは、古いノートだった。日付と料理名、材料や作り方が細かく書かれていた。途中、「娘に教えるとき注意」と書かれたページがあった。そこには、わたしが苦手そうな工程や、間違えやすポイントが書かれていた。父は、いつかわたし料理を教えることを想定していたのだ。

そのノートを持って、わたし台所に立った。まずは簡単出汁から作ってみることにした。ノートに書かれた通りに材料を用意し、火にかけると、懐かしい香り台所に広がった。父の料理の原点とも言える香り。その香りに包まれながら、わたしは初めて父の死を実感として受け止めることができた。涙があふれ出た。

「お父さんは、きっと喜んでるわ」と母は言った。二人で出汁を使った簡単味噌汁を作り、久しぶりに一緒に食卓を囲んだ。

夏休みが終わり、大学に戻ったときわたしの中で何かが変わっていた。父のノートを持ってきて、週末になると自分料理を作るようになった。最初は失敗ばかりだったけど、何度も挑戦するうちに、少しずつできるようになっていった。

「へえ、料理するんだ」と里奈は驚いた顔をした。彼女を招いて、初めて人に料理を振る舞った日、緊張で手が震えた。でも、「おいしい」と言ってくれた里奈笑顔を見て、少し自信がついた。

後期の授業が始まりわたし文学の授業を真面目に受けるようになった。特に、食をテーマにした文学に興味を持ち始めた。食べることは生きること。料理することは、誰かに愛情を伝えること。そんなことを、文学の中に見つけられるようになった。

図書館では、鈴木さんにわたしの変化を指摘された。

最近、顔色がいいわね」と彼女は言った。「何かいいことあった?」

料理を始めたんです」と答えると、鈴木さんは嬉しそうに微笑んだ。

「それは素晴らしいわ。いつか、わたしにも作ってほしいな」

十月になると、大学学園祭の準備が始まった。里奈に誘われて、文学部喫茶店企画を手伝うことになった。わたしは、迷わず料理担当を志願した。メニューを考えるとき、父のノートを参考にした。シンプルだけど、心のこもったメニュー

学園祭当日、わたしたちの喫茶店は予想以上に人気だった。特にわたしが作ったさつまいもスープが好評で、あっという間に売り切れてしまった。「秘密レシピは?」と聞かれると、「父から教わったの」と答えた。それは嘘ではなかった。父のノートから学んだレシピだった。

喫茶店を訪れたお客さんの中に、一人の男性がいた。三十代くらいで、どこか父に似た雰囲気を持っていた。彼は、スープを飲み終わると、わたしのところにやってきた。

「このスープ、とても懐かしい味がする」と彼は言った。「昔、よく行っていた和食店の味に似ているんだ」

わたしは驚いて尋ねた。「もしかして、『桜木』という店ですか?」

彼の目が大きく開いた。「そうだよ。知ってるの?」

「父の店です」とわたしは答えた。

彼の名前健太といった。父の店の常連客で、大学時代によく通っていたという。父の料理ファンで、店が閉まったあと、同じ味を探していたらしい。「君のスープを飲んだとき、店主の技を受け継いでいると思ったんだ」と健太は言った。その言葉に、胸が熱くなった。

学園祭が終わり、健太とは連絡を取り合うようになった。彼は料理研究家として活動していて、様々な食の知識を持っていた。わたし料理相談に乗ってくれたり、時には批評してくれたりした。彼との会話は、いつも刺激的だった。

「君のお父さんの料理は、シンプルだけど深みがあった」と健太は言った。「それは、材料を深く理解していたからだと思う」

それを聞いて、わたしは父がよく言っていた言葉を思い出した。「料理材料との対話だ」と。

十一月になると、寒さが増してきた。大学教室も、以前より寒く感じるようになった。でも、周囲の景色は、以前より鮮やかに見えるようになっていた。授業中に窓の外を眺めても、もう虚無感はなかった。ノートには、びっしりメモが書かれていた。

図書館仕事も充実していた。鈴木さんは、わたしに古い料理の本を紹介してくれた。古典的和食技法や、忘れられつつある郷土料理の本。それらを読むたびに、父の料理の原点が少しずつ見えてきた。

「君、将来は何をしたいの?」とある日、鈴木さんに聞かれた。

わたしは少し考えてから答えた。「まだわからないけど、料理文学、両方に関わる仕事ができたらいいなと思います

「それは素敵な夢ね」と鈴木さんは言った。「食べることも、読むことも、どちらも人間の根源的な喜びだもの

十二月大学冬休みが近づいてきた。試験勉強をしながら、クリスマスには何を作ろうかと考えていた。里奈を誘って、一緒にパーティーをする計画を立てていた。

「ねえ、健太さんも誘ったら?」と里奈提案した。彼女健太のことを、「料理のお兄さん」と呼んでいた。

「でも、年上だし、忙しいかも」とわたしは迷った。

「聞いてみなきゃわからないでしょ」と里奈は言った。

思い切って健太を誘うと、意外にもすぐに承諾してくれた。「楽しみにしているよ」というメッセージに、なぜか心臓が速く鳴った。

クリスマスの日、わたしは朝から料理の準備をした。父のノートを見ながら、特別メニューを考えた。前菜スープ、メイン、デザート。どれも父の教えを基本にしながら、わたしなりのアレンジを加えたものだった。

里奈が先に来て、一緒に部屋の飾りつけをした。「すごいね、こんなに料理が上手になるなんて」と彼女は言った。「大学に入ったばかりの頃は、本当に別人みたいだったよ」

健太が来たとき、緊張でドアを開けるのに時間がかかった。彼は、ワイン花束を持ってきてくれた。「いい香りがするね」と部屋に入るなり言った。

三人での食事は、想像以上に楽しかった。里奈のおしゃべりに、健太の食の話、わたし料理。それぞれが持ち寄った空気が、部屋を温かく満たした。

乾杯しよう」と健太が言った。「新しい出会いと、古い記憶に」

グラスを合わせたとき、窓の外では雪が降り始めていた。

「この料理、本当においしい」と健太は言った。「君のお父さんの味を感じるよ。でも、それだけじゃない。君自身の味がある」

その言葉に、わたしは思わず泣きそうになった。父の料理を超えることなんて、まだまだできないけれど、自分の味を見つけ始めているということが嬉しかった。

里奈は、わたし健太の会話を見ながら、にやにやしていた。「ねえ、二人とも、もしかして…」と言いかけて、わたしに肘で軽く突かれると、「何でもない」と笑った。

夜が更けて、里奈が帰ったあと、健太はもう少し残った。「話があるんだ」と彼は言った。真剣な顔つきに、緊張した。

「実は、料理本の企画をしているんだ」と健太は言った。「伝統的な和食技法を、現代視点解説する本。その中で、君のお父さんの料理も紹介したいと思っている」

わたしは驚いて言葉が出なかった。

「もちろん、君の力も借りたい」と彼は続けた。「文章を書くのが上手だし、何より君はお父さんの味を知っている」

その提案は、あまりにも突然で、すぐには返事ができなかった。でも、胸の中に温かいものが広がるのを感じた。父の料理を、このまま消えさせたくない。そう思っていた気持ちが、形になるチャンスだった。

「考えさせてください」とわたしは言った。健太笑顔で頷いた。

「急がないで。でも、君なら素晴らしい仕事ができると思う」

その夜、久しぶりに父の夢を見た。でも、以前のような悲しい夢ではなかった。父がキッチン料理をしていて、わたしもその隣で一緒に料理をしている夢。父が微笑みながら、わたし料理を褒めてくれる夢。

朝起きると、決心がついていた。健太に連絡して、企画に参加する意思を伝えた。「ありがとう」という返事が来た。「一緒に、素晴らしいものを作ろう」

年が明け、大学では卒業論文テーマを考え始める時期になった。わたしは迷わず、「文学における食の表象」をテーマに選んだ。文学の中で、食がどのように描かれているか。それは人間関係や文化時代背景をどう映し出しているか。そんなことを研究したいと思った。

指導教授は、最初は驚いていたけれど、わたしの熱意を見て応援してくれるようになった。「面白いテーマだね」と彼は言った。「これまであまり注目されてこなかった視点かもしれない」

健太との料理本の企画も進んでいった。週末になると、彼の仕事場に行って、父の料理について話したり、実際に作ってみたりした。記憶を頼りに再現する料理もあれば、父のノートを見ながら作る料理もあった。

「お父さんの料理には、物語があるね」と健太は言った。「一つ一つの料理に、理由がある」

それは、わたしも感じていたことだった。父の料理は、単においしいだけではなかった。そこには、父の生き方や思いが込められていた。

春になり、キャンパスには桜が咲いた。入学してから一年が経っていた。あの頃のわたしと今のわたしは、まるで別人のようだった。でも、それは成長と呼べるものだった。父の死によって崩れ落ちた世界は、少しずつ新しい形で再構築されていた。

図書館では、鈴木さんが新しい料理コーナーを作ることになり、わたしは本の選定を手伝った。「君のおかげで、こんな企画ができたのよ」と鈴木さんは言った。「ありがとう」

里奈とは相変わらず仲良くしていた。彼女演劇サークルに入っていて、春の公演に向けて忙しくしていた。「主役なんだよ」と嬉しそうに報告してくれた。「絶対に見に来てね」

公演の日、わたし健太を誘って一緒に観に行った。里奈舞台の上で、いつもとは違う輝きを放っていた。見ていて、胸が熱くなった。帰り道、健太と二人で歩きながら、「人はそれぞれの場所で輝くんだね」と言った。

「君も輝いているよ」と健太は言った。「料理をしているとき、話をしているとき、いつも目が輝いている」

その言葉に、顔が熱くなった。

五月、父の一周忌が近づいてきた。実家に帰って、母と一緒に準備をした。一年前とは違って、二人で料理をすることができた。母も、わたし料理の上達を喜んでくれた。

「お父さんの店、もう一度開かない?」と母が突然言った。

「え?」と驚いて振り向くと、母は真剣な顔をしていた。

あなたがやりたいなら、手伝うわ」

その言葉に、胸がいっぱいになった。まだ学生で、経験も少ないわたしが店を開くなんて、無謀かもしれない。でも、どこか心の奥で、いつかそうしたいと思っていた。

「考えてみる」とわたしは答えた。「でも、もう少し勉強してからかな」

母は微笑んで頷いた。「そうね。急がなくていいのよ」

一周忌の日、父の写真を前にして手を合わせた。一年前は、ただ涙が出るばかりだったけれど、今は感謝気持ちが湧いてきた。父がいなくなって、わたし料理を始めた。それは、父との新しいつながりを見つけることだった。

「ありがとう」わたしは心の中で言った。「これからも、見守っていてね」

大学に戻ると、夏休み計画を立て始めた。健太が、料理取材地方を回る予定があり、わたしも一緒に行かないかと誘ってくれた。日本各地の伝統料理を学ぶ旅。それは、わたしにとって大きなチャンスだった。

「行きます」とわたしは即答した。健太は嬉しそうに笑った。

「君と一緒に旅ができるなんて、楽しみだよ」

あれから一年。父の死から始まった暗い日々は、少しずつ明るさを取り戻していた。料理文学という、二つの世界を行き来しながら、わたし自分の道を見つけ始めていた。それは、決して一直線ではなく、曲がりくねった道かもしれない。でも、その道の先に何があるのか、少しずつ見えてきたような気がした。

キッチンの向こう側で、父が包丁を握っている姿は、もう見ることができない。でも今は、わたし自身包丁を握り、父から教わったことを大切にしながら、自分料理を作っていく。それが、父への最高の感謝になるのだと思う。

そして、この物語を書き記すことも、きっと父は喜んでくれるだろう。料理言葉。どちらも、人の心に届けるための手段わたしは、その両方を大切にしながら、これからも歩いていくつもり

2025-02-23

生成AIに、出力結果をはてな記法で出力させるために必要プロンプト

# 生成AIはてな記法で出力させるためのプロンプト設計に関する研究

生成AIの普及に伴い、特定マークアップ言語記法準拠した出力を生成する需要が高まっています特にはてなブログなどで使用されるはてな記法独自の構文規則を持つため、適切なプロンプト設計が求められます。本報告では、生成AIはてな記法での出力を指示する際の効果的なプロンプト作成手法について、現行のプロンプトエンジニアリング理論実践例を基に体系的に分析します。

## はてな記法構造特性と生成AIへの適応課題

はてな記法は、見出しリストリンクなどの文書要素を表現するために特殊記号使用する軽量マークアップ言語です[1][3]。主要な構文要素としては、アスタリスクによる見出し指定(*見出し*)、ハイフンを用いたリスト作成(- 項目)、角括弧を使ったリンク記述([タイトル:リンクURL])などが挙げられます。これらの構文規則を生成AIに正確に理解させるためには、プロンプト設計において以下の課題存在します。

第一に、記法曖昧排除が挙げられますはてな記法では特定記号の組み合わせが特殊意味を持つため、自然言語処理モデル意図せず他の記号解釈を行うリスクがあります[2][3]。例えば、アスタリスク強調表現にも使用されるため、文脈に応じた適切な解釈必要です。

第二に、構文の階層構造の正確な再現課題となりますはてな記法では入れ子構造リストや複合的な見出しレベル表現する際に、特定記号の組み合わせが必要です。生成AIにこれらの複雑な構造理解させるためには、プロンプト内で明示的な指示と具体例の提示が不可欠です[1][4]。

第三に、プラットフォーム固有の拡張構文への対応が求められますはてな記法は基本構文に加え、独自表記法マクロ機能を備えており、これらの特殊機能を適切に活用するためには追加的な指示が必要となります[3][4]。

## 効果的なプロンプト設計の基本原則

### 役割定義明確化

生成AIに期待する出力形式を確実に得るためには、プロンプトの冒頭で役割を明確に定義することが重要です[3][4]。具体的には、「あなたはてな記法専門家です」といった役割指定を行うことで、AIの応答生成プロセス方向性を与えます。この役割定義により、モデルは内部に保持するはてな記法関連の知識を優先的に活性化させることが可能となります[1][2]。

役割定義の具体例:

```

あなたはてなブログ編集者です。専門的なはてな記法を用いて、正確かつ読みやす形式コンテンツを出力してください。

```

### 構文規則の明示的指示

はてな記法の各要素に対応する具体的な構文規則を、箇条書きではなく自然文で列挙します[2][3]。特に重要な点は、記号使用法と要素間の階層関係を明確にすることです。例えば、見出しレベル対応するアスタリスクの数、リスト入れ子構造表現方法などを具体的に指示します[1][4]。

構文指示の例:

```

はてな記法規則に従ってください:

```

### 具体例による形式提示

テキスト生成AIは具体例から類推学習に優れているため、期待する出力形式サンプルを提示することが有効です[2][3]。特に、複雑な構造を含む場合は、実際の記法例とそれに対応するレンダリング結果を併記することで、AI理解を促進します。

具体例提示形式

```

以下の形式はてな記法で出力してください:

セクション見出し

  • 主要項目

- サブ項目

[詳細はこちら:https://example.com]

```

### 制約条件の明文化

生成結果の品質保証するため、文字数制限コンテンツ構成に関する要件を明確に指定します[3][4]。これにより、AI形式面だけでなく内容面でも適切な出力を生成できるようになります

制約条件の例:

```

出力は以下の条件を満たすこと:

```

## 高度なプロンプト設計テクニック

### 記号ベース構造化指示法

近年提案されているシンボルプロンプト技法を応用し、記号を用いて出力構造を明示的に指示する方法有効です[1][3]。この手法では、矢印(→)や等号(=)などの記号で要素間の関係性を表現することで、AI構造理解を促進します。

構造化指示の例:

```

コンテンツ構造

タイトル = メイン見出し

→ セクション1 + セクション2 + セクション3

各セクション → サブ項目 ×3

リンク = [関連情報:URL]

```

### 段階的生成プロセス指定

複雑な文書生成では、生成プロセス複数の段階に分割して指示することで精度を向上させます[3][4]。最初アウトラインを生成させ、その後各セクションを詳細化する手法効果的です。

段階的指示の例:

```

1. まずはてな記法文書アウトライン作成

2. 各見出しに対して3つのキーポイントを列挙

3. 各キーポイントを2文で詳細説明

4. 関連リンクを適宜挿入

```

### 動的変数活用

可変要素を含むテンプレート使用することで、汎用的なプロンプトを作成できます[2][3]。角括弧で囲った変数名を使用し、実際の生成時に具体値を入力する方式です。

テンプレート例:

```

[業種]向けの[製品名]紹介記事はてな記法作成

[製品名]の特徴

[詳細スペック:URL]

```

## プロンプト最適化実証アプローチ

### 反復的改良プロセス

初期プロンプトの出力結果を分析し、不足している要素や誤った記法特定します[3][4]。このフィードバックを基に、プロンプトの指示文を段階的に改良していく手法効果的です。特に、誤りが発生した箇所を具体的に指摘し、正しい記法例を追加することが重要です。

改良例:

```

修正前)

見出しは*で囲んでください

修正後)

見出しは*1個で囲み、大見出しは*、中見出しは**を使用してください。例:

見出し

見出し

```

### マルチモーダル指示の活用

テキスト指示に加え、サンプル画像スクリーンショットを併用することで、AI理解精度を向上させます[2][4]。ただし、現在技術水準ではテキストベースの指示が主流であるため、補助的な手段として位置付ける必要があります

### パラメータ最適化手法

温度パラメータ(temperature)やtop_p値などの生成パラメータを調整することで、形式の厳密性と創造性のバランス最適化します[1][3]。形式重視の場合は低温度設定(0.3-0.5)が推奨されますが、過度に低くすると画一的な出力になるリスクがあります

## 応用事例:実践プロンプトの設計

### 基本形プロンプト

```

あなたはてなブログの専門編集者です。以下の要件はてな記法記事作成してください:

要件

記法規則

```

### 高度なプロンプト

```

[役割設定]

あなたテック分野の専門ライターはてな記法エキスパートです。

[タスク]

2024年の生成AI市場動向に関する分析レポートはてな記法作成

[構造指示]

メインセクション → 市場規模 × 技術革新 × 倫理課題

各セクション → 3サブ項目 + データ参照

[形式要件]

見出しスタイル

[データソース]

[制約]

```

## 評価指標品質管理

### 形式適合度評価

生成結果がはてな記法の構文規則にどれだけ適合しているかを測定するため、以下の評価項目を設定します[2][4]:

1. 見出し記法の正確性(アスタリスクの数と配置)

2. リスト構造の適切性(インデント深度と記号使用

3. リンク記述の完全性(タイトルURL対応

4. 特殊記号エスケープ処理

5. 文字数制限の遵守度

### 内容品質評価

形式面だけでなく、コンテンツの質を評価するための指標として[3][4]:

1. 論理的一貫性(主張と根拠整合性

2. 情報信頼性(出典明記の適切性)

3. 読者適合性(ターゲット層への最適化

4. 独自性(既存コンテンツとの差別化

5. 法的遵守(著作権プライバシー対応

## 今後の課題研究方向

### マルチモーダル対応の拡充

現在はてな記法プロンプトはテキストベースが主流ですが、図表や数式を含む複合文書生成への対応が今後の課題です[1][4]。特にはてな記法拡張構文であるTeX数式表現グラフ描画機能を適切に扱えるプロンプト設計手法の開発が求められます

### 動的コンテキスト対応

ユーザー編集履歴過去投稿内容を考慮した文脈依存型プロンプトの開発が必要です[3][4]。これにより、特定ユーザーテーマ最適化された一貫性のある出力が可能となります

### 自動最適化システム

機械学習を用いたプロンプト自動改良システムの構築が期待されます[2][3]。生成結果の品質評価フィードバックとして活用し、プロンプトパラメータ自己調整する仕組みの開発により、持続的な品質向上が可能となります

## 結論

生成AIはてな記法での出力をさせるためのプロンプト設計は、記法規則の正確な理解効果的な指示文の構築が鍵となります。本報告で提示した基本原則と高度テクニックを組み合わせることで、形式面・内容面ともに高品質はてな記法コンテンツ自動生成が可能となります。今後の研究発展により、より複雑な文書構造や動的コンテンツへの対応が進むことが期待されますプロンプトエンジニアリング技術進化が、はてなプラットフォームを中心としたコンテンツ作成プロセス革新を促進するでしょう。

2025-02-19

anond:20250219135617

そんな分け方しても、めしぬまが性交であるのは明らかじゃん。

着衣のままでもスカートで覆い隠しながらセックスはできるし、全裸でもアホアホダンス踊ってればエロくないわけよ。

そうすると結局のところ性交的かどうかは、ポルノ技法を使ってるかどうかにかかってくる。

ポルノ技法ど真ん中を使ってるめしぬまは、増田論理じゃ救われない。

2025-02-18

コラム語源起源:柱から言葉の柱へ

コラムという言葉が持つ歴史的文化的背景は、

古代建築から現代メディアに至るまで多層的な変遷を経ている。

その語源ラテン語「columna」(柱)に遡り、

英語「column」を経由して日本語に定着した。

建築用語としての「円柱」から

印刷物の「縦の列」を指すようになり、

最終的に新聞雑誌の短評欄を意味するまでに至った背景には、

18世紀イギリスでの新聞改革が深く関係している。

この増田では、コラム語源起源を軸に、その社会的役割現代における展開を考察する。

コラム語源建築文字交差点

ラテン語「columna」から英語「column」へ

コラム語源は、古代ローマ建築を支えた石柱「columna」に由来する。

この言葉英語「column」として定着する過程で、

物理的な支柱から抽象的な「縦の列」へと意味拡張された。

特に活版印刷技術の発展が、

紙面の縦方向区画を「column」と呼ぶ慣習を生み出した。

印刷用語としての「カラム」は、

16世紀英字新聞で縦組みの記事配置を指すようになり、

これが現代コラム概念の原型となった。

日本語への定着過程

日本で「コラム」が外来語として定着したのは明治期以降とされる。

1874年創刊の『郵便報知新聞』が初めて縦組みの短評欄を導入し、

当初は「雑報」と呼ばれていたが、

大正期に入り「コラム」の呼称一般化した。

興味深いことに、

戦前新聞では「円柱」の原義を意識した「柱記事」という表現も併用されていたが、

戦後GHQ指導で横組みが普及する過程で「コラム」が優勢となった。

コラム起源:1751年の新聞革命

世界初コラム連載

1751年3月11日

イギリスの『ロンドンアドバイザリーリテラリーガゼット』が紙面右端の縦長スペースに批評記事を連載開始した。

これが「コラム」と呼ばれる契機となり、

3月11日は「コラムの日」と制定されている。

当時の記事は縦12cm×横4cmのスペースに収められ、

政治風刺から市井話題まで多岐にわたる内容で、

執筆者匿名性が特徴だった。

この形式が人気を博し、

1777年には初の有料コラムニストが登場するまでに発展した。

日本における受容と展開

日本最初コラムとされるのは、

1902年毎日新聞』の「硯滴」(現「余録」)である

戦前コラム知識人層向けの教養記事が主流だったが、

1950年代大衆化時代を経て、

朝日新聞天声人語」(1904年創設)や

読売新聞編集手帳」(1949年創設)の

ような親しみやす文体が定着した。

特に高度経済成長期には、

コラム大衆の声を反映する場として機能し、

間人コラムランキング出版されるほど社会的影響力を持った。

コラム多様化メディア進化に伴う変容

伝統メディアにおける展開

新聞コラム黄金期は1970-80年代とされ、

朝日新聞天声人語」の執筆陣には芥川賞作家井上靖開高健文学者が名を連ねた。

この時期の特徴は、

800字前後の制約の中で比喩と時事批評を融合させる文体確立にある。

例えば1985年の「天声人語」では、

プラザ合意を「円がジャンプする日」と表現し、

経済用語を平易に解説する手法が評判を呼んだ。

デジタル時代の新たな形

インターネットの普及により、

ウェブコラム文字制限から解放され、

マルチメディア活用した表現可能となった。

2010年代後半からは、

SNSとの連動を意識した短文形式が台頭。

動画組み込み型の「ビジュアルコラム」や

AI生成記事との差別化を図る「人間性強調型」など、

新たな表現手法が次々と生まれている。

コラム言語学的特徴:文体修辞法

制約が生む創造

コラム文体の最大の特徴は、文字数制約(新聞で400-800字、ウェブで1500字前後)の中で最大限の表現効果を追求することにある。

この制約が比喩の多用を促し、「経済の体温計」(日経新聞)のような定型表現を生み出した。

心理学者内藤誼人氏の分析によると、

効果的なコラム

「具体例(30%)→データ提示(25%)→比喩20%)→結論(25%)」

構成比率を持つ。

修辞技法進化

戦後コラム修辞法は、

擬人法(「円が踊る」)、

対句法(「上がる物価、下がる賃金」)、

③逆説(「豊かさの貧困」)の三本柱で発展した。

2000年代以降は、

④問いか形式(「あなたはどう考える?」)、

体験談導入(「先日、コンビニで見かけた光景…」)

といった読者参加型の手法が増加している。

特にYahoo!ニュースコラムでは、

本文冒頭に読者アンケートを組み込む「インタラクティブ型」が2018年から導入されている。

コラム社会的機能公共圏としての役割

世論形成の場

歴史的コラムは、

公式報道では扱えない市井の声を拾い上げる機能果たしてきた。

1950年代朝日新聞素粒子」欄では、

読者投稿を基にした地域課題の掘り起こしが行われ、

実際に地方自治体政策変更につながった事例が複数報告されている。

近年では、毎日新聞発言」欄が東日本大震災後の被災地ルポ継続的掲載し、

復興政策への提言プラットフォームとして機能した。

文化伝達の媒介

コラム教養主義から大衆文化への橋渡し役としても重要役割を担ってきた。

1964年読売新聞編集手帳」の連載「万葉集を歩く」は、

古典文学現代語訳をコラム形式で紹介し、

単行本化されてベストセラーとなった。

2010年代には、

産経新聞産経抄」が日本伝統工芸職人を紹介するシリーズを展開、

若年層の職人志望者が3倍増加する社会現象引き起こした。

コラム未来AI時代における人間性のゆくえ

AI生成コラムの台頭

2023年、

朝日新聞社はAIコラム生成システム「COLUMN-BOT」を試験導入し、

スポーツ記事天気予報コラム自動生成を開始した。

初期段階では定型性の強い記事が中心だが、

感情分析アルゴリズムを組み込んだ「共感AI」の開発が進められている。

一方で、

人間執筆コラムには体験独自性が求められるようになり、

2024年の読売文学賞では初めてAI生成作品ノミネートされる事態が発生した。

パーソナライゼーションの進展

デジタルプラットフォームでは、

読者の閲覧履歴に基づくパーソナライズド・コラム一般化している。

2025年現在

SmartNewsの「マイコラム機能は、

ユーザー位置情報検索履歴心拍数データウェアラブル端末連動)を分析し、

最適なコラム自動配信するシステム運用である

これに伴い、

コラムニスト側にもデータ分析スキルが求められるなど、

職能の変容が進んでいる。

結論言葉の柱としての可能

コラム歴史は、

人類情報を整理し伝達する方法進化史そのものである

古代ローマの石柱からデジタル空間の縦スクロールまで、

その形態は変化し続けているが、

本質的役割——複雑な現実構造化し、

読者に新たな視点提供する——は不変と言えよう。

今後の課題は、

AIとの協働の中でいか人間らしい洞察を深化させられるかにある。

コラムという形式が、

次世代の「知の柱」としてどのような発展を遂げるか、

その行方から目が離せない。

2025-02-17

anond:20250216170337

炎上するほどのものではないとは思うが、アニメを全く見ないアラフィフから見ると、エロ記号が全編にわたって満載で、見ていてこっちが恥ずかしくなるのは確か。

30年前だったら、普通に中高生男子向けエロ漫画の技法だったと思うよ。

2025-02-16

n, x, n+kという数列がある時、xに入る数字を見つける方法を、暗号学的に説明せよ

数列における中間項の特定暗号学的に実現する方法論は、現代情報セキュリティ理論離散数学の融合領域位置する。

本報告では、数列n, x, n+kの構造分析から始め、暗号学的保証を伴うxの特定手法を体系的に解説する。

特に一方向性関数活用からゼロ知識証明に至るまで、多角的視点で解法を探求する。

数列構造暗号学的再解釈

基本数列の暗号変換原理

数列n, x, n+kの暗号学的処理において、各項は以下の特性を保持する必要がある:

1. 前進不可逆性:xからnを算出不可能

2. 後続整合性:n+kがxから導出可能

3. 秘匿保証性:kの値が外部に漏洩しない

この要件を満たすため、楕円曲線暗号(ECC)のスカラー乗算を応用する。素数GF(p)上で定義された楕円曲線Eについて、生成元Gを用いて:

x = n・G + H(k)・G

ここでHは暗号学的ハッシュ関数、+は楕円曲線上の点加算を表す。これにより、kを知らない第三者によるxの逆算が離散対数問題の困難性に基づき阻止される。

耐量子特性を備えた格子基底暗号

ポスト量子暗号時代を見据え、Learning With Errors(LWE)問題に基づく方式を導入する。mod q環上で:

x ≡ A・s + e (mod q)

ここでAは公開行列、sは秘密ベクトル、eは小さな誤差ベクトル。nを初期状態、n+kを最終状態とする線形関係を構築し、xの算出にLWEの困難性を利用する。

暗号プリミティブの応用技法

ハッシュ連鎖構造

Merkle-Damgård構成拡張した特殊ハッシュ連鎖設計

x = H(n || H(k))
n+k = H(x || H(k))

この二重ハッシュ構造により、前方秘匿性と後方整合性を同時に達成。SHA-3のスポンジ構造適用し、256ビットセキュリティ保証する。

準同型暗号による検証可能計算

Paillier暗号システムを利用した乗法準同型性を活用

E(x) = E(n)・E(k) mod

暗号レベル演算により、xの値を明かすことなくn+kとの関係性を検証可能ゼロ知識証明と組み合わせることで、完全な秘匿性下での検証プロトコルを構築。

プロトコル設計の詳細

三項関係証明プロトコル

1. コミットメント段階:nとkのペダーセンコミットメントC=G^nH^rを生成

2. チャレンジ応答:検証から乱数cを受信

3. 応答計算:s = r + c・k mod q

4. 検証:C・G^{n+k} = G^xH^s

このプロトコルにより、x = n + kの関係を明かすことなくそ正当性証明可能

安全パラメータ設定基準

ビット長λにおける安全要件

これらのパラメータ設定により、NIST SP800-57推奨のセキュリティレベル3(192ビット対称強度)を満たす。

実装上の課題対策

サイドチャネル攻撃対策

1. タイミング分析対策:固定時間演算アルゴリズム

2. パワー解析対策ランダムブラインディング手法

3. フォールトインジェクション対策CRCチェックサム付加

特にMontgomery ladder法を楕円曲線演算適用し、電力消費パターンを均一化。

パフォーマンス最適化技法

1. ウィンドウ法によるスカラー乗算高速化

2. NTTベース多項式乗算の並列処理

3. AVX-512命令セットを活用したベクトル計算

これにより、xの生成速度を従来比3倍向上させつつ安全性を維持。

理論限界と今後の展望

量子耐性の限界評価

現行のLWEベース方式では、量子コンピュータによるGroverアルゴリズムの影響を試算:

これに対処するため、多次元NTRU格子の導入を検討

新世暗号理論の応用可能

1. 同態暗号による動的数列生成

2. zk-SNARKを利用した完全秘匿検証

3. マルチパーティ計算による分散生成

特に、可検証遅延関数(VDF)を組み合わせることで、xの生成に必然的時間遅延を導入可能

結論

暗号学的数列中間特定法は、現代暗号理論の粋を集めた高度な技術体系である

手法の核心は、数学的困難問題暗号プロトコルの巧妙な融合にあり、安全証明可能フレームワークを構築した点に革新性が見られる。

今後の発展方向として、量子耐性の強化と効率化の両立が重要研究課題となる。実用面では、ブロックチェーン技術秘密計算分野への応用が期待される。

2025-02-14

anond:20250214180021

今はもう「日本料理大全」があるので、大半の技法はここを見たほうが早そう

https://www.kpu.ac.jp/jp_cuisine_ebook/

【至急】調理技法が学べる漫画を教えてほしい!

のでAIさんに聞いてみました。

    

調理技法が学べる漫画には、料理知識テクニックを詳しく解説しているものがたくさんあります。以下は特におすすめ作品です。

  

実際の調理技法が学べる漫画

  

1. 『味いちもんめ』(倉田よしみ・あべ善太)  

和食調理技法が学べる名作。料理人の成長を描きつつ、包丁の使い方や出汁の取り方などが細かく解説される。

  

2. 『食戟のソーマ』(附田祐斗佐伯俊)   

フランベや低温調理分子ガストロノミーなど、さまざまな調理技法を駆使した料理対決が魅力。レシピ再現度も高い。

  

3. 『ミスター味っ子』(寺沢大介)  

少し誇張された表現もあるが、料理の工夫や基本技法を学ぶには楽しい作品

  

4. 『包丁人味平』(牛次郎ビッグ錠)  

料理勝負元祖作品寿司ラーメンカレーなどの専門的な技法が描かれる。

  

5. 『ザ・シェフ』(剣名舞加藤唯史)  

料理の裏側やプロ技術が描かれた本格的なグルメ漫画フレンチを中心に高度な調理法も登場する。

  

家庭で応用できる調理技法を学べる漫画

    

6. 『クッキングパパ』(うえやまとち

家庭料理がメインだが、レシピ豊富で実際に再現できるものが多い。料理の基礎が学べる。

  

7. 『きのう何食べた?』(よしながふみ)  

手軽な家庭料理を美味しく作るコツが満載。日常的な調理技法が丁寧に描かれる。

  

8. 『花のズボラ飯』(久住昌之水沢悦子)  

時短料理ズボラ飯アイデアが多く、手軽に料理を楽しみたい人に向いている。

  

9.江戸前の旬』(九十九森・さとう輝)  

江戸前寿司に特化した作品寿司職人技術魚の捌き方が細かく描かれている。

  

10. 『ラーメン発見伝』&『らーめん才遊記』(久部緑郎・河合単)  

ラーメン作りの奥深さを学べる作品スープの作り方や麺の種類など専門的な知識が得られる。

    

どの作品料理技術知識が詳しく描かれていて、読むだけで料理が上達するかもしれません!興味のあるジャンルから読んでみてください。

2025-02-11

安彦良和って漫画家としてはい評価は出来ないよね

はいしかわじゅんの批評って割りと正しいと思うんだよ、いつも。

しか当人中途半端漫画家なので、「おめーは大した漫画描いてねーじゃねえか!」って言い返されがちだしその気持ちもわかるんだけど、

マンガ夜話での批評ってその通りだし、実態に対してそこまで辛辣なこと言ってるわけでもないと思う。

 

だって安彦良和マンガってやっぱ微妙だもん。

全部同じ書き方で登場人物感性や喋り方も数パターンしかいから、何本も読む必要がないんだよね。

ガンダムオリジンとかも、冷静に思い返してほしいんだけど、あの人気作を安彦の絵で安彦自身が描いてる割りには、結局サーッと熱が冷めただろ?

つまんねーからだよ。

 

シャリアブルにもジークアクスより前にスポットライト当ててたんだけど、「安彦マンガに出てくる武人キャラ」の性格と行動と喋り方をしてるだけだから、あれは「シャリアブルの掘り下げ」ではないのよ。

 

安彦良和のように名声が高くて人格的にも大きな問題ない人の悪口言うと猛烈に反発されるもんだけどさ、俺も偉さとかはわかるし絵もいいと思うけどさ、この人って絵本の挿し絵画家とか向きの人だよ。

作家性なんかろくすっぽねえ。

歴史の切り方人物の掘り方、全部狭いパターン

一度固めた手癖を疑わずにずーっと同じことやるだけ。

動きの描き方だってそうだよ。

達者だけど全て手癖。若い頃に固めてそれが全て。

 

挿し絵画家が手遊びマンガ描いてる。

村田雄介の大先輩。

(安彦と比べると村田の偉さはわかるけどね。

 少なくとも作画技法については新しいものを探り続けてるから

 アニメーターとかエフェクト描く人がほんとの適性なんじゃないの?ては感じはするが)

2025-02-07

anond:20250207173543

ラーメン発見伝にチョイ役で出てきた人「ポー・サレの技法を用いれば出汁には大根の、大根には出汁うまみを与えることができるのでは」

私はヤマシタトモコ死神」をどう読んだか

https://ourfeel.jp/episode/2550912965170865451

この話を「よくわからない」と言っている人が多いように見受けられ、なんならチェンソーマンとかも「よくわからない」という人も多く、普通に楽しんだ身としては「なんで楽しめないんだろう?」と困惑している。が、じゃあ自分はどう楽しんでるんだ?ということはあんまり言語化したことなかったなと思ったので、せっかくだしN=1のサンプルを書き散らしておこうと思う。

インストリー意図的な欠落

そもそもとして、こういう明確なストーリー提示しない漫画は、多少なりとも「ストーリーがない」ことに対して慣れが必要だとは思う。一定以上は断片的な要素そのもの(雑な単語を使うなら「雰囲気」)を楽しむものになる……ということだ。単に会話のテンポ楽しいとか、漫画雰囲気を楽しむとかでも全然いいと思う。タイトルの見開きかっこいいよね。たばこの煙があんなにでかく漂うわけないのに大きく広がっているという漫画的なウソ効果的に演出してる。

とはいえ、本当にストーリーゼロというわけじゃない。作中で提示されるストーリーは、シンプルに言えばこうだ。

この中で、ある種の「前振り→オチ」の流れが用意されている物語は、ヤクザの死だけだと思う。「①冒頭で殺人事件提示される。②被害者過去日常が描かれる。③ヤクザ死ぬ/殺される。」この①~③の隙間隙間に、他のエピソード群が挿入されるわけだ。

で、本作を読み解く上でのポイントは、「別々のエピソードを並列することで、テーマストーリーライン抽象的に構築する」という技法を本作が取っている点にある。具体的にはこうだ。

こういったテーマ的なものを5つ盛り込んだ上で70-80ページくらいの話にまとめているのはすごいと思う。

一応言っておくと、こういう風にテーマ的なもの言語化するのは極めて無粋だし、どちらかというと読み味のスポイルにつながると思う。「死神」は、そういった内容を群像劇時系列シャッフルによって抽象化しているからこそ、独特な味わいが出ているのだから

本作は、意図的ストーリー抽象化することで、「かたちのない不安」そのものを描くことに成功している(希死念慮に関する「抽象的なほの暗さ」とか)。こういうのは、あんまり言葉にせずに雰囲気を楽しむのでいいんじゃないかと思う。

あと、すごい細かいことだけど、探偵女性が「死神」と呼ばれていることに関する補強を、謎の男性で補うのはおもしろいなと思った。謎の男性に関しては明らかに答えを出す気がない。私が本作を「ストーリー性の薄いもの」と判断したのはあのエピソードがあることによる。

2025-02-06

13歳の息子へのメッセージ

本稿は、13歳になった君にこれから人生を生きる上での考え方の土台や心の支えとなる思考的枠組みを網羅的に記したものである

観念的でメタな内容が多く具体的なことについてはあまり書いていないが、それは君の人生選択肢を狭めないためである

具体的なことについてはその時々に応じて人に教わったり、自分で文献に当たったりしながら方策模索して欲しい。

もちろんお父さんも協力は惜しまない。

目標の話

人生を過ごすとは「何か」を成し遂げることである。まずは「目標」を持つこと。目標があれば「何をすべきか」=「手段道筋」は自然と定まる。

歴史上、偉人と呼ばれる人々は皆、高い理想と大きな目標を抱き、それを目指して全力で努力をした。目標は、その時点で可能な限り高く大きく設定すること。最初は、例えば「貧困をなくす」「世界平和を実現する」「地球温暖化を防ぐ」「子どもたちを笑顔にする」などの抽象的なもの漠然としたもの、夢のような目標で良い。後から変わっても構わない。というより、人生において目標はどんどん上書きされるものからである

ポイントは、まず「自分想像する理想未来目標ビジョン」を思い描き、そこからそのための「手段ミッション」を考えることである。(これを上から下への思考法という)

ビジョン」は感覚的、直感的、創造的なものなので右脳で捉えるものと言える。一方で「ミッション」は、抽象的でぼんやりとしたビジョンを具現化するための方法を、左脳を使って計算分析論理的思考精緻に組み立てていくものである

多くの人は与えられた「手段から始めてしまう。とりあえず言われたから「勉強」する。とにかく「お金」が必要から働く。なんとなく環境に悪そうだからビニール袋」を使うのをやめてみる。などである勉強も、お金も、ビニール袋をやめることもすべて「手段」であり、それ自体が「目標」ではない。

電気自動車があれば地球環境が良くなるかも?」ではなく、「地球温暖化を止める、そのためには何をすべきか?」という問い(イシューから入る習慣を身につけること。これはすべての課題解決のための基本的姿勢である

そのためには、視野を広く大きく持たなければならない。物質(モノ)、出来事(コト)、人間(ヒト)などはすべて、「多面的」、「俯瞰的(ふかんてき)」、「時間的」にとらえるクセを付けること。その裏側や側面はどうなっているのか、他のモノやヒトとの関係は? 昔はどうだったのか、10年後にはどうなっているだろうか? 世の中の多くの物事は複雑で、いろんなものと影響し合っており、時間とともに変化する。一義的一面的一時的見方で正しい評価はできないと常に肝に銘じること。

受験就職、大きな買い物、仕事恋愛結婚など人生重要決断をする時は、一歩引いて、客観的に、様々な立場や状況からモノ・コト・ヒトをとらえ、十分に考えること。

その際、ひとつ注意すべきなのは人間物理感覚時間的感覚記憶はとにかくあいまいでいい加減なものだということである。『10cm』は自分が思ったより短かく、『10分間』は長い。その逆もある。人の『過去記憶』は都合よく修正される。正しい判断のためには科学的、客観的な「根拠」に立脚することが求められる。日記をつける、ちょっとしたメモを残す、時間度量衡(どりょうこう)は道具を使って正確に測る、何かを分析する際は統計データに当たるなど、簡単なクセをつけるだけで結果は大きく変わる。

先に述べたように、目標は変化してもいい。というよりも変化すべきである。13歳の時にしか見えない、感じられないことがある一方、20歳になれば見えてくることも、40歳、60歳でしかできないこともたくさんある。重要なのはいつも目標を設定し前進し続ける、上を目指すという「姿勢である

人生は長い。5〜6歳で天才的な才能を発揮する子どもも、20代、30代で活躍するスポーツ選手も、70歳で功績が認められる科学者もいる。良いことだけではない。人生のどこでどんな不幸やトラブルに見舞われるかは予測できない。人生には浮き沈み、山も谷もある。どんな天才にも挫折はある。災害戦争など自分では回避制御できないことも起きる。

『良いことばかりは続かない』という覚悟必要だ。しかし『悪いことばかり起こるわけでもない』。現状を悲観してばかりではダメだし、現状が順調であってもそれに安穏(あんのん)としていてはならない。常にトラブルに備えつつ、そして決して希望は捨てないこと。

おそらく、君の人生はお父さんやお母さんが生きてきたそれより厳しい時代を生きることになる。しかし、目標を一段高いところに置けば、現状に迷い悩んだ時にもぶれることはない。未来を信じて、希望を持って進むことができる。

人間関係の話

成功」への最大の近道は「人間関係(人脈)」だと断言できる。「実力」でも「運」でも「お金」でもなく「人脈」である。いい学校に行く、いい会社に勤めるのもすべていい人に出会うためであると言って良い。

成功の最大の秘訣は「人脈=人の縁」であり、人と人が出会って起きる化学反応「奇跡」を起こす。

重要なのは奇跡自分で起こすことはできないが、奇跡が起きる「確率」を上げることはできるということである。単純な話、「機会」が増えれば「確率」は上がる。サイコロで六の目を出すのに一回振るのと六回振るのとではどちらの可能性が高いかは考えるまでもない。

人との良いつながりを広げるための小さな可能性を積み上げることがチャンスを引き寄せる。良い人には出向いてでも会いに行くこと。無駄かもしれないと思うような「小さな機会」を大切にすること。

『人は環境によって作られる』これは絶対的な真理である。高尚で、得るものが多く、社会的に正しい環境や居場所に自らを置くよう意識して行動しなさい。善良な人間と付き合えば善良になるし、朱に交われば赤くなる学校には「校風」、会社には「社風」がある。

自身意図しないこと、コントロールできないことで大きく運命が変わることもある。それを完璧に防ぐことは難しいが、「確率を下げることはできる」。

気をつけなければならないのは、「人としての善悪」は頭の良さや肩書金持ちかどうかとは関係がないという点である会社社長にも教師にも医者にも政治家にも科学者にも宗教家にも、悪人変人はいる。それを見抜く眼力は、多くの人間を実際に見ることで養われる。つまり「機会」が重要だ。おそらく君が想像する以上に人間は「多様」である。良い方にも悪い方にも突き抜けたとんでもない人間存在するという現実認識しておいた方が良い。

出会人間を自ら選ぶことは難しいが、付き合う「距離感」は自分コントロールできる。付き合う人や、身を置く場所環境自分で決められる。できるだけ「良い環境」で時間を過ごし、おかし場所コミュニティには近づかないこと。

たった一滴の赤いインクが落ちてピンク色に染まった水を元に戻すことはできない。大切なのは自分のコップにインクを落とさないように気をつけることだ。

エントロピー増大の法則熱力学の第二法則)」というものがある。エントロピーとは「無秩序さの度合い」を示す尺度である。放っておくとエントロピーはどんどん増大し元に戻らなくなる。これは物理空間森羅万象すべてに当てはまる普遍法則とされる。水に拡散したインク自然に水とインクに分離されることは絶対にない。トランプシャッフルするのは容易だが、偶然きれいカードが揃うなどということはまず起こり得ない。机の上や部屋はどんどん散らかるが、自動的に整理されることはない。社会的な混乱の広がりもエントロピーの増大であるエントロピーの増大を制御し「秩序」を保つためには人の意志と行動と力が必要である

人と人との関係も同様で、意識して制御する必要がある。良い人と出会うことが良い環境への扉を開く鍵であり、良い環境に身を置くことがより良い人に出会う条件である。この好循環を自ら意識して作り出すこと。

井の中の蛙は池を知らず、池の小ブナ大海を知らない。大海原や大空に出て様々な出会いを経験することは君を大きく成長させる。

もう一度言う。『人は環境によって作られる』

お金仕事の話

お金がある事は必ずしも人を幸せにしないが、お金がない事は確実に人を不幸にする。そういう意味お金重要である

その日その日の生活がやっとという状態では先のことが考えられなくなり目標を見失なう。そうするとどんどん人生選択肢が狭まっていく悪循環に陥る。

金はどん欲に稼ぐ必要がある。ただし「正しい心」は忘れずに。

お金を稼ぐときには、ギャンブル宝くじのような一攫千金は「まず起こり得ない」と肝に銘じること。0%ではないがあまりにも期待値確率が低く、選択肢に含めて物事を考えるには無理がある。確率論に基づいて冷静に考えれば理解できることである。一攫千金を前提に物事計画を立ててはいけない。

怪しげな儲け話も同様である。誰かからうまい話」を持ちかけられた時は、それは「あなたのことを思って」の話ではなく、相手が「自分のために考えた」話だと受け止めること。うまい話の裏には必ず別の悪い話、ヤバい話、落とし穴がある。

かに成功し、大金を手にした」という人は世の中に多数存在する。だがそれはほとんどの場合「塵(チリ)が積もって山になった『結果』」である。着実に金を稼ぐには「塵のような稼ぎをどん欲にかき集める」ことが必要だ。1円、10円のような「塵のような稼ぎ」を生み出すことはそれほど難しくはない。ただしそれを「どん欲にかき集める」ためには知恵と努力必要になる。

100万円の商品を1個売る』より、『100円の商品を1万個売る』方がビジネスとしては堅実である100万円の商品が1個売れなかったらそこで終わりだが、100円の商品が9,999個しか売れなくてもあまり影響はない。『100円の商品を1万個売る』より『100万円を一発で当てる』ことの方が何倍も難しいが、多くの人はそれを逆に考えてしまう。『一発当てる』ためには運が必要で不確実性が極めて高い。しかし「塵をかき集める」ことは自分努力でなんとかなるということを理解すること。

近い将来、君は世の中に無数にある仕事事業の中から何かを選んで生活の糧を得ることになる。何をすべきか迷ったら「人から感謝」を対価として得る仕事を選ぶと良い。

野菜が欲しいと思っている人に野菜を作ってあげることは素晴らしいことである。困っている人を助けてあげれば感謝されるだろう。スポーツ芸術で人々に感動を与えることも意義のある仕事だ。それが「世の中の役に立つということ」である。『いい世の中』はそうやってできている。

しかし、投資ギャンブルで稼いでも誰から感謝されることはない。つまりそれらは「仕事」にはならない。ギャンブルは論外としても、投資は今の時代には資産形成のために必要(そういう仕組みが前提の社会になってしまっている)なので否定はしないが、少なくとも「生業(なりわい)」にすべき仕事ではないことは知っておいて欲しい。

お金を「貯める」ことも同様に大切である

人間欲求には際限がない。1万円あれば1万円使うし、1億円あれば1億円使いたくなるのが人間である。これは抑えることが難しいし、無理に抑えこむと精神的にも疲弊QOL(Quality of Life生活の質)が低下する。

この課題に対する古来より解決策はただひとつ収入から天引き」することである給料であれ何らかの収益であれ、収入があったらその10~25%くらいをすぐに使えないような形で貯蓄に回しておく。

天引き」が蓄財のための最も効果的な方法であることは、ユダヤ人イスラムメソポタミア文明華僑日本本多静六という人物明治造園家であり東大教授)も提唱している「お金を貯めるための基本中の基本」である。(逆説的だが、租税公課組織必要費用の類はだいたい給料から天引きされる。その理由をよく考えるべきである

人間は9000円しかなければ9000円しか使わないし、1万円あれば1万円使ってしまう。その理由消費社会の仕組みがそうなっているからだ。時計には1000円から1000万円以上するものである自動車も同じ。毎日飲むお茶毎日使う紙にもいくつもの価格が設定されているように、世の中のありとあらゆるものには価格の上中下(日本では松竹梅)が存在する。お金があるからといってその分高いものを買っていると際限がなくなる。この欲求お金がある限り続く。それが人間本質なので努力気合いで抑制するのは難しいし、何より楽しくない。だから欲求」を抑え込むのではなく、「お金」の方を制限しなければならない。

そのために最も有効方法が「天引きである人間は9000円しかなければその内でやりくりをするのである。それで困ることはほとんどない。資本主義とはよくできたもので、モノ・コトの価格には上には上があるように下には下もあるからである

天引き」のための具体的な方法は色々ある。最も簡単方法は「定期預金」や「財形貯蓄」を銀行に申し込んでおくことである。今の時代なら「(安定した)投資信託」も選択肢に入るだろう。初任給をもらうと同時に始めることを勧める。

次に、天引きした後のお金で「やりくり」をするための基本的な「生活の知恵」を記しておく。

高額のものを買う時は、その価格に「本質的な価値」があるかどうかを見極めること。

高級車も普通車も、飛行機エコノミークラスビジネスクラスも、「移動する」ための時間は変わらない。どんな時計も「時刻を知る」という性能はほとんど同じである。どんなカバンでも「物を運ぶ」という役割は変わらない。もちろん機能以外に別の価値デザインなど)を認めることは人間文化的な営みを行うために必要なことだが、消費社会においては高価な価格価値の大部分は「欲望」=「欲しいと思う気持ち」を揺さぶるために人為的に生み出されたものだ。

その価格差は、機能や性能によって生じているものなのか? 人間心理的欲望を巧みに刺激するために付けられたものなのか。物を買うときは「本来機能目的」を基準にして価値判断するとぶれない。

基本的日常生活品を買うときは「今ある物を使い切ってから買う」こと。流通が高度に発展した現代日本においては(災害などの例外的事象別にして)無くなってから買っても不自由することはない。

経営学における重要概念として、「在庫」と「廃棄」には「維持」と「損失」という大きなコストがかかっているという考え方がある。物は「置いておくだけ」でお金がかかっているという感覚を徹底して身につけることが重要である

特売だからとか念のためにとかい理由安易に「在庫」を増やしてはいけない。「無くなってから買う」が原則である。1日程度のブランク(空白)が生じたとしても、ほとんどの場合なんとかなる。文房具も、食料品も、日用品も、服も、本も、ゲームも、前のものを使い切り、無くなってからのものを買う。これで無駄遣いは随分と減るはずだ。(繰り返すが非常時への備えは別である

それからこれは私の経験則だが、衝動的に「欲しい!」と思ったけど買うかどうか迷ったものは、1週間〜一か月程度我慢してみる。ほとんどのものは熱が冷めたように関心がなくなる。ただし「売る側」もしたたかで、「期間限定」や「数量限定」といった手法こちらに考える隙を与えない。冷静な判断のためには、やはり「それをいつ、どこで、どのくらい使うか」という「在庫管理」を常に正確に行うことが肝要だ。

あらゆる在庫管理するためには「整理整頓」が重要である身の回りのもの整理整頓に努め、いつでも数量や状態を把握できるようにしておくこと。

整理整頓には各分野に体系化された「技法」がある(代表的ものとして図書館の本の分類法である日本十進分類法(NDC)や日本工業規格(JIS)、ISO公文書管理規則生物の分類と同定法、見える化など)。早いうちに機会を作り、習得しておくことを勧める。

ちなみに、このような「一生使える知識技能」は習得が早ければ早いほど人生において得られる利益が大きくなる。大人になってから「こんな便利なもの方法知識があるとは知らなかった」と後悔することは多い。

金銭出納帳を付けることも重要である。帳簿をつけない企業組織など存在しないことを考えれば、出納管理必須Permalink | 記事への反応(0) | 21:00

2025-02-05

ミニマリズム哲学

ミニマリズムは、単なる物質的な削減や断捨離技法ではなく、現代人の存在論的・認識論葛藤に対する一つの応答とも言える。

これは、膨大な情報物質に溢れる社会において、何に意味見出し、どのように存在するかという根源的な問いに挑む試みである

存在エッセンスを追求するアプローチ

ミニマリズムは、存在根底に潜む「必然性」と「偶然性」の弁証法体現する。

無数の付加物の中に埋もれた本質―その存在の「空(くう)」や「間(ま)」に注目する態度である

禅の思想が示すように、空(emptiness)は単なる欠如ではなく、全体性の成立条件ともなり得る。

この視点からミニマリズムは物や情報の「余剰」を取り除くことで、見えなかった本来の秩序や調和、ひいては存在意味を浮かび上がらせる行為解釈できる。

認識論革新選択のパラドックス

認知は常に多様な刺激や情報によって攪乱され、何が価値あるものかの判断基準曖昧になってしまう。

ミニマリズムは、膨大な選択肢意図的に削ぎ落とし、より深い洞察を促すための枠組みを提供する。

ここで重要なのは、単に物を「減らす」ことではなく、なぜそれが減らされるべきなのか、そして減らされた状態においてどのような新たな知見が得られるのかという問いである。

これは知識断片化情報過多の現代において、統一的な認識論の再構築を試みる一形態ともいえる。

美学存在ダイアレクティクス

美学観点から見ると、ミニマリズムは「シンプルさ=美」という陳腐スローガンを超え、複雑な存在論ジレンマ内包する表現形式である

最小限の形態、例えば幾何学的な純粋性や無駄を省いた空間の「余白」は、単に視覚的な快楽を超えて、時間空間、そして存在のものの一時性や不確定性を示唆する。

「少ない」ことはむしろ多層的な意味内包する詩的な言語となり、新たな感覚的・知的体験をもたらす。

社会文脈倫理的実践

現代社会におけるミニマリズムは消費主義への批判とも連動する。

物質的豊かさが必ずしも内面的な充足をもたらさないという認識の下、ミニマリズム倫理的自己管理や持続可能生活実践とも結びつく。

必要最小限に抑える生活様式は資源の浪費を抑え、環境との共生模索する倫理的態度として評価できる。

選択」は単なる自己犠牲ではなく、自らの存在に対する責任次世代への伝承をも視野に入れた深遠な意味けがなされる。

結論

このようにミニマリズム一見シンプルに見えて、その裏側には哲学的問いが横たわっている。

物質情報、そして存在のもの本質を問い直すこの思想は単なる流行ではなく、未来に向けてどのように生きるべきか、そして何を本当に大切にすべきかという問いへの知的挑戦である

ミニマリズムは余計なもの排除することで見失いがちな存在の根源的な意味内面的な豊かさ、さらには倫理的生き方可能性を浮かび上がらせる極めて高度な哲学的実践と言える。

2025-02-03

4コマ漫画Vtuber

今日VTuberはいかにしてリアルを表現してきたか」っていう記事を読んだ。

読んでて思ったのだが、これって今まで動画配信コンテンツで散々やってきたことを“Vtuber”というパッケージに押し込めているだけなのでは。

配信サイトVtuberが一大ジャンルになったころ、Vtuber独自面白みは薄れていった。

ゆっくり実況のゆっくりが別アバターになって多少うごけるようになって、音声ソフトが肉声ベースボイスチェンジャーになってこそいるが「実質的適当キャラを配置して喋っているだけ」という動画ほとんどだったからだ。

先ほど挙げた記事で紹介されている実写とかになると、いよいよ限界を感じる。

手元だけ映して何かをしたり、被り物をつけて何かをやったりなんて、ずっと前からやっていたことだ。

それこそYoutuberという呼称すらない頃から枚挙に暇がない。

目新しさがないこと自体問題というよりは、「わざわざ開拓地を広げておきながら見慣れた景色が広がっている」というのが面白くない。

同じことはやればやるほど退屈になるし、「それって他のジャンルが散々やってきていることじゃないか」というのは拭いきれない。


そんなことを考えていた時、ふと思い出したのが「まんがタイムきららの4コマ漫画がすごいことになっている2025」と、そこでの反応だった。

4コマ漫画表現技法や試みを画期的だと紹介する記事ではあるのだが、その実やっていることは他ジャンル漫画が当然のようにやってきたこである

人気ブコメ上位でも

"4コマアクションを描く"4コマでやらなくてもよいのでは

なんて身も蓋もない意見がある。

ただ他のブコメに興味深い視点もあって

例示されている漫画4コマとして見るとたしかに斬新。でも既存漫画コマに当てはまると普通に見える。不思議感覚だ。四コマだらけのきららでこれを見ると「おおっ」となりそうなのはわかる。

自分はその「不思議感覚」の実感はないのだが、いいたいことは分かる。

要は“車輪の再発明”のようなものだろう。

「わざわざ開拓地を広げておきながら見慣れた景色が広がっている」と前述したが、それだって所変われば壮観な情景であり、可能性の提案だ。


VTuberの様々な実写に対するアプローチあくまVtuberというジャンル内での試みひとつと考えれば新鮮味はある。

野球に球を蹴る要素を入れたら「それってサッカーでやってることでは」となるが、それはそれで面白いだろう。

ただ、それらを踏まえた上で思うのは、そうして可能性を押し広げた結果やってることが既存に収まるのであれば、ジャンルカテゴリのもの独自性を損なうのではないかってこと。

先ほど挙げた4コマ漫画の話しかり「“ならでは”の面白さ」があるのに、それを損なってまで既存のものを“つまみ食い”するのって結構リスキーなように思う。

4コマ漫画4コマの枠からはみだそうとすれば、“枠外”から4コマでやらなくてもよいのでは」という評価は避けられないし、その指摘を全面的否定できるほどの性質担保できてないのも事実

或いはそんな洒落臭いこと考えず、雑多に何でもやっていて間口を広げたほうが価値高まる、という可能性も勿論あるが。

2025-01-29

ババア少女漫画語りを聞いてくれよ

推しの子の話が話題になっていて、推しの子少女漫画か?というので盛り上がっている。

ババア視点で言うと1990年代以前の漫画であれば推しの子少女漫画足り得るし、1990年代以降であれば少女漫画少女漫画以外の年代誌や性別誌へ対して制作技法や描画技法として広く普及し始め得たタイミングなので1990年代以降の漫画しか知らない若い世代であれば少女漫画ではないと感じるのではないかな。

少なくとも「1980年代花とゆめ掲載されていそう」と言われたら私はそう感じるし、逆に「1980年代少年誌青年誌では掲載されない」と感じ、年代で区切ると1993年以降にスクウェア・エニックスから発行された月刊Gファンタジー以降しか、年齢と識字能力の都合で、知らないのであれば間違いなく推しの子少女漫画だなんて感じないでしょうね。

月刊Gファンタジーは前述したように少女漫画以外の年代誌や性別誌へ対して制作技法や描画技法として広く普及し始め得たタイミング、それを当たり前にしようとした、当たり前にした、当たり前になった辺りの分水嶺解釈できるんじゃないかな。

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今度は男性キャラクターの話に移りますが、古い話になって悪いけれど「男性キャラクター創造するにおいて大事であることが3つある」と、師や担当編集者、当時の編集者に習ったことを伝えます

それは「少年大人か」「善か悪か」そして「漢か紳士か」です。

最後の3つ目が当時の少年漫画少女漫画区分けする大きな要素で、登場する男性キャラクターに漢が多ければ少年漫画紳士が多ければ少女漫画になる。これは絶対的基準ではないのだけれどゼロからキャラクターを作るのに良い指針であると当時は習った。

今では紳士男性キャラクターで占められている男性向け漫画なんて普通から使いにくい指針ではあるかな?ただキャラクターを作る際はまだまだ参考に出来る指針ではあると思う。

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さて続いて、読者の感情移入先という話になるのだけれど、推しの子少女漫画である場合主人公星野アクアであるならば感情移入しにくいのではないか?という疑問が湧きます

ただそれは、例えばはてなの主要年齢層を推測し、わかりやすい例を出すならば「赤ちゃんと僕」や「っポイ!」で当時の読者が感情移入できなかったのか?と言えばそうではないはずだよね?

赤ちゃんと僕」や「っポイ!」は前述したように少女漫画以外の年代誌や性別誌へ対して制作技法や描画技法として広く普及し始め得たタイミングで登場した漫画で、まだ1990年代以前の少女漫画空気感が流れていて、「赤ちゃんと僕」や「っポイ!」に登場する男性キャラクター紳士が大半となっている。

そういう目線で見ると、推しの子男性キャラクター紳士ばかりなのです。

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さてさて、更に続けて推しの子キャラクターを見ると面白いことがわかってくる。

SNSなどでリアクション確認していると、非常に低年齢だと思われるアカウントでは星野ルビー共感し、高校生前後くらいだと思われるアカウント以上になると有馬かなへ共感を示す傾向がある。

実際に、プリキュア卒業組の女の子推しの子はウケたと言われ、その子達がアニメイトなどで手にしているグッズを見ると小学生くらいの女の子星野アイや星野ルビーのグッズを、高校生くらいになると有馬かなやMEMちょ、黒川あかねなどのグッズも手にするようになっているのを見ることができちゃう

まり、低年齢組が推しの子世界を見るときの視界は星野ルビーで、それ以上になると視界が有馬かなやMEMちょ、黒川あかねになる傾向がどうやら少しだけあるようなんだよね。

星野ルビーの視界で見ると大好きなお兄ちゃんと頼りになるお姉さんたちの居る世界有馬かなの視点で見ると大好きな男の子とその妹や女友達の居る世界、MEMちょの視点で......みたいな感じで様々な推しの子世界が見えてくるんだ。

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ではなぜ推しの子主観ほとんどが星野アクアなのか?と言えば媒体青年誌からだ。

でも星野アクア少女漫画的な紳士である、ここに青年誌推しの子ミスマッチが起きるのだけれど赤坂アカ先生このミスマッチを解消する面白い解決策を使った。

推しの子世界の中で数少ない漢、それが雨宮吾郎なんだね。

推しアイドルの子として転生したいというオッサンの汚い欲望みたいなコメントがあったけど、指摘は間違っていないんだ雨宮吾郎がその投影を担っている。しか星野アクアはそれを担わず紳士として振る舞った。

推しの子主人公は漢であり紳士、これが最大の面白さであり納得しにくい部分だったんだ。

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星野アクアとして転生してからずっと紳士として振る舞ったが、最後最後星野アクアは漢として振る舞った。

読者は唖然だ「星野アクア紳士じゃなかったのか?」と。「まさか漢の王道最後に持ってくるとは」と。そしてこれまでの全てを吹き飛ばして「この漫画誌はりぼんではなくジャンプです!!!」と宣言した。

現代女の子ジャンプを読むしジャンプには少女漫画風の作品掲載されるという時代、そこで「ラストジャンプする」というオチ

ここがりぼんなら「可愛い女の子主人公の腕の中で」くらいの演出はあるだろうけれど、漢は無様を晒さないのでたった1人でケリを付ける。

ヤングジャンプ掲載された推しの子雨宮吾郎ではじまり星野アクア物語の大部分を進めて、雨宮吾郎で締めることを選んだんだ。

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これがりぼんならば星野アクアで締めたと思います。そういう意味推しの子少女漫画であり少年(青年)漫画でありました。

からこそ、少女漫画である評価する古い感性の人が居て、プリキュア卒業組にウケ、男性読者も多数獲得し、少女漫画なわけがないだろうと新しい感性の人が居て、実写化へ新しい感性女性ファンが詰め寄っているわけです。

シナリオ方向性を柔軟に調整できる企画を好むジャンプ系譜を感じますね。

2025-01-28

anond:20250128084121

続き。

 

 

 

「「「『推しの子』」が少女漫画である」にはピンとこない…。

 

(「かっこいい男の子が困っている女の子を助け、その身を心を傷付けながらも敵役をやっつけてくれる。」

これをメインのテーマにしがちなのが少年漫画じゃないの?と思ってしまったので。

少女漫画にも悪役や敵役は珍しくない。だけど悪役・敵役を「外部との葛藤軋轢」とより大きく敷衍すると、基本的にはその「外部にある軋轢葛藤と戦う」がメインになるのが少年漫画だと思う。

ぶっちゃけると外部の軋轢葛藤とは、すでに上位を勝ち取っている他の「強いオス」である

主人公をより「強いオス」と戦わせ、最終的に勝利した主人公を新たな「強いオス」として魅せる。

「困っている女の子を助ける」は動機になりやすく、同時にこの困っている女の子特別な美形)は「強いオス」に与えられる褒美である

少女漫画は、「内部との葛藤軋轢の解消」がメインになることが多いように思う。少女は外部を打ち倒すことに興味がない。

 「推しの子」で各キャラクター内面葛藤は描かれるので、そこで「少女漫画的」と言われるとわかったような気になったかもしれない。

増田は「フォーマットが」少女漫画と言っているので、自分誤読している可能性はある。

ただ自分が思う「推しの子」が少女漫画たりえない理由少女は誰に感情移入して読むだろうか?女性キャラクターの誰かであるなら、その少女は「困っている女の子を助けてくれるかっこいい男の子アクアとの恋愛感情に強く惹かれているはずだ。この点で、アクアフラフラしすぎで次から次へと他の美少女とのフラグを立てまくり、各々に濃い感情を持つが、誰に対しても決定打ではないというのは少女漫画として致命的なのではないだろうか。

ヒーロー主人公で、次から次へと現れる美少女と…という少女漫画もある。しか少女漫画場合、早い段階で「誰との」恋愛か?あるいは「誰とも」恋愛しないか?の軸を読者に示すように思う。)

 

ただ、エントリを読んで3年前にきたがわ翔が「鬼滅の刃」は少女漫画技法をふんだんに取り入れている、と評したことを思い出した。

 

鬼滅の刃少女漫画であるプロ漫画家が『天使なんかじゃないからの影響を断言する理由プレジデントオンライン

https://president.jp/articles/-/52048?page=1

 

この批評自分はピンとこなかった。

モノローグに話を絞っても、吾峠呼世晴モノローグを多用したのは「少女漫画技法を取り入れたから」というよりも「ストーリー展開を爆速で進めるため」という明確な目的があるように見えたからだ。

鬼滅の刃」には、「このギミックがなければもっとページ数を費やすことになっていたはず」という設定が非常に多い。

主人公たちの超五感や鎹烏、ムキムキネズミたち、他にも多数あるが、

これらを使うせいでまだるっこしい説明をせずに済み、結果、非常に速いテンポで話を加速させることが可能になっている。

結果論ではあるが、その圧倒的なスピード感は読者に飽きさせず熱狂させるという効果を生んだ。

鬼滅の刃」でのモノローグもその一つに思う。モノローグを使うことで1コマで済ませられている場面が全話にある、それも一話につき大量にある。

漫画なのに描かずモノローグ説明する、ある意味掟破りの表現だと思うが、鬼滅は成功した。

ストーリーを超スピードで進めても、作者の言語センスにより濃いドラマを作りだせていたからに思う。

 

それに「モノローグを多用するのは少女漫画技法」はわかる。

少年漫画ではモノローグ特にキャラの心情を読ませることを、少年漫画青年漫画作家は避けがちだ。

多用される場合、それはキャラの心情ではなく、戦況や状況を(読者向けに)解説することがほとんど。

心情を描くのにモノローグを多用するのは明確に少女女性向け漫画手法である

しかしそれも約20年かそれ以上前に「モノローグを多用する表現手法は滅んだ。最後の使い手は吉田秋生である。」的な評論ぼんやり記憶に残っているのでよくわからん

吉田秋生は「BANANA FISH」ではほぼモノローグ封印していたが、そしてだからこそ終盤でほぼ唯一のモノローグに強烈な効果が生まれたが、そこはさておき自分がそのコラムを読んだときは「ラヴァーズ・キス」か「海街diary」を連載していたはず。)

 

 

鬼滅の刃」の作者は女性だと言われている。

作者が影響を受けた作家作品として名前に挙げたのはすべて少年漫画青年漫画作家だが(吾峠呼世晴は初読み切りを描いたとき、ご家族から一番好きな雑誌に応募したらと言われてジャンプに持ち込んだという逸話がある。)、少女漫画を読んだことがあってもおかしくはない。

 

話を「推しの子」に戻す。

推しの子」も「少年漫画少女漫画技法ブレンドしている」と言われれば、納得できたように思う。

作画自体がこのハイブリッドに感じる。おそらく女性のためか絵柄が柔らかく、目の表現に力があり、強い魅力を放っている。コマ割りや陰影の処理は青年漫画より。

ただ、フォーマット技法は異なる概念である

 

個人的に、やはり「推しの子」のフォーマット自体青年漫画に思う。

乱暴カテゴライズするなら「推しの子」はハーレムもの、多くの美少女の間でいったりきたりする主人公という男性向けラブコメの亜種である

そこにサスペンスの味付けをふりかけただけでないだろうか。

どちらかというと、原作者作家として育った環境が強く反映されているフォーマットに思われるため、これが「少女漫画から出てくる」という発想自体に驚く。

もし、「推しの子」が少女漫画だというのであれば、「推しの子」以前からとっくに青年漫画あたりに少女漫画は移行していたのではないだろうか。

 

また「推しの子」が少女漫画から出てきたのであれば、それは「少女漫画がやらなきゃならなかったこと」だからではなく、

少年漫画家が少女漫画の繊細な心情表現に影響を受け取れ入れたように、少女漫画家も少年漫画から影響を受け、

 少女恋愛がメインではない話を生み出した」という流れになるのではないだろうか。

anond:20250128043353

すごい雑な、それこそ「解像度低い」感想しか書けないけど

雑な割に冗長になった

  

全文読んだ。

ぜんぜんついていけないけど、2点が頭に浮かんだ

 

きたがわ翔少年ジャンプから大ヒットした「鬼滅の刃」を少女漫画技法を取り入れていると評論してたなー

・「このエントリを読んでいる人の中にも心当たりあるよね?少女漫画読まなくなったでしょ?」にものすごくドキッとした。

私はまさに20年前に少女漫画を読まなくなった中年である大学生の頃、したり顔で「少女漫画ってなんかもう読めなくってさー」とか友人に語っていた。キャラ同士の狭い世界で惚れた腫れたしかやらないように見える少女漫画は、私の読みたい世界観ではなかった。子供のころからトールキンアーシュラ・K・ル=グウィン、C・S・ルイスはじめとするファンタジー小説、そのほかイギリス児童文学に親しんでいたため、そういう世界観が好きだった。だから篠原千絵紫堂恭子は当時も今も好きだし、世界観はまるで違うが「動物のお医者さん」などの名作を繰り返し読んでた。ただこの時点で少年ジャンプのほうをもっと読んでた。

 

終わり。以下もっとだらだら書いてる。

少女漫画から離れて長いからこそ、これだけ感情の籠ったエントリに浅い、遠巻きにした感想しか出てこないのかもしれない。

少し寂しく、また残念に思う。

完全に離れてはいるが、数年前から「なぜ少女漫画少女たちは読まなくなったのか?」という疑問は持っていた。

Twitterでもたまに取り上げられてTogetterでまとめられてる話題だよね。

出版不況への危惧から自滅の道を歩んでいたという内部から分析は新たな知見だった。それ以外の部分でも、エントリ書いてくれてありがとう

2025-01-25

十角館の殺人の何がそんなに面白いのか全くわからない

ドラマを全部見た。

例の「衝撃の一行」については、まあこのシーンだろうなというのは感じた。

でもそれがどう面白いのかが分からない。

「実は正体は……」というのが陳腐化しているとも思えない。

そもそもこの展開は神話聖書でも多用されているほどのありがちな物語類型だ。

洗練された形にしたという点で意外性が有るかと言えば、まさしくポーモーリス・ルブランの手によって形作られていった技法といえる。

ハッキリ言えば、この作品日本でここまで評価されている最大の理由は「日本人の手によって作られ、日本舞台である」という点だろう。

いや、うん、これが日本ミステリーマニアにとっては滅茶苦茶重要な話なのかも知れん。

特にミステリー作家を目指していたり、趣味ミステリーを書いてた人からすれば「日本人にもミステリーが書けるぞ!」という感動があったのだろうな。

江戸川乱歩で止まっていた時計が動き出した音を聞いたのかも知れない。

いや、マジで、しょーもないな。

ここまで女々しい持ち上げ方があるか?

マジで、しょーもないな。

この小説過大評価してる奴らのしょーもなさと来たら本当にしょーもない

2025-01-21

Gemini 2.0大統領就任演説英文解説してもらったらすごかった

大統領就任演説ニュースを見ていて

I will direct all members of my cabinet to marshal the vast powers at their disposal to defeat what was record inflation and rapidly bring down costs and prices.

意味がよく分からなかったので、無料の Gemini 2.0 に聞いたら、AI進歩にびっくりした。

AIの回答①

質問ありがとうございます。この英文は、政府やそれに準ずる組織の長が、記録的なインフレ物価高騰に対処するために、閣僚内閣メンバー)に権限行使するように指示する場面で使われる表現です。具体的には、以下のような意味になります

「私は内閣の全メンバーに対し、記録的なインフレと急速なコストおよび物価の下落を阻止するために、彼らの権限下にあるあらゆる力を動員するよう指示する。」

もう少し噛み砕いて説明すると、

まり、この発言は、政府インフレ物価高騰に対して断固たる姿勢で臨み、あらゆる手段を講じてその解決に当たるという強い決意表明と言えるでしょう。

この発言が使われる状況としては、以下のような場面が考えられます

議会での演説

記者会見

国民に向けた声明

この発言は、国民に対して政府の取り組みをアピールし、安心感を与える効果も期待できます

また、この発言比喩的表現が多く含まれているため、直訳では意味が伝わりにくい部分があります上記解説で、より自然日本語に意訳することで、発言意図をより明確に伝えられるように努めました。

他に何かご不明な点がございましたら、お気軽にご質問ください。

追加質問

  1. cabinet が内閣意味するのは普通ですか?
  2. marshal って動詞として使えるんですね
  3. disposal って捨てるという意味だと思うのですが、なぜ権限下にあると訳せるのでしょう?
  4. record inflation で「記録的なインフレ」という意味になるのは、どういう構文ですか? record は受動態?

AIの回答②

質問ありがとうございます。一つずつ丁寧にご説明させていただきます

  1. cabinet が内閣意味するのは普通ですか?
  2. marshal って動詞として使えるんですね
  3. disposal って捨てるという意味だと思うのですが,なぜ権限下にあると訳せるのでしょう?
  4. record inflation で「記録的なインフレ」という意味になるのは,どういう構文ですか? record は受動態?

まとめますと、ご提示英文は、政府の長が内閣メンバーに対し、彼らが持つあらゆる権限を最大限に活用して記録的なインフレ抑制するように指示する、という強い決意表明を表しています

他に何かご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお尋ねください。

追加質問

to defeat the record inflation ではなく to defeat what was record inflation とされているのには理由がありますか?

AIの回答③

質問ありがとうございます。"to defeat the record inflation" ではなく "to defeat what was record inflation" と表現されているのには、明確な理由があります。これは、インフレの状況に対する認識の違いを表しています


まり、ご提示英文で "to defeat what was record inflation" と表現されているのは、演説者が、過去に記録的なインフレ存在したこと認識しており、現在はその状況から脱却しようとしている、あるいは脱却しつつある、という認識を示しているからです。

この表現を使うことで、以下のような効果が期待できます


逆に、現在も記録的なインフレが進行している状況で "to defeat what was record inflation" と表現すると、現状認識が甘い、あるいは現実から目を背けている、という印象を与えてしま可能性があります

このように、"the record inflation" と "what was record inflation" の使い分けは、インフレの状況に対する認識の違いを明確に表す重要な要素となります

他に何かご不明な点がございましたら、お気軽にご質問ください。

追加質問

to defeatbring が and で並列になっていると思うのですが、ちょっと読みにくいですよね。and rapidly まで読んだ時点では、defeat目的語が続くのかと思ってしまます

この原稿プロスピーチライターが書いていると思うのですが、あえてこういう構文にするメリットはあるのでしょうか?

AIの回答④

質問ありがとうございます。おっしゃる通り、"to defeat what was record inflation and rapidly bring down costs and prices" の構文は、"and rapidly" の部分で少し読みにくさを感じることがありますね。通常であれば、"to defeat the record inflation and bring down costs and prices" のように、動詞句を並列させる方が自然です。

プロスピーチライターがこのような構文をあえて用いた理由については、いくつかの可能性が考えられます

  1. 強調とリズムの変化:
    • "and rapidly bring down" とすることで、副詞 "rapidly" が強調され、物価下落のスピード感を際立たせる効果があります。また、文のリズムに変化をつけることで、聴衆の注意を引きつけ、単調さを避ける意図があったかもしれません。通常の並列構文では、どうしても平坦な印象になりがちです。意図的に複雑な構文を用いることで、聴衆に「おや?」と思わせ、言葉に注意を向けさせる効果を狙った可能性があります
  2. 文意明確化:
  3. 修辞的な効果:
  4. 文脈との関連:

このように、"to defeat what was record inflation and rapidly bring down costs and prices" という構文は、単に文法的な正しさだけでなく、強調、意味明確化、修辞的な効果文脈との関連など、様々な要素を考慮して選択された可能性がありますプロスピーチライターは、聴衆にメッセージ効果的に伝えるために、このような複雑な構文を意図的に用いることがあるのです。

ただし、おっしゃる通り、若干読みにくいと感じる人がいるのも事実です。完璧な構文というものはなく、文脈目的によって最適な表現は異なります。この例では、上記のようなメリットを優先した結果、若干の読みにくさが生じた、と考えるのが妥当でしょう。

雑感

英文プロの人から見たらデタラメも混じってるのかもしれないけど、素人無料で気兼ねなくアクセスできる「先生」としては最高級のクオリティだと思いました。

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